大黒様のお歳夜と、日光の伝説 | パオンのブログ

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最初から続いている不思議な話です。
読まれていない方は、ブログのテーマ・「まとめ」から
読んで見て下さい。

前の記事では、鉄のグループは二つに分かれていて、猿と犬のグループに分かれていたのではと書いてきました。

 

それを紐解くにあたり、

日光の赤城山と、二荒山神社の祭主に、大国主(大黒様)が共に祭られている事に着目しました。

それに、疑問を持つ方が見られますが、それを答えられている方はいません。

だから、今日の紐解きは、私の推測でしかありません。

 

///// 目次 /////

●大黒様に纏わる、東北地方の変わった風習

***供物の二股大根の変わった呼び名を考える

 

「お歳夜」の大黒様が妻を娶る話を考える

 

変わった供物「ハタハタ」と、「米炒り」を読み解く

***ハタハタを表す字の妙

***供物、「米炒り」を考える

 

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日光の神と神との戦いで、二荒山の神を助けた弓の名手、小野猿丸は、奥州(東北地方)から来たとされます。

東北地方と大黒様から、こんな事が頭に浮かびました。

 

[大黒様に纏わる、東北地方の変わった風習]

東北地方は、大黒信仰が根付いていて、私の家の近くにある大黒寺も、偶然、秋田から来た寺なのです。

この疑問に辿り着く運命だったのかもしれません。

 

山形県北部の風習で、12月9日に「大黒様の年越しの夜(お歳夜)」という祝い事があります。

以前にも、少し記事に取り上げたことがありました。

 

神様の年越しとも、大黒様が妻を娶る日とも言われます。

それにお供えする主たる供物が変わっていて、「二股の大根」なのです。

大黒様と大根から、製鉄で知られた伊吹山の神大根王を表しているものと思われ、根の国、出雲との関係を暗に表しているものと思われるのです。

この二股に分かれた大根から、

鉄のグループが2つに分かれているとも取れ、白色の大根と、日光の伝説で、白鹿に乗って来た小野猿丸が、大黒様を信奉する2つのグループの白組を応援したと考えられるのです。

 

***供物の二股大根の変わった呼び名を考える

「二股の大根」が供えられる話は、二股の一方を切って一本の姿の大根としたと言うものです。

この二股大根の事を「まっか大根」と言うのです。

何故、白い大根が二股に分かれているだけで「まっか」と呼ばれるのでしょう?

方言だけではないものを私は感じるのです。


私は、これをこう捉えたのです。

争いの末、赤組(城山の神)を切ったとなるのです。

日光の神と神との争いでも、二荒山のヘビに負けた赤城山のムカデは、敗走したと伝わるのです。

二荒山は、日光の語源である事から、ヘビのグループは「太陽信仰」グループと言えます。

そして、日光に繋がる上石津の三輪の伝承を加えるなら「養蚕信仰」であり弁財天信仰が含まれると言えます。

(唯願寺のヘビの伝説はコチラ)

 

大黒様は、三つの顔を持つ姿でも表わされます。

猿と呼ばれた豊臣秀吉が、懐に入れて持ち歩いていた事で知られる三面大黒天です。

大黒天の左右に毘沙門天と、弁財天の顔が並んでいる姿をしています。

日光での象徴の「三猿」や、小野猿丸の「猿」、日光に結びつく三輪の伝承「ヘビの機織り」、(岐阜県上石津唯願寺)

そして、そこから繋がる三上山の「ヘビとムカデの争い」が、同じ神、大黒様を信奉する日光の神と神との争いの話に結びつく事は、大黒天信仰は、三つに分かれている事を表わしていると考えられます。

日光にある徳川家光の霊廟は、天女が描かれ、鬼を鬼で防いでいる形があります。

そして、弁財天信仰の象徴的形態の琵琶湖を模した池があります。

ヘビと、ムカデは、姿が似ている事からと、共に大黒天を祀っている事から、同じヘビ一族である可能性があります。

それは、古代エジプトの霊廟にも描かれています。

ヘビが、ヘビを迎え撃つ姿です。

 

古代エジプトと繋げるのは、少し、飛んだ話になりますが、今までの私の話の流れが、そこに行き着いているからです。

おそらく、古代エジプトでも、黒い犬アヌビス神と、太陽神ラーの信仰が見られるように、

犬の稲荷信仰と、太陽神グループとに分かれていると感じるのです。

太陽神ラーには、ヘビが描かれていることも似通っているのです。

それを結び付けると話が長くなり、ややこしくなるので、興味がある方は、私の過去記事を見て下さい。

 

[「お歳夜」の大黒様が妻を娶る話を考える]

大黒様である大国主は、たたら鉄の出雲の神であることからも、同じ鉄のグループの争いとした私のこの説が正しいのかもしれません。

ムカデとヘビと言うのは、同じ出雲のグループと言うことです。

その同じ話が、伊吹山周辺と、日光でも存在すると言う事は、この二つの地域を結び付けて考える必要があると言う事です。

 

「お歳夜」の大黒様が妻を娶る話は、二股大根の姿が、女性の下半身を想像させることから来ているのではと言われます。

伊吹山の神大根王の娘二人を差し出すように景行天皇は命じ、二人の内の一人、乙姫を妻にしたとされます。

この事件は、大臼命に命じます。

しかし、2人の娘を父には差し出す事は無く、それに怒った景行天皇は、大臼命の弟である小臼命(ヤマトタケル/日本武尊)に、兄からその娘たちを奪ってこいと命じ、大臼命を切り捨てます。

その後、小臼命の伝説を見ても、伊吹山へ向かう話が続き、伊吹山で襲われ三重で亡くなったと伝わります。

この事も、恐らく、この二股大根に秘めているものと思うのです。

 

 

[変わった供物「ハタハタ」と、「米炒り」を読み解く]

この行事の変わった供物はまだあり、「米炒り」や「ハタハタ田楽」が添えられます。

 

***ハタハタを表す字の妙

「ハタハタ」は、海で簡単に捕れたからと言われますが、

この供物は、意味が有るかのような変わった物ばかりである事から、「ハタハタ」にも意味が有ると思い考えて見ました。

 

ハタハタは、「鰰」や、「鱩」とも書きます。

この字を見て、やはり、意味を持たせたと直ぐに感じました。

「神と神との戦い」と言われる事に繋がっているようです。

「鰰」から読み解けるものは、「海の神」となり、

「妻を娶る」ことから、下鴨神社の「海神の娘」である玉依姫が、私の頭には浮かぶのです。

玉依姫と言う名は、特定できる人物の名ではないようで、

賀茂氏族の娘であり、巫女的な女性として話を進めて行きます。

玉依姫は、朱塗矢によって子供を生んだ伝説があります。

この伝説は、三輪の巫女・太田田根子を阻止とする下鴨神社からして、日光のヘビに繋がる、上石津(三輪の里)の唯願寺の伝説で、ヘビの出産を夫に見られた部分は、同じ件(くだり)なのです。

おかしな話です、赤い矢から生まれるなんて。

つまり「赤い神と結んだ」となり、賀茂氏族の娘と、同じグループのムカデ一族が結ばれたとなり、それによって生まれた子は、上加茂神社に祀られている雷の子です。

 

そして、それを意味しているかのように、大黒様のお歳夜の供物に、「鱩」の字のハタハタが供えられるのです。

 

***供物、「米炒り」を考える

米を炒る物は、ポン菓子を想像されると分かるように、元の米粒が大きく膨らんだ品です。

米の字は、八から構成されています。

八幡信仰の太陽グループが大きくなっていく様を意味しているように私は受け取るのです。

 

しかし、この「炒る」が、「弓を射る」と掛けてあったなら、意味は、「八幡信仰を射る」となり、逆の場面になってしまいます。

 

だから、まだ私の考えが正しいとは言い切れないのです。

 

次の記事は、この神と神との争いを「1」「7」「8」で探っていきます。

続く