燃え上がるテスラ | グデーリアンの投資ブログ

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トレードではなく資産運用の観点での投資ブログ。
銘柄選びや運用成績だけでなく投資に対する考え方や自分の失敗、成功談なども踏まえてお話しできればいいなと思っています。

 

 

 

 

 

エンジンかけていて燃える車として、三菱車がニュースに取り上げられたことがあったのは20年も前でしょうか?

 

現在では、止めてるだけで燃やされるテスラ車が話題になっています。

 

(三菱の件については、実際には年間の統計では各社ともに炎上することはあるようで、当時三菱が取り上げられたのはお気の毒。ただし燃費不正やリコール隠しなど、色々やらかす会社ですから、身から出た錆)

 

テスラについては、イーロンマスクへの政治的な抗議で放火されているようで、オーナーにとってはお気の毒なのですが、販売台数も株価もさえない状況が続いています。

 

車が売れなければ当然株価も下がるわけですが、そもそもテスラ車って何で売れていたんでしょう?

 

■電気を利用してモーターで動かす、クリーンエネルギーと、スポーツカー並みの加速。

■新興の高級車として、所有することのステータス。

■自動運転などの先進機能。

 

といったところでしょうか?

 

 

 

 

 

テスラには、ビートルやミニ、チンクエチェント、はたまたコルベットやアルピーヌなどの伝統はありません。

 

スカイラインGT-Rやランチアデルタのようなスポーツカーとしての実績もありません。

 

つまり車好きの長年の憧れの対象ではなく、そもそも自動運転は運転しなくていい機能ですから、運転することや所有することが好きな車好きが好んで買おうと思う機能でもありません。

 

反面、車は移動するための道具として考える人にとっては、自動運転は便利機能で、購入時に検討される機能ではあるとは思います。

 

つまりそれというのは、車をコモディティとして見る人がテスラを選択肢に入れていたということで、これも純粋な車好きとは違う購買層が買ってきたと推測できます。

 

最新家電が好きな人とかは好んで買いそうなイメージとでもいうのでしょうか。

 

 

 

 

 

もし、移動手段であればよいというのであれば、そこに(移動のために)どんな機能が付加されているかで、購入コンペに勝てるでしょう。

 

例えばそれは、先述の自動運転かもしれませんし、CO2を排出しないクリーンなパワートレインかもしれません。

はたまた、経済的でありながら高級車を所有できるという心理的なステータスかもしれません。

 

一時、ハリウッドスターがプリウスを所有しているのが話題になったことがありますが、それも結局はクリーンな車を所有するステータスです。

 

こういった人たちは、ある車種やメーカーにこだわりを持って乗り続ける車好きとは違いますから、環境が変われば離れていってしまいます。

 

50年前のビートルをずっと手入れしながら乗り続けたり、同じ車種をモデルチェンジのたびに買い続ける車好きな人とはちょっと違う人たちでしょう。

 

 

 

 

 

 

こう考えていくと、テスラがなぜ今売れていないかは察しが付きます。

 

環境に貢献したい、温暖化を止めたいと考えてクリーンなイメージのテスラを買ったつもりが、イーロンマスクは脱SDGsのトランプに靡いてしまったわけです。

 

純粋な車好きなら、ガソリンまき散らすかの如く走るフェラーリであっても、彼らにとってはフェラーリであることが大事であり、他の車ではだめです。

プリウスにフェラーリの外装だけ被せても、彼らは買いません。

 

しかしながらテスラはそんな人たちがユーザーではないですから。車そのもののイメージではなく、コモディティとしての機能や安全性、環境性能を重視していると思われます。

 

それが、環境に対して真逆のことをトップがやるようになっては、イメージダウンは避けられません。

 

さらに公務員の大量解雇で生活に支障が出ているアメリカ国内の人。

関税によって不利益を受けそうなアメリカ国外の人。

 

不満のが溜まる中で、イーロンの会社の製品とすぐにわかるテスラ車が街中にいれば、破壊されたり燃やされたりすることもあっても不思議じゃないし、テスラ車所有のオーナーも手放したくなる気持ちが出てくるでしょう。

車そのものに愛着がある、純粋は車好きではない人達ですからね。

 

テスラに求められているのは機能的な付加価値であってレガシーは求められていないということです。

 

 

 

 

 

こうして車が売れなくなる中で、テスラ株も下落していますが、これが一過性かどうか。

一過性なら今は買い時なのかもしれませんが、どうなるでしょうか?

 

ここ数カ月で「法に反しなければ、後は金に物を言わせて好き放題出来る」というイーロンの姿勢が世に露呈してしまったわけです。

今の地位は、トランプに多額の献金をして手に入れた地位ですからね。

 

その献金は、テスラ車のオーナーにとっては自身が購入したテスラ車の売り上げの一部だったわけで、それによって自身の生活に支障が出ている人がいるとしたら、その人たちはテスラに戻ってくるでしょうか?

 

消費者の信頼をなくすのは一瞬ですが、取り戻すには長い時間がかかります。

 

自分にはどうにも、テスラ車もテスラ株も所有する気にはなれません。

仮に、テスラ株がこの先反騰して、その利益を得らないとしてもそれでもテスラ株はいらないです。

 

そして、そう思う人がマジョリティーになれば、テスラ株は上がることはありません。

 

 

 

 

 

 

 

イーロン自身についても、今は金で法をも動かせると思いこんでいるでしょう。

 

しかし、法は簡単に裏切ります。

 

イーロンを見ていると、過去のホリエモンがダブって見えてきます。

 

金があれば、ステークホルダーに対しての配慮や忖度、業界の慣例なんていらないという姿勢が最終的に自身の足元をすくっていったのがホリエモンだと思っています。

 

米国版ライブドアショックがこの先起こらないように願いたいですが、可能性ゼロじゃないと思うんですよね。

 

 

 

 

チャート的には、去年の急上昇分をすべて吐き出したところで、反発。

MACDはGC。

バンドウォーク終了後に20日線も上抜けました。