利益が出た時の売り方について | グデーリアンの投資ブログ

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トレードではなく資産運用の観点での投資ブログ。
銘柄選びや運用成績だけでなく投資に対する考え方や自分の失敗、成功談なども踏まえてお話しできればいいなと思っています。

知り合いからこんな話を聞きました。

 

曰く、

ビットコインで大きく含み益が出て、周りからは「そろそろ売ってもいいのでは?」と言われていたのにもかかわらず、もっと上がると持ち続け、結局下がってきて薄利で売ってしまった。

ちくしょー

 

 

 

 

 

ビットコインは現在も史上最高値付近で推移しているわけですから、当時、もっと上がると思っていて投資を続けていたのですから、現在も含み益が増え続けていたはずです。

 

なのに投資結果は全然ついてきていない。

 

せっかく大幅に上がる商品を安値で仕入れることが出来たのに、つまり投資としては最高の条件なのに利益を伸ばせないなら、恐らくそれ以上に儲けることはできません。

 

この人の問題って何だったのでしょう?

 

1、投資方針を買う前に決めていない

もし、買う前に売り時まで決めていれば、上がるときにはもっと上がると思って強気になり、下がり始めると弱気になって想定より安い値段で慌て売るということはなかったはずです。

それが出来ていれば、今の史上最高値も享受できていたはずです。

 

上がってから初めていくらになったら売ると決めると、それは値上がりして気持ちが大きくなった時の判断ですから、ちょっと無理のある価格設定になりがちです。

買う前の冷静なタイミングで、将来いくらになったらどうしようと決めておくことが大事です。

 

2、投資額がリスク許容範囲を超えている

もし、宝くじを3000円買う代わりに、ビットコインを買う。

程度の、無くなってもいいと思える額で投資していたのであれば、値下がりしてきて慌てて薄利で売ってしまうことはなかったはずです。

この売り方はかなり狼狽していますから、それはつまり、狼狽するほどの額の投資だったということです。

 

 

これらを踏まえて、僕が知り合いにしたアドバイスは以下の通りです。

 

 

 

 

 

1、買う前に利確のラインを決めておくこと。

まずは損をしない投資を目指して、ラインまで値上がりした際には、投資元本を確保できるだけの数量分のみを一部利確します。

 

例えば、100円の株を1000株購入したなら、投資額は10万円です。

この株が200円まで値上がりすると、1000株で20万になります。

ここで、半分の500株を売れば、現金10万円になります。

つまり投資元本10万円を回収できますから、その後その株が下がったり、最悪企業が倒産して残り500株が紙切れになったとしても、損はしません。

 

一方でその後も値上がりするのであれば、残り500株で利益を出すこともできます。

 

「頭と尻尾はくれてやれ」

の格言の通り、最高値で売ることは事実上不可能なことを考えれば、500株を途中で利確してしまうことが機会損失になると考える必要はないでしょう。

 

2、その商品のボラティリティによって、投資額を決定する

ハイボラティリティ(値動きの変動が大きい商品)だった場合と、債券のような安定したボラティリティの商品では投資額を変えるべきです。

10万円は余裕資金だという人であっても、ボラの高い商品には1万円、安定した商品には9万円と振り分ける。

 

10万円は余裕資金だという人であっても、それが5万円に値下がりすると、狼狽してしまうことが多いのを考えると、按分の割合は別として、このように考えておくのが大事です。

10万円が半額になって狼狽する人でも、1万円が半額の5000円になっても精神的な負担は減りますからね。

 

 

 

 

 

 

ちなみに僕の場合、利確についてはこのように考えますが、損切については価格では考えません。

投資の方針が、高配当株を中心にインカム収入を得るのが目的だからです。

 

将来にわたって、当初期待した配当金がもらえる見込みがあるのであれば、株価がどれだけ下がってもインカム収入には変わりがありませんから、売る必要はありません。

なんなら、株価が下がることによって配当利回りは上がりますから、買い増す検討をします。

 

逆に、期待したインカムが得られなくなる見込みであれば、含み益だろうが含み損だろうが切る対象にします。

 

このように、キャピタルを狙った投資なのか、インカムを狙った投資なのかでもその後の行動は変わります。

なので、自分が何を求めて投資するのかを事前に考えて方針を決めておくのが大事です。

 

買う前にこういう想定をしてルール決めをしておくと、冒頭のような、まだ売らないと決めていたはずの値段よりも下がったのに売るといった自己矛盾はかなり起こりにくくなるはずです。