株価 予想 日経平均 リセッション 株の売り時 持たざるリスク 稲妻の輝く | グデーリアンの投資ブログ

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トレードではなく資産運用の観点での投資ブログ。
銘柄選びや運用成績だけでなく投資に対する考え方や自分の失敗、成功談なども踏まえてお話しできればいいなと思っています。

 

 

 

 

「日本人は逆張り、外国人は順張り。」

 

と、よく言われます。

 

4月のトランプショック以降で見てみると、やっぱり外国人がずっと買い越しているのに対して、日本人はずっと売り越し。

もし安いところで建玉をたんまり仕込んでいたのであれば、この上昇局面で少しずつスライスしながら売って利益確定しているところと想像できますが、上げ相場があまりに長く続くと、建玉無くなりますよね?

僕の場合トレードをほとんどせずに、バイ&ホールドが基本なのであまり関係ないのですが、ちょっと気になります。

 

 

そもそも、なんで日本人は逆張りで外国人は順張りなのでしょう?

これ、指数のチャートを見比べると、なんとなく合点がいきます。

 

 

 

 

 

■DOWは基本的に右肩上がり

NYDOWは、上げ下げは当然繰り返すのですが、下げてもすぐに右肩上がりのチャートに回帰する傾向があります。

安値で買って次の高値で売った後、調整後の安値で買い戻そうとしても中々押し目を形成せず一度インに失敗すると、次は売値よりも高い位置でしかインできなくなったりしそうです。

停滞する期間も短いので、であれば、順張りで出上がりに追随するほうが理にかなっていそうです。

 

■日経はレンジ

対して日経平均は、こちらも右肩上がりではあるものの、上昇してはしばらヨコヨコのレンジを形成、またしばらくすると上昇してレンジを切り上げた後、ヨコヨコ。

 

これだと、レンジ相場で回転させたほうが良い期間が出来そうで、高値で売って安値で買い戻しそびれたとしても、次の安値のチャンスが何度も来ますから、上がれば売って下がれば買う逆張りになるのがよくわかります。

 

 

 

 

 

■チャート形状は人が作る

しかしチャートの形状は自然とできるものではなく、売りたい人と買いたい人の需給で出来上がりますから、日経は上昇後、ずっと持っておく価値が乏しいため、上がらない期間が増えるのだと想像できます。

 

売りたくなる要因には、為替や地政学などいろいろと理由があるのでしょうが、それらを直接株とは関係のない外的要因だとすると、それとは別の内的要因がありそうに思います。

 

高配当投資メインの僕からすると、この内的要因に見えるのが株主還元方針の違いです。

 

米国株の場合、25年以上連続増の銘柄である配当貴族、同じく50年以上連続増配の銘柄である配当王という称号、肩書きが付けられます。

 

25年以上連続増配という事は、コロナショック、リーマンショックでも配当維持ですらなく、増配を続けたという実績。

 

50年であればITバブル期以降、増配を続けているという実績。

 

場合によってはこれら経済ショック時も増益を続けた企業もあるでしょうが、減益や赤字であっても増配は続けた企業もあります。

要するにこれらの称号は、それが出来る財務と業績、それをやりきる企業方針のどちらも持っている企業の証左という事です。

 

 

 

 

 

そういった企業であれば上昇相場の前の安値で買うことが出来ていれば、その後の業績低迷期であっても株主からすれば、持ち続けて配当を貰い続けるという意味が出てきます。

 

企業側もそれをわかっていて、極端な自社株買いを行い、発行株式数を削ってEPSを上げ、結果として配当金増額につながるような株主重視の経営を行っています。

 

対して日本株を見てみると、単純な業績連動型の配当方針の企業も多く、好業績の年には配当を増やしますが、翌年減益ともなれば問答無用に減配をしてくる。

 

これだと株主側からしてみれば、景気が停滞、もしくは後退するならば、その企業の株を持ち続けてもインカム収入は減ってしまいます。

となれば、キャピタルのあるうちに売ってしまい、キャッシュポジションを作り、次の安値で買い戻すという心理もよくわかります。

減配したとしても、それによって株価が下がったところで買えば、配当利回りはまた高い状態で買えますからね。

長期での一貫した配当政策の無い企業に、長期での一貫した買いも付かないという事ですね。

 

 

この違いが

 

日本人は逆張り、外国人は順張り

 

という方針の違いになってきたのではないかと思います。

 

 

 

 

 

■今後も変わらない?

 

とまあ、勝手に分析して勝手に納得しているのですが、今後も日本人と日本株は逆張りのままでいいのでしょうか?

 

日本株は、連続増配は花王の35年。

配当王に該当する企業は1社もありません。

 

ところが2000年代に入ってからとなると、10年連続とか、15年連続増配という企業がありまして、そういった企業は、コロナショックでも増配を続けています。

 

これは、たまたまというわけでもなく、企業側の配当方針、ひいては株主重視の経営に舵を切り始めたという事が言えそうです。

 

これは日本企業の自社株買いの伸びを見ても明らかです。

 

企業の自社株買いの金額(Copilot君調べ)
2014年    約3兆円前後
2024年    約10兆円超  

 

 

 

 

上記もしましたが、自社株買いをして、買った株を消却すれば、発行株式数が減ります。

すると、同じ純利益であっても、一株当たりの利益であるEPSに直せば、高い数字が出ます。

 

例を挙げて見てみますと

A:純利益100億円÷発行株式数10億株=一株当たりの利益10円

 

B:純利益100憶円÷発行株式数1億株=一株当たり利益100円

 

発行株式数を1/10にすれば、一株当たりの利益(EPS)は10倍になります。

配当性向50%と決めている企業であれば、このEPSの50%を配当に回しますから

 

Aの場合の配当はEPS10×50%=5円

Bの場合の配当はEPS100×50%=50円

 

という具合に、利益が積みあがらずとも配当が増えます。

 

この自社株買いを日本企業が積極的になっているのは、株主還元姿勢の変化と捉ええることもできますから、今後については、長期投資家が一度買ったら売らないという事も増えてくるかもしれません。

 

 

そうなるとチャート形状もレンジの期間が無くなっていくかもしれませんから、上昇に沿ってポジションを取っていく順張りに考え方を切り替えなくてはならない時期が来るかもしれません。

 

日本株についても、高配当ETFや投信が定着してくると、そういったファンドへ資金が流入すればするほど、一度ファンドが買えばリバランスで外されない限り売りが出なくなるので、買い物は高く高くなっていくはずです。

 

そうなると、売ってくれる逆張り日本人はいいカモになってしまうかもしれません。

 

日本の物を外国人が安く買い、日本人が後追いで高く買うという流れは見たくないものです。

 

■株主還元は実際に株価に影響を与えるか

 

最後にNTTの配当と株価の推移を見ておきます。

NTTは2003から減配しておらず、2011年からは連続15期の増配。

特に、2014年以降は増配率が高くなっています。

 

株価と見比べてみると、2014年以降右肩上がりのチャートに変化しましたから、少なからず株主還元姿勢が株価に影響を与えていそうに見えます。

 

皆さん、安く買えた資産は大事にしましょう。