
短期投資、トレードって感やセンスが試されることが多く、勉強してどうなるものでもない、って部分があります。
なんでそんなにうまくいくの~?
って不思議なくらい、上手な人は上手。
でも、僕のように、なんでそんなにずっと株やってるのに、トレード下手なの?って人は本当に下手。
僕は多分、トレードの成果、50%以下です。
しかし、長期投資については感やセンスではなく、戦略。
勉強すればだれでも勝てる、と信じています。
トレード下手な僕でも勝ててるんですからね。
で、その戦略について先日、配当利回りを見てリバランスしていき、キャッシュ比率は変えずに相場に居続けるというのを書きました。
内容は↓です。
ただこれ、独自の考えではなく、有名な戦略の応用です。

ダウの犬戦略
聞いたことありません?
🐶 ダウの犬戦略とは
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概要:毎年、ダウ平均株価構成銘柄のうち、配当利回りが高い上位10銘柄に均等に投資する。
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目的:割安で安定した企業に投資し、値上がり+配当収入を狙う。
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リバランス:年に1回、銘柄を見直す。
📊 ダウの犬の過去の統計的成果
✅ 長期的なリターン(1957年〜2003年)
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年間平均リターン:約14.3%
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同期間のダウ平均のリターン:約11%
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→ 長期では市場平均を上回るパフォーマンス

このダウの犬戦略、何も考えず、ルーティーンで実践するだけで、年14%のリターンです。
これは、ダウに採用されるのが、米国の中でもたった30銘柄はどれも巨大で安定した企業であること。
多少業績不振で株価が下がって配当利回りが上がったとしても、殆どがキャッシュ潤沢で配当を支払い続けられるような企業であること。
などが関わっていると思います。
企業が巨大でキャッシュが潤沢であれば、株価が一時的に低迷したとしても、その後の機関投資家の買いも入りやすくなり、リターンリバーサルが起こりやすくなるというのを狙っているんですね。

ただし、もしこれを、Topix構成銘柄を利用して同じことを行ったとした場合、同じ成果は出ない可能性があります。
というのも、DOWの中から配当利回りでスクリーニングすればいい、という単純なやり方が通じるのは、そもそもDOW自体が定期的に銘柄入れ替えが行われていて、業績の悪い企業はDOWから外されるという新陳代謝が常に行われているからなんですね。
ところがTopixは、DOWやS&P500のように銘柄入れ替えがなく、業績の悪いゾンビ企業のようなものも混じっています。
ですから、配当利回りでスクリーニングするだけでは、業績悪化によって株価が下がり、一時的に利回りが高く見えているだけの企業が引っかかってしまいます。
つまりは一定の目利きを自分でする必要がでてくるという事ですね。
ですから、INDEXに対して積み立て投資をやるように、難しいことは考えずにルーティーンで投資をしたいという人にとっては、本家DOWを利用してDOWの犬戦略を取るのは有効。
自分でもっと考えながらやってみたいという人にとっては、日本企業をより詳細にスクリーニングしながら独自のポートフォリオを組んでいくというのが面白いかもしれません。

ではそのスクリーニングですが、ここではキャピタルを取るのではなく、ポートフォリオ全体で長期でインカムを取っていくことを考えます。
ポートフォリオを組むのですから、出来るだけ分散投資をしたいところですが、一度に大量の銘柄を購入するというのは難しいので、軸となる数業種、数銘柄を選んで、その後少しずつ持っていない業種を買い進めるという体でお話しします。
長期で安定したインカムを得る軸を作るのですから、大型で財務がよく、安定したビジネスモデルになるような業種がいいでしょう。
一度顧客を得ると、それ以降毎月定期的にお金を徴収できる、いわゆるストックビジネスをターゲットにするといいかもしれません。
すると、
ローンの利子を毎月徴収できる銀行業。
携帯の月額料金を徴収できる通信業。
同じく考えていくと、保険、リースなどが上がってくるでしょう。
この中から、業界のトップをいくつかリストアップして、更に配当利回りとの兼ね合いを見て、各業種1~2銘柄に絞って買っていく。
例えば銀行でいえば三菱UFJと三井住友FGの業界1位2位を買っておき、株価が上がって配当利回りが下がりすぎてしまったら、業界3位で出遅れ気味のみずほFGに乗り換えるという感じ。
※みずほが三菱、三井住友と比べて、その時点での利回りが高いが業績、配当方針等が見劣りしないか?というのはきちんと確認してくださいね。
これをやっていくと、ほぼほぼダウの犬と同じことが出来ます。

まずはわかりやすい業種でこれを行い、慣れてきたら、よりニッチな業種にも食指を広げるというのもありかもしれません。
そしてこの長期投資をやっている間、自分の持ち株の株価だけではなく、自分持ち株の配当金の合計を見ておきましょう。
今の持ち株でどのくらいの配当収入が得られるか。
配当を増やすことが目的になるように。
すると、ただ株を売ると配当が減ってしまうので、減った分でより配当利回りのいい株を買って埋めるというのがルーティーンになって来ます。
予想配当額は株価と違って、修正があっても年に1回か2回程度。
暴落でも配当は変わらないことがほとんど。
ですから、株価ではなく配当を見る癖をつけておくと、暴落で慌てるという事も少なくなり、パニックを起こさずに済みます。
個人的には中々お勧めの手法です。
ただね、理論的には配当を払うより、設備投資に回した方が企業の成長エンジンになりますから、効率だけを求めるのであれば、配当を出さないグロース企業に投資するのがベター。
この辺りは考え方次第ですね。
どちらかというと、資産拡大を狙う若い時期よりも、資産取り崩しが視野に入るミドル世代以降が合う投資手法かもしれませんね。

