
前回のブログで立憲民主の戦略である、玉木さんを首相に据える条件での国民民主の取り込みの実現性を考えてみました。
その内容は以下ですので、良ければこちらから読んでください↓
株価の行方と野党の思惑、割と真面目に考えた | グデーリアンの投資ブログ
■前回の考察で作成した星取表
これを見る限り、最低限、△と×の項目を〇以上に持っていけるよう、立憲民主が妥協してくるのが国民民主から見た実現のためのボーダーに見えます。
これを前提としなければ、玉木さんは立憲の傀儡となりかねません。
なお、連立が国民民主だけでは議席数が足りないので、残り二党とも同時に政策をすり合わせなければいけないでしょうから、全ての×と△の数を見ると中々ハードルが高そうなのがわかります。

では逆に、国民民主、維新、公明の自民党との親和性を同じく星取表にしてみるとどうなるか。
結果は以下です
■自民と各政党の政策一致度の星取表
◎:完全一致、○:基本一致、△:部分一致、×:方向性が異なる)
こちらもcopilot君の作成なので、凡例が微妙なところもあるかもしれませんが、ざっくりとした方向性は見えるのではないでしょうか?
これを見る限りでは、立憲と組むハードルよりも自民と組むハードルのほうが各党とも低いように見え、議席数的にも、三党のうち二党と合意できればいいので、その点も立憲よりハードルが低いです。

次に、この二つの表をマージしたうえでスコアを付けてみます。
以下が、政策一致度を数値化した表形式のまとめです。各政党が「立憲民主党」「自民党」とどれだけ政策的に一致しているかを、10項目×最大3点=30点満点でスコア化しています。
この合計を纏めると以下になります。
立憲から見るとワンチャン、国民民主か公明、もしくはその両方は取り込める可能性がありそうですが、維新については、自民との親和性が強く、これを取り込むのは難しそうに見えます。
しかし立憲の議席からすると、維新までを取り込まないと過半数に届きません。
それでは現在の戦略、玉木さんを担ぎ出したところで意味がありません。

では立憲は何を考えて今の戦略を打ち出しているのでしょうか?
いくつか考えられるケースシナリオを挙げてみます。
■立憲民主が政策に妥協しないケースでは
①玉木さんがのこのこと乗っかってくる場合。
これは渡りに船。
例え玉木さんが首相になっても、少数の国民民主は政策決定では劣勢になりますから立憲の傀儡政権を作れます。
失政があっても玉木さんのせいにできれば、更に都合の良い御輿になります。
②玉木さんが政策協議のために時間を使う場合
この場合、決裂前提で構わないでしょう。
自民と国民民主、更には維新、公明を日和見にさせて自民との合意を後れさせ、自民が過半数割れのまま単独少数与党にする可能性を高めるというのが本筋ではないでしょうか?
■立憲民主が政策に妥協するのであれば
立民が自らの政策を曲げる気があるのなら、野党の大連立の可能性は高まりますが、そもそも、国民民主、維新、公明の全てが合意できるような妥協が出来るのでしょうか?
特に維新と公明の両方が同時に納得できる妥協案を探すのは容易でない気がします。

こうして考えると、各野党が自民と結束するのを迷わせる材料を投下しながら首相指名選挙まで時間を稼ぎ、あわよくば各野党を取り込み政権奪取、それがかなわなくとも、自民を連立させずに単独少数与党にさせて力を削ぐ。
これが立憲民主の戦略のメインシナリオなのではないかと推察していますが、自民側が首相指名選挙でいずれかの野党側からの票獲得の根回しが出来なければ、そのまま首相指名選挙には向かわず、石破さんのまま解散総選挙を行って議席数確保に向かう可能性が高いと思います。
関ケ原前夜の徳川家康と石田三成の情報戦のようですね。
さてこれが立憲民主の戦略であれば、株価という観点でいえば残念ながら何のメリットもない気がします。
だからこその、現在の先物の動きなのだと解釈しています。
つまり逆を言えば、このシナリオが崩れた時にはポジティブサプライズになりますから、この荒い値動きがもう一度上方向に復活するでしょうね。
それも踏まえたうえで、週明けの下落を受け止める必要がありそうです。


