部分入れ歯は使わんでよか。噛めとるけん。そして4年後... 認知症と歯科... | 隠れキリシタンの島で隠れてない歯学博士 高﨑智也のスローライフブログ

隠れキリシタンの島で隠れてない歯学博士 高﨑智也のスローライフブログ

歯学博士/長崎大学臨床教授/東北大学非常勤講師
手術用顕微鏡を全ての診療室に導入し、1本1本の歯を大切にします。
歯科衛生士と共に取り組む予防歯科。
裸眼では見えない噛み合わせの調整、痛みが少ない歯ぐき蘇り手術を行っています。

4年前の話。

80代前半のBさん。

歯が痛いと数年ぶりに来院された。

診せて頂くと、全体的にかなり悪い。

奥歯は抜かなきゃいけない部位もある。

そして初めての部分入れ歯を使わなくてはいけない。

 

本当は1年近くかけて全体に治療をさせて頂きたかったのだが、漁師町の特徴で、気が短い方だった。

悪い歯を抜いて、歯周病の初期治療後、すぐに部分入れ歯を作成し、まずは咬合の回復をする事にした。

そして慣れてしばらくした後、徐々に悪くなっている被せ物の治療をしていこうという治療計画だった。

 

ところが、部分入れ歯をセットしたら、すぐに来院が途絶えた。

入れ歯なんて使わんでよか。

噛めとる。調整にも行かん。

そう、入れ歯の調整する事もなく、そのままになった。

 

そして4年後。

突然と通院していた奥様が、私の代わりに主人を診て欲しい、上の前歯が外れてきた、と連絡が入った。

それだけなら治療に入りましょうで終わるのだが、そうではなかった。

認知症が進行していた。

 

認知症を発症している方は、進行の段階にあるが、通常の歯科治療に入れることが限りなく少ない。

今回のBさんも噛み合わせが崩れて、前歯が虫歯が進行し外れてきたのだが、噛み合わせを治療しなくては、とても前歯をどうもこうも出来ない。

そう、4年前に、そのまま来院して下さっていれば...

 

このような方を何人も診せて頂いて思う。

若くて元気なうちに、

しっかりとした噛み合わせを。

そして、

定期的なメインテナンスに通院を。

だ。

超高齢化社会を迎える日本で...

 

続きはhttp://www.nteeth.com/2016/09/22/denture2/