
最近本格的に金利上昇が視界に入ってきました。
上昇スピードも、想定よりも早くなるかもしれない雰囲気。
住宅ローンを抱えている身としては戦々恐々。
一方では銀行口座の預金が、普通預金ですらまとまった利息が入るようにもなりましたが、普通預金に付く利息以上にローン金利は増えているんだろうなぁというのは想像に難くありません。
全額繰り上げ返済できる現金があるわけでもありませんが、生活防衛費として現預金は持っています。
急な出費に備えている分もあれば、暴落時のつぎ込む予定の投資の軍資金として待機している分もあります。
ハイリスクな株の他に、低リスクの定期預金として運用している分もあるので、これらをやりくりすると、全額ではないですが、繰り上げ返済に回せる分がなくも無いです。
ただ、どこまでの金利なら、運用するよりも返済したほうがいいのか?
その分岐点を考えておかないと、効率よい運用にはなりません。

そこで、仮に300万の流動資産(現金、定期預金)がある場合、金利がどれくらいなら、年間維持コストはどれくらいになるのかを試算してみました。
- 【ローン金利 1.0%】の世界
- 定期預金: 0.6% (税引後 0.48%)
- 計算: ローン利息 30,000円 - 預金利息 14,343円
- 年間コスト: 15,657円 (月々わずか 1,300円
- 【ローン金利 1.5%】の世界
- 定期預金: 0.9% (税引後 0.72%)
- 計算: ローン利息 45,000円 - 預金利息 21,515円
- 年間コスト: 23,485円 (月々約 1,900円)
- 【ローン金利 2.0%】の世界
- 定期預金: 1.2% (税引後 0.96%)
- 計算: ローン利息 60,000円 - 預金利息 28,687円
- 年間コスト: 31,313円 (月々約 2,600円)
- 【ローン金利 2.5%】の世界
- 定期預金: 1.6% (税引後 1.27%)
- 計算: ローン利息 75,000円 - 預金利息 38,249円
- 年間コスト: 36,751円 (月々約 3,000円)
- 【ローン金利 3.0%】の世界
- 定期預金: 2.0% (税引後 1.59%)
- 計算: ローン利息 90,000円 - 預金利息 47,811円
- 年間コスト: 42,189円 (月々約 3,500円)

上記の計算方法として、いかをGemini君にしてもらいました。
Gemini君
結論:銀行の標準スプレッド(利ざや)は「0.5%〜1.0%」と想定
銀行が預金を集めてローンとして貸し出す際、店舗の維持費や人件費、貸し倒れリスク(リスクプレミアム)を引いて手元に残すべき標準的な利ざや(ネット利ざや)は、国内外問わず「0.5%〜1.0%程度」が健全な金融機関の標準です。
これを元に、過去の日本や海外の「2%時代」のデータを紐解いてみましょう。
1. 過去の日本の「2%時代」(1995年〜1999年頃)
平成バブルが崩壊し、金利が今の低金利に向かって下がっていく途中の「変動金利が2.375%」で高止まりしていた1990年代後半の日本が参考になります。
- 住宅ローン(基準金利): 2.375%
- 定期預金金利(1年): 0.3% 〜 0.5%程度
- スプレッド: 約 1.8% 〜 2.0%(※ただしこれは優遇前の「基準金利」ベースです)
現代の日本の住宅ローンは、基準金利から「優遇幅(ネット銀行やメガバンクの顧客値引き)」を引いた「適用金利」で戦っています。
当時は値引き競争がなかったので預金金利はかなり低く抑えられていました。

2. 海外(アメリカ)の「2%〜3%時代」
アメリカの政策金利(FFレート)が2.0%前後で推移していた時期(2018年頃や、コロナ直前の時期)の、一般的な商業銀行のデータをベースにします。
- 住宅ローン(適用金利): 約 4.0% 〜 4.5%
- 定期預金(CD金利): 1.5% 〜 2.0%
- スプレッド: 約 2.5%
海外の場合、住宅ローン自体の金利が日本よりかなり高く設定されるため、その分、定期預金金利も高く払える構造になっています。
過去のデータと、現在の日本の「住宅ローン優遇引き下げ競争」が続いている前提を掛け合わせると、変動金利が2.0%で安定した世界でのリアルな預金金利は、過去の2例とは違い以下のように予測するのが最も合理的です。
- 住宅ローン適用金利(実際の支払金利): 2.0%
- 銀行の調達コスト限界(定期預金金利): 1.0% 〜 1.2%
- (銀行が最低限確保するスプレッドを0.8%〜1.0%とした場合)
- 税金(20.315%)を引いた「手取り定期金利」: 0.79% 〜 0.95%
Gemini君以上


もし世の中の経済の先行き期待が高く、株価がグングン上がっている局面であれば、「ローン金利が2.5%になったからといって慌てて投資をストップし、300万円を繰り上げ返済に回す行為」自体が、株の爆益を取りこぼす最大の「機会損失(機会費用)」になりかねません。

そう考えると
手元の浮いた300万円を、定期預金ではなく「株(投資信託)」に投じた場合、機会損失と繰り上げ返済のどちらが勝つかは、以下のシンプルな不等式で決まります。
1. 株の期待リターンが「2.5% + 税金分 = 約 3.14%」を超えている場合(投資キープが正解!)
- 株の利益にも20.315%の税金がかかるため、ローン金利2.5%に勝つための「最低ラインの株の利回り」を計算すると約3.14%になります。
- もし景気が良く、世界株や日本株が「年5%〜7%」のペースで上昇を続けるポテンシャルがある(=先行き期待が高い)局面なら、計算はこうなります。
- 株のリターン(7%) - ローン金利(2.5%) = 実質プラス 4.5%
- この場合、300万円を返済に回してしまうと、年間で約13.5万円分(4.5%分)の利益をドブに捨てる「大・機会損失」になります。

2. 「景気のピークアウト(失速)」が見えてきた場合(返済へシフトが正解)
- 金利が2.5%まで上がった結果、企業の借金負担も重くなり、さすがに景気や株価の上昇が鈍化して「これからは年2%〜3%の成長が限界かも…」と先行きに不透明感が出てきたとき。
- 株の期待リターンが3%を下回ると、税引後の手残りがローンの2.5%に負ける、あるいは「元本割れのリスクを背負ってまで追うリターンではない」という状態になります。
- ここで初めて、現金を株から引き上げる(または追加投資をストップする)合理性が生まれます。

