息子が早く終われと言うので... 息子さんが将来苦労されるかもしれないのですが... | 隠れキリシタンの島で隠れてない歯学博士 高﨑智也のスローライフブログ

隠れキリシタンの島で隠れてない歯学博士 高﨑智也のスローライフブログ

歯学博士/長崎大学臨床教授/東北大学非常勤講師
手術用顕微鏡を全ての診療室に導入し、1本1本の歯を大切にします。
歯科衛生士と共に取り組む予防歯科。
裸眼では見えない噛み合わせの調整、痛みが少ない歯ぐき蘇り手術を行っています。

昨年、痛みがあると来院された70代後半のAさん。
ブリッジ(無くなった歯の隣の歯を削り橋を架ける治療)で支えている歯が悪くなって痛みが出てきた。


入れ歯は嫌だと言われるので、それなら何とか歯を残す治療を進めましょう。
ただし、時間、そして費用もかかりますと伝えると了承され、治療を進めていた。


しかし、最近、来院される度に、顔色が悪く元気がない。
本日、歯科衛生士のOに、

早く終わりたい...

と告げられた。


理由は、同居する息子さんから、

いつまで歯医者に通うの。
悪かとこだけで早く終わってもらえ。


と言われているらしい...


息子さんに現在の状況、そして、もし今、治療を途中で止めたら、今後どのようなことが起こるか説明しましょうか?と伝えるも、息子は仕事が忙しいけん、よかよとのこと...


きちんとした噛み合わせを作り、なるべく長く健康でいて欲しいという思いで歯科医療をやっている歯科医師としては、非常に不本意ながら、治療途中で、一旦、ゴールをすることに決めました。
同居する家族の同意が得られない治療は続けられません...


これから、さらに高齢化社会を迎える日本。
このような事は、全国の歯科医院で今でも起こっていると思うし、今後増えると思う。


Aさんの息子さん、今は自分で通院できるお母様が、

もし寝たきりになって、
歯が痛いと言われたら?
しっかりとした噛み合わせが出来ず、
もし認知症を発症された時は?


間違いなく、苦労されるのは、息子さんとその家族だ。
実際、当院でも、そのような方が既におられる...


当院では、

元気なうちに、良い噛み合わせ
定期的に診せてもらう
認知症の予防
ピンピンコロリの人生をビックリマーク


を考えて、日々、スタッフと共に精進を続けています。


 Complete denture 入れ歯 噛める


明日も皆様と共に、良い1日でありますようにニコニコ