新NISAが始まって、年初は色々と上がり続けていましたが、最近は指数は踊り場で、銘柄によっては結構下げているものもあり、NISAの損切りなんて記事も見かけるようになりました。
象徴的だなと思うのはNTT株で、個人投資家の人気ランキング上位にランクインしていましたが、年初来高値192.9円から現在146.5円まで下げています。
元々NISAで買い付けること自体、長期投資が目的だったはずですが、この下げで、当初想定していた長期投資なんか忘れてしまった投資初心者の狼狽売りが出ているのだろうなと想像できます。
一方で、信用倍率も46倍と、信用買いも多いですから、信用でナンピン入れている人も多そうです。
このナンピンについてなのですが、通常のキャピタル狙いでのナンピンは賛否あって、肯定派であっても初心者は安易にやらないほうがいいと説明してあることが多いと思います。
ただ、株価が下がった時に保有株を増やすことをナンピンというのであれば、高配当投資をしていると、ナンピンする機会が多いほどインカムを増やしやすいことになります。
キャピタルを狙う場合にナンピンばっかりしてると、それは失敗のリカバリーばかりしていることになるので、あまり上手な投資とは言えないかもしれませんが、インカムを狙う場合には結構その逆のやり方が正解だったりするんですよね。
長期的に、業績が伸びる企業を買うのは大前提として、そういう企業を買っているのであれば、後は株価ではなく利回りが高くなるように買い続けて、配当利回りを上げていくのが高配当投資の目的です。
すると、買いに有力なタイミングとしては
1、増配のIRがあったとき
2、株価を下げた時
のどちらかになりますが、1の場合、同時に株価が上がってしまう可能性が高く、結果として配当利回りは変わらない、もしくは逆に下がることもあります。
だとすれば、2が結構な有力な買い増しポイントになります。
大前提として、業績は伸びる企業を買っているのですから、株価の下げは、市況に引きずられたか、短期的な悪材料からの思惑で売られたかのどちらかです。
なので、株価を下げたタイミングで買い増しすれば、短期では配当利回りは上昇します。
そして長期でも企業業績の伸びとともに配当は増え、増配と同時に株価も上昇したとしても、YoC(簿価に対しての利回り)では高配当を更新し続けていきます。
ですので、高配当投資が目的なのであれば、株価が下がったタイミングでの買い増しは積極的に行っていくのがいいと思います。
※何度も言いますが、企業業績が伸びる株を買っている前提ですよ
例えば先述のNTTにしても、年初は3%を切る水準だった配当利回りが、現在3.5%を超えてきたので、NTT株としては中々の高水準です。
元々長期でインカムを貰い続けるのが目的だとすれば、減配のリスクが少ない大型でディフェンシブなバリュー株と3拍子揃った銘柄ですから、購入した水準より株価が下がることはあっても、購入した時の配当水準より利回りが下がることは極稀です。
長期での高配当投資では含み益がいくらあろうがそんなものは一切収入に関係ありません。
100年保持する予定の株価が、現在100円だろうが1億円だろうが、売らないのですから絵に描いた餅でしかないですよね。
しかし100年の間に貰える配当は、現実損益です。
なので、高配当投資ではインカムによる利回りこそが大事です。
ですから、株価や含み益を見て短期で一喜一憂せずに、今の自分のポートフォリオから年間いくらのインカムが得られるか、それが今年も維持できるかを意識できるように心がけましょう。