米国FOMCが17日~18日(日本時間18日~19日)に開催され、その中で恐らく米国政策金利の引き下げが発表されます。
長く金融引き締めで5%以上の政策金利があった米国がついに金利引き下げになるので、相場の転換点になります。
おさらい
金利引き上げがなぜ必要だったか?
コロナショックで売り上げが下がったり、失業したりする人や企業が増え経済が悪化しました。
その人たちに給付金を出したり、低金利でお金を借りれるように政策金利を引き下げたりと各国が金融緩和を行いました。
その結果市場にはお金が溢れます。
お金が溢れれば個人の購買意欲は高まり需要が増えます。
低金利で融資が受けられれば法人も積極的に設備投資が出来きます。
こうして経済を回して景気回復を後押ししましたが、その副作用として、需要が供給を上回ります。
需要が供給を上回るということは、商品が足りないということなので商品の値段が上がり、過度なインフレが起きました。
このインフレを退治するには、需要を減らすしかないので、各国は政策金利を上げて借金をしにくくすることで需要を抑えます。
しかし金利が上がると、法人の設備投資は減速し、個人も住宅ローン等やその他のローンを利用した高額な耐久消費財の購買意欲が落ちますから、景気が減速してしまいます。
景気が減速しすぎると、景気後退(リセッション)に陥ってしまう可能性が高くなるので、インフレがある程度鎮静化して来たら、金利を引き下げて景気減速を止めにかかります。
↑いまここ
なわけですが、過去の例を見ると金利引き下げで景気後退を止めれた例は少なく、ほとんどのケースでは一旦の景気後退に入っていますから、現在市場はその見極めの意味もあり、大統領選挙前ということも相まって、不安定な相場になりつつあります。
FOMCとは
FOMCとは、FRB(米連邦準備制度理事会)が米国の政策金利などの金融政策を決定する会合のことです。
毎月ではなく変則的に年8回開催され、次回は現地時間9月17日~18日(日本時間18日~19日)に行われます。
FRBは日銀と違い、市場に向けて事前に情報を出し続け、アナリストがそれに伴った予想を公開し、市場に少しずつ織り込ませてサプライズが起きないような配慮をします。
fedwatch toolもその一つで、FRBの事前のアナウンスをアナリストに分析させ、アナリストの利下げ予想の平均値をグラフ化したものです。
これを見ると、9月のFOMCでは0.25%の利下げ予想33%、0.5%の利下げ予想が67%というのがアナリストのコンセンサスになっています。
FRBの考えがアナリスト予想とは違ったものの場合、パウエル議長などの関係者が会見で、多くの場合やんわりと「そうじゃない」という話を出してアナリストの分析に修正を促します。
これら一連の流れは、よく「市場との対話」という言い方で表現されます。
日銀の前回の利上げ発表は、この「市場との対話」が不足したまま行われたため、ネガティブサプライズになってしまい、その後の市場の混乱を誘発しました。
今回については0.5%の利下予想げが優勢になってきていますが、それに対してパウエル議長は否定的な声明をしていませんから、0.5%の可能性は高まってきたように思います。
※現在はブラックアウト期間と言って、政策決定会合直前は発言しないルールに(公式には)なっていますが、何かアナウンスしたい場合、こっそりとアナリストを個別に呼んで記事書かせたりするようです。
それでも33%は0.25%と予想しているのでもし結果が0.25%だとしてもおかしくはないですが。
一つ言えるのは、市場が0.25%と0.5%のどちらかしか予想していないこの状態で、利下げ無しだったり、0.75%の利下げだったり、想定外なことはFRBはしないでしょうということです。
日・銀・と・ち・が・っ・て。
正確な発表時間は、日本時間19日午前3時です。
想定外はしないといえども、相場にとって転換点になりやすいイベントです。
夜寝る前の米国市場や日本先物、為替に大きな動きがないのを見て安心して寝て、おはギャーが起きやすいので注意しましょう。
(朝「おはよう」と同時に夜中急変した相場を見て「ぎゃー!」と慌てること)