どうして高い講習会に参加しても患者さんが来院してくれないのだろうか? | 隠れキリシタンの島で隠れてない歯学博士 高﨑智也のスローライフブログ

隠れキリシタンの島で隠れてない歯学博士 高﨑智也のスローライフブログ

歯学博士/東北大学非常勤講師
手術用顕微鏡を全ての診療室に導入し、1本1本の歯を大切にします。
歯科衛生士と共に取り組む予防歯科。
裸眼では見えない噛み合わせの調整、痛みが少ない歯ぐき蘇り手術を行っています。

タイトルのような悩みを持つ真面目な歯科医師の方、意外と多いのではないでしょうか?

理由を考えてみます。

歯科医師は、大きく3つに分かれます。

1.何も教えなくても出来る先生
2.上手く教えれば出来る先生
3.教えても出来ない先生


1の先生は、ちょこっと見るとやれちゃいます。

そう目で盗めるタイプ。

このような先生は、講習会に出れば出る程、レベルアップします。

吸収量が違います。すぐに実践、そして結果を出します。

結果が出ない場合は、自分で考え、自分が出来るようにアレンジして、その結果、上手くいきます。

師があまりいらないタイプです。

様々な講習会の講師の先生達は、この1のタイプが圧倒的に多いと感じます。

しかし、そのような先生が教えてくれても、何故か実践出来ないのが2のタイプ。

出来ない理由の1つ目、

・講師の先生が、自分の技術を伝えきれない

よく言われますよね。

1流のプロ野球選手は、1流の監督にはなれないと。

歯科医師も同じなのでは?

何も習わなくても出来ているので、2のタイプの先生達が、どこでつまづいているのか解らない。

また、どのように指導すれば修正出来るか解らないんです。

何故、講師の先生と同じように出来ないかというと、2つ目の理由として、

・つまづいているポイントが1人1人違うから

と僕は考えます。

講習会は、普通、何名もの先生と一緒に受講します。

講師の先生が、つまづきポイントに気付いても、他の先生がいる前で、なかなか指摘してあげれません。

また逆もそうで、ココでつまづいていると参加された先生自身が解っていても、他に多くの受講生がいる中で質問出来ない。

そのままコースが終わり、自分のクリニックに帰っても出来ないんです。


例えば、歯科医師の基礎中の基礎の全部鋳造冠の形成を考えてみましょう。

・猫背診療ではないか?
・スコープ(拡大鏡)を使えているか?
・チェアーの高さは?
・ユニットの高さは?
・患者さんの頭の角度は?
・形成用のバーの選択は?
・口腔内へのミラーの入れ方は?
・口腔内への5倍速(タービン)の入れ方は?
・軸面の意識があるか?
・どこから、どの角度で形成しているか?
・レストの位置は?
・左手の位置は?
・口腔内での5倍速の動きは?
etc...

チェックすべき様々なポイントがあり、先生、先生でつまづいているポイントが違う。

今日、ご縁があるとある先生に3時間程アドバイスしたら、たった3時間で驚く程、上手くなられた。
同じ歯を4回形成してもらったんですが、回を重ねる毎にレベルアップされた。

前に書いた『なちゅてぃーの虎の穴』。

僕が、何百時間、何百万もかけてきた知識、経験を3時間に凝縮してみた。

試験的にやってみたら、もともと先生のセンスが良いので、瞬く間に癖が取れた。

今後、このようなマンツーマンレッスンを、ご縁がある先生に依頼されたら、僕自身も学びがたくさんあるので協力したい。

 $生月(いきつき)島在住の歯科医(TOMOYA TAKASAKI)が世界に近づきながら書く楽しいスローライフブログ-マイケル君
 活躍したマイケル君(僕が勝手に命名)
ニッシンのシンプルマネキンⅢ、非常に優れものですアップ


さて話を戻すと、

3.教えても出来ない先生

このタイプは、ほとんどいないのですが、時々おられる。

このような先生が歯科医師を続けていくなら、普通よりもかなりの時間をかけなくてはいけない。

そして、早く3の状態を抜け2になる事が必要です。


アレレ?このタイトルは、患者さんが来院してくれないのだろうか?でしたね。

患者さんに来院してもらう前に、歯科医師がやっておくべきことがたくさんあります。

形成の前に、診断もあります。

そして、セット後のメインテナンスもあります。

また、歯科の技術だけでなく、経営や人事も当然のようにあります。

気付いた先生おられますねひらめき電球

そう、

経営も人事も3つのパターンがあるんですビックリマーク

本などでちょこっと学ぶだけで、上手く経営が出来る先生もいれば、教えてもらって出来る先生、教えても出来ない先生が。


臨床だけでもダメ、経営だけでもダメ、全てがリンクして歯車が合った時に、上手くいくものです。

そして、その歯車は、時々狂うので、常に修正も必要。

このままでいいや!!なんて思った瞬間に、周りは進んで自分だけ取り残される事になります。


今日のブログ、開業前の先生が読んだら、開業大変だなあと思った方がおられるはず。

そう思ったら、

開業せずに勤務医か研究者で人生を楽しむビックリマーク

という選択肢もありだ。

しかし、少子高齢化が進み、高度成長期は二度と来ない日本で生きていくには、どの道を進むにも、それなりの努力が必要です。



明日も皆様と共に、良い一日でありますようにニコニコ