「もしドラ」に思う   「マネジメントと自己組織化」 | 田中信裕ゼミナール

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福岡県 東区 九州産業大学 

経営学部 産業経営学科 国際経営学科

田中信裕ゼミナールのゼミ生による活動報告ブログ

田中です。


今、流行の
『もし高校野球の女子マネージャーが
ドラッカーの『マネジメント』を読んだら』
通称「もしドラ」は小学生まで知っている。


ある意味、経営教育を一気に推し進めたのではないかなと感じる。
書店でも様々なドラッカー本が並び、コーナーを埋め尽くす。
「もしポーター」や「もしコトラー」なども
便乗して出てくるのではなかろうか。



経営学と生物学を融合させようとしている自分にとって、
ドラッカーに関して一番興味深いのは、
彼自身が「経営学者」ではなく、
「社会生態学者」と名乗っていることである。


おそらく、要素還元的な考え方ではなく、
社会全体が有機的なつながりをもった
相互依存性に着目していたからではないだろうか。




ドラッカーの言葉は非常にわかりやすく
心に響いてくるものが多い。
自分のボスを想像しながら読むとおもしろいのが

『マネジメント』p.130である。


「うまくいっている組織には、必ず一人は、
手をとって助けもせず、人づきあいもよくないボスがいる。
この種のボスは、とっつきにくく気難しく、
わがままなくせに、しばしば誰よりも多くの人を育てる。
好かれている者よりも尊敬を集める。
一流の仕事を要求し、自らにも要求する。
基準を高く定め、それを守ることを期待する。
何が正しいかだけを考え、誰が正しいかを考えない。
真摯さよりも知的な能力を評価したりはしない。
このような素質を欠く者は、いかに愛想がよく、
助けになり、人づきがいがよかろうと、
またいかに有能であって聡明であろうと危険である。
そのような者は、マネジャーとしても、紳士としても失格である。」





マネジメントは、管理と訳されるが、
私はマネジメントは人を管理することではないと思う。


人を管理し、コントロールするとか、
意のままに動かすことは不可能なのではないだろうか。


自分が仕事に対し、一途に追求していく。
真摯であることによって、周りが自然についてくる。
つまり、マネジメントとは、自己組織化なのだと思う。
その状況をたまたまマネジメントと言っているような気がする。
それは、操作されたものではない。


「人をマネジメントしよう」
そう思った瞬間にマネジメントは失敗に終わる。
そんな気がしてならない。