トランプ氏「プーチン氏は戦争を止めたくないのかも」←いまさら( ゚Д゚)ハァ? | グデーリアンの投資ブログ

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  トランプ氏「プーチン氏は戦争を止めたくないのかも」

 

という記事が上がっていました。

やっぱりこの人は、ただの商人なんだなぁ・・・

 

そんなのわかってたじゃん!

あんたわからんかったの?

 

馬鹿なの?フーバーなの?トランプなの?

 

って言いたくなります。

あ、トランプだった。

 

トランプ氏「プーチン氏は戦争を止めたくないのかも」 攻撃を非難、二次制裁の検討示唆(産経新聞) - Yahoo!ニュース

 

 

プーチンが2014クリミアに侵攻したのはセヴァストポリを取り戻したいからで、セヴァストポリ要塞は歴史的に黒海の制海権を握るための要衝です。

 

ここが無くなればロシアにとっては黒海から地中海にかけての足掛かりが無くなり、西側寄りの政権に押さえられては、米国で例えればキューバに核兵器が配備されるようなものですから、軍事的に容認できません。

 

当時、同時にドンバス地方を押さえたのも同様、ウクライナが西側よりの国になれば緩衝地帯として機能しなくなりますから、新たな緩衝地帯を作り出す必要があります。

 

 

 

 

 

国境の緩衝地帯についての重要性は、旧日本帝国が満州を押さえようとしたのと同じ理由で、これはGHQのマッカーサーも、なぜ戦前の日本が満州に侵攻しなければいけなかったか、赴任してみてわかったと述べています。

 

本来であれば、西側との緩衝地帯は、NATOに対抗して設立したワルシャワ条約機構がになっていましたが、ソ連崩壊後は解体されています。

 

このように、ロシアのウクライナ侵攻の意図は決して経済的な背景とは言えないため、経済的な恩恵を示せば和平が出来ると考えている節のあるトランプのやり方でそう簡単にいくとは思えません。

 

プーチンの本来の目的は、ウクライナの西寄りの政権(ゼレンスキー)を倒してロシア寄りの政権を打ち立て、西側からの長い国境線の緩衝地帯の回復でしたから、開戦初期の電撃戦でゼレンスキー確保に失敗した以上、この目的は一切達成されていません。

 

トランプが打ち出している米国によるクリミアのロシア領として承認するという条件にしても、これはロシアにとっては2014年から実効支配が出来ているわけですから、今更承認してもらったところで大きなメリットになりません。

 

 

 

 

 

ゼレンスキーを倒せないのなら、後はロシアとウクライナの国境地帯全体を実効支配して緩衝地帯作るしかありませんが、現在それが達成できそうなのは東部国境地帯のみ。

 

目標の達成できない戦争で、ロシアは30万人ともいわれる戦死者を出しているわけです。

 

そんな状態ではプーチンは、(本来の目的とは違っても)大規模な勝利という戦果を上げなければ自身の政治生命が脅かされ、かの国の体制ではそれは同時に自身の命も脅かされる可能性があります。

プーチンにとっては安易に停戦出来ないほど追い詰められているという想像が出来ます。

 

プーチンの名誉のために付け加えるなら、KGB出身のプーチンにとっては、ソ連時代の偉大な連邦を取り戻すための彼なりの愛国心もあるのかもしれませんが、いずれにしても彼にとっては金のための戦争ではないのは明らかで、だからこそ経済的な損失をどれだけ被っても戦争を続けているとみることもできるでしょう。

 

 

 

 

他方、ウクライナ側についても、経済的な餌をちらつかせるだけで国土を諦めるとは思えません。

 

これは、トランプがグリーンランドを金で買うといった時のグリーンランド(デンマーク)国民の反応を見ても明らかです。

特に国民の命が奪われていない状態でも、金で国土を売り渡すというのはこれだけの拒否反応が出るのに、ロシアに民間人を多数殺されているウクライナが、簡単に容認するわけがありません。

 

勿論、現実問題としてウクライナはロシアに勝てる見込みがない以上、どこかで妥協をせざるを得ない時期や条件は有るでしょうが、ゼレンスキーにとっては、金での解決に簡単に飛びついては、家族、親族を亡くしたウクライナ国民からの求心力を一気に失うでしょう。

 

 

 

 

 

 

  休戦のライン

 

 

個人的に、現実的な解として思っていたのは以下のような内容でした。

 

クリミアについては、セヴァストポリ要塞がある為、軍事ドクトリン上ロシアは絶対に引けない線ですし、戦争前から実効支配が続いていますからこれはロシアに引き渡すしかないでしょう。

 

今回の戦争後の国境については、ドネツク、ルハンスクの2州については、親ロシア派の住民が一定いる以上、ウクライナが取り戻したとしても、火薬庫になりかねません。

そういった意味でもロシアに引き渡し、2州内の戦争前の親ロシア派支配地域にはロシア傀儡の共和国を作り、それ以外の地域は、10年とかの期限付きの非武装地帯にします。

10年もすればプーチンも勝手にくたばるでしょうから、それまで待てと裏で非公式にゼレンスキーを説得することも可能かと思います。

 

それ以外の南部のロシアの占領地帯は、ウクライナに返す。

 

南部は元々親ロシア派の支配地域ではありません。

 

現在ですらパルチザン活動が続いていると言われるこの地域を今からロシアが管理下に置いても、これまた今後の火種になりかねず、治安を安定させれないのであればプーチンにもリスクがあります。

一方のウクライナにしてもせめてこの地域が返ってこないのであれば、今の停戦の条件はゼロ回答です。

一定の成果があるとゼレンスキーが国民にアピールするには必要なラインだと思います。

 

 

 

 

 

まあトランプのおじいちゃんはそういうのわからなそうで、金で何でも解決できると思っていそう。

確かに結局のところ、兵器の援助をしないという選択肢も、兵器=金なわけですから、ゼレンスキーは望む結果が得られなくてもどこかで折れるしかないんだろうなあとは思いますが。

既に米国は、最初からあれだけロシア寄りの停戦条件出してしまっているので。

 

ただし、同様に戦後処理を金で解決しようとしたWW1は、ベルサイユ体制のドイツを崩壊させてナチスドイツを生み出したという歴史があり、それに照らし合わせれば、危険な解決方法になりかねないと思います。