ファンダメンタルズを覚えよう | グデーリアンの投資ブログ

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先日↓の記事でファンダメンタルズ覚えようと書いたので、重要なところを書いてみます。

【損切】大幅下落時の売却は正解か?【狼狽売】 | グデーリアンの投資ブログ (ameblo.jp)

 

株価は、長期的には企業の価値で決まります。

 

では企業の価値は何で決まるかというと、ファンダメンタルズです。

ファンダメンタルズとは、企業の経済状態を表す基礎的な要因で、PERやPBRなどの沢山の指標がありますが、その中でも最も重要なのはEPSです。

 

EPSとは企業の一株当たりの利益のことです。

株式というのは、株式を所有している割合の分だけ企業を所有する、共同オーナーになる権利です。

 

ですから、一株当たりの利益を出せれば、その一株利益に株式の保有数を掛けることで、その企業が出した利益のうちの自分の取り分が出せます。

 

試しにNTTでEPSを試算してみます。

 

NTTの純利益(24年3月期)と発行株式数は以下です。

純利益  :1279521000000(約1兆2700億円)

発行株式数:90550316000(約905憶株)

桁数多すぎなので間違ってたらごめんなさい(;'∀')

 

ちょっと天文学的な数字ですが、1兆2700億円÷905憶株でEPSは出せますので、計算してみると約14円と出ますから、NTTは一株当たり14円の利益を上げている企業というのがわかります。

 

このEPS14というのが出せると、それ以外にもいろいろなことがわかってきます。

 

 

 

 

 

■配当性向

NTTは今年、一株当たり5.2円の配当金を出しています。

一株当たりの利益(EPS)が14円で、そのうち5.2円を配当まわしているということなので、利益のうちの約37%の配当を出しているということになります。

 

ということは、反対に残った利益のうちの63%を利用して設備投資や研究開発費に充てていたり、借入金の返済に充てているということで、これは健全な比率ということが言えます。

逆に不健全な状態というのは、EPSのほとんどを配当に回してしまっているとか、EPSよりも多額の配当を出している状態です。

 

この配当金がEPSのどの程度の割合になっているかを、配当性向と言います。

業種にもよりますが、概ね配当性向が50%以内に収まるような株主還元が健全と言われています。

 

注意してほしいのは、配当金が高ければいいというわけではなく、配当によって企業経営を圧迫してしまうような配当性向はよくなく、こういった企業はいずれ経営が行き詰まり、その際には真っ先に配当金を減配もしくは無配にされてしまいますから、目先の配当金だけを見るのではなく、配当性向はしっかりと確認しましょう。

 

 

 

 

 

 

■自社株買い

株主還元として、自社株買いを行う企業がありますが、自社株買いは、自社の株を買い上げて、自ら株価を吊り上げることではありません。

自社株買いは、前日の終値以下の値段でしか買えない等のルールがあり、高値を追って買って株価を吊り上げることはできません。

勿論、株価の下支えにはなるとは思いますが、自社株買いの大きな目的は、買った株を消却してEPSを高めることです。

 

先ほどのNTTを例に挙げます。

もし

純利益  :1279521000000(約1兆2700億円)

発行株式数:90550316000(約905憶株)

 

もし、発行株式数900億株が、消却により450憶株にまで減るとどうなるでしょう?

1兆2700億円÷905憶株ではなく1兆2700億円÷450憶株でEPSを出すことになり、EPSは先ほどの倍の28円と出ます。

 

もしNTTが配当性向37%を目安に配当金を出すのであれば、EPSが倍の28円になるということは、配当金も現在の一株当たり5.2円から、一株当たり10.4円(EPS28円×配当性向37%)の配当が期待できます。

 

このように配当金が増える計算が出来ると、配当目当ての買いも集まりますから、自社株買いで自らが株価を吊り上げなくとも、間接的に株価を上昇させる期待はできます。

 

 

 

 

 

■株価の予測

株価は長期では企業業績に収れんしますし、企業業績の最も赤りやすい指標はEPSです。

 

日経平均株価がPERという指標の11倍から16倍の間をレンジで動いているというのを利用すれば、EPSに11倍から16倍を掛けることで、最小値~最大値迄を予測することもできます。

 

例えば、リーマンショックやコロナショックでは、日経平均はPER11倍まで売り込まれました。(瞬間的には11倍を割れて10.6倍とかまでオーバーシュートしていたはずです)

 

逆に言えば大きな経済ショックでも11倍を割れたところが底打ちということが言えるので、現在の日経平均EPSに11倍を掛ければ、今の日経平均がリーマンショックのような大きな経済ショックに見舞われたとき、どの程度まで下げるかの予想が出来ます。

 

現在の日経平均のEPSは2427円ですので、ここに11倍を掛ければ26697円と出ます。

 

ただ、大きな経済ショックに発展しない限りは11倍まで売り込まれることは考えにくいですから、通常の調整では12倍とか13倍くらいで止まることを想定しておくほうがいいと思います。

 

試しに13倍をかけてみると、31512円です。

あれ、この間の一日で4000円越えの下落をした日の底値ってこの辺ですよね。

 

なんとなく4000円の下落という値段だけを追っていくと、怖くて全く手が出せないと思いますが、いったん止まるとすれば、ということでマイルストーンを置いておき、そこに到達しそうなら段階的に買っていくということをすれば、ある程度下落時にも帰るはずです。

 

ちなみにレンジの上限の16倍では38832円ですね。

 

 

ということで、ファンダのうち最重要なEPSについて話してみました。

いかがでしょうか?

そんなに難しくないし、知ってしまえば色々と応用でき、またよくわからない下落の恐怖からも解放されますよ。