白鶴亮翅 | 萩天の空

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 先日、毎日新聞朝刊の書評欄に、「白鶴亮翅」なる文字を目に

 

して太極拳?と反応する自分がいました。

 

 

 

 池澤 夏樹 評 (作家)

 

 白鶴亮翅

 

       多和田葉子著(朝日新聞出版・1980円)

 

 

 

 その書評を読むことにしました。

 

 

 

 冒頭に、「はっかくりょうし、と読む。」とありました。 太

 

極拳に親しんでいる身としては、なぜ日本語なの?という疑問を

 

引きずりながら、先に進みました。

 

 

 

 物語は、「主人公の一人語りで進む話。」「今のベルリンに住

 

む日本人の女性が語る日常の話」「そして太極拳。」「隣人Mさ

 

んに誘われて一緒に初心者体験入学に行く。先生は三十代半ばの

 

小柄な中国人女性で、その指導によるゆるやかで着実な、力を抜

 

いた身体の動きの描写が読む者の心身をほぐしてくれるよう。」

 

「人々の集まる場所なので」「キャラの立った人が次々に登場す

 

る」「そういう場としてこの学校が設定されている」「この小説

 

ぜんたいが話題から話題へのゆるやかな推移という原理でできて

 

いて、その意味ではこれ自体が太極拳のなぞりなのだ。」「最後

 

の場面の一瞬の活劇がとても効果的に思える。白鶴も闘うし、そ

 

もそも太極拳も本来は武術なのだ。」

 

 

 

 と、ありました。

 

 

 

 いままで太極拳の事については、いわゆる技術書でしか交わっ

 

てこなかったので、小説で太極拳がどのように扱われているの

 

か? 興味がわいたので早速書店で本を購入しました。

 

 

 

 書店で本の背表紙を見て、最初の疑問が解けました。 縦書き

 

で、はっかく鶴 亮りょうしと、漢字の間にルビが打たれ

 

ていました。 作者の意図だったのですね。 著者の多和田葉子

 

さんは1960年生まれの芥川賞作家だと、本を開いて初めて知り

 

ました。 太極拳学校での生徒間の付き合いや、主人公の心の動

 

きなど、作者の達者な文章に載せられて、読み出すと次々と読み

 

続けることに陥ってしまいます。 太極拳の授業の様子も、作者

 

ご本人がかなり太極拳をおやりになっておられるのが、窺えるよ

 

うで大変感服してしまいました。 内容については例を挙げて説

 

明するよりは、ご自分で一度本書をお読みになることを、お勧め

 

します。 

 

 

 

 特に太極拳を楽しんでおられる方には!!