時を司るトト神と、白山信仰 (2) 鏑矢とトト神の杖 | パオンのブログ

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最初から続いている不思議な話です。
読まれていない方は、ブログのテーマ・「まとめ」から
読んで見て下さい。

前からの続きです。

 

前の記事では、エジプトのトト神の特徴について書きました。

 

今日は、その中で、白山と重なる部分を拾い出して見ていこうと思います。

 

 

[星宮神社の鏑矢と、トト神の杖]

 

白山の南側の麓に、星宮神社があります。

 

高賀山を囲むように六社を配された中の一社で、白山信仰の強い地域にあります。

 

この星宮神社は、私が今まで訪れた神社の中で、ひときわ神秘的な神社でした。

 

そこには、色々な伝説がありましたが、その中で、私がずっと疑問に思ってきた事がありま

 

す。

 

それは、ここに伝わる「魔鳥」伝説でした。

 

以前にも、何度も紐解いてきましたが、色々な記事を書いていて、少しずつ、つながるものが

 

出てきました。

 

そこで、私に絡みつく白山信仰をもう一度見ていこうと思います。

 

(星宮神社の魔物伝説の記事はコチラと、コチラと、コチラ)

 

この大きな魔鳥は、藤原高光が京から退治に来て、ウナギの先導によって、征伐したと言うも

 

のです。

 

この時、大鳥の魔物の首を切ったのが雁俣(かりまた)の矢なのです。

 

鏑矢

 

雁俣(かりまた)の矢とは、先が二股に分かれた鏃(やじり)の部分を言い、鏑(かぶら)と言う音

 

が鳴る卵型の物が、鏃の前に付けられているのです。

 

この伝説を知った時、矢で首を切るとは、ちょっと特殊な表し方をしていると思ったのでした。

 

相当、無理に入れ込んだ話で、何か隠されている事がプンプン臭うアイテムです。

 

しかし、トト神を知ると、この矢でなくてはならない事が理解できるのです。

 

トト神が持つ杖の先を見ると二股に分かれています。

 

 

前の記事の「(11)先端がハサミような杖・・」でも書きましたが、

 

トト神の化身であるアヌビス神(黒いイヌ)は、「神をも凌ぐ鋭い矢」と異名を持つ事も、「鏑矢」と

 

のつながりを感じるのです。

 

日本と、エジプトの「太陽の船」との違いに、トト神のヒヒは、日本の舟には描かれてなく、その

 

代わりに「矢」が描かれています。

 

日本とエジプトの信仰がつながっているとしたら、トト神=鏑矢で表されている言うことで

 

す。

 

星宮の伝説では、大鳥の魔物を、この矢で成敗します。

 

では、この大鳥は何なのでしょう?

 

[魔鳥と、鳳凰]

 

大鳥(おおとり)と同じ読みを持つ字に、鳳(おおとり)や、鵬(おおとり)があります。

 

鳳凰を意味していると仮定しましょう。

 

鳳凰は、ニワトリですね。

 

ここでは、大鳥は「悪者」です。

 

少し前の記事「モアナと伝説の海」を思い出して下さい。

 

この映画が、太平洋に伝わる伝説を元に作成されているのなら、心を無くした「命の女神」の

 

溶岩の魔物は、沖縄に伝わるヒサバと言う災いをもたらす、火のニワトリです。

 

前の記事の「(4)時の管理者」で書いたように、トト神は、「ラーの心臓」ともされる話もあり、映

 

画で登場した命の女神の「心」を表しているようにも見えます。

 

エジプトの壁画を見ても、ラー神の前後にはトト神がいますが、

 

ラー神の化身である冥界のアヌビス神には、トト神がいません。

 

鏑矢は、この災いをもたらす心(トト神)を無くしたニワトリを成敗したと考えられるのです。

 

 

[小臼命と大臼命]

 

前の記事の「(7)ミイラ製作者」で書いた中に「セト(弟)が、オシリス(兄)を、バラバラに刻だ」と

 

ありますが、それは、小臼命(ヤマトタケル)が、兄の大臼命を切り刻んだ話とそっくりです。

 

オシリスのその後は、トトに、ミイラにしてもらい復活したと言うもので、美濃に幽閉されたとさ

 

れる大臼命も、死んだのに、美濃で生きている話もあり、良く似ています。

 

ひょとしたら、洞戸の高賀神社には、ミイラの大臼命が眠っているのかもしれません。

 

大臼命と高賀神社とのつながりは、美濃と言う大雑把なつながりでしかなく、証明されている

 

訳ではありませんが、高賀山に配された星宮神社にも同じような特色のある風習を持つ事か

 

ら、心を取られた大臼命が白山信仰の高賀山に封印されているものと思われるのです。

 

その変わった風習は、何度も取り上げて書いてきましたが、

 

美濃星宮神社に伝わり、左鎌を奉納する風習なのです。

 

星宮神社の左鎌の絵馬

 

[虚空蔵菩薩と、大臼命の左利きの謎]

 

その風習は、この洞戸の高賀山に根付いている虚空蔵菩薩が左利きだからとされます。

 

それと、この地に幽閉された日本武尊の兄(大臼命)も、この左利きに絡んできます。

 

それは、この兄弟は双子と、日本書紀には記され、双子の場合、兄は左利きとされる言い伝

 

えから、大臼命は、左利きと言う事です。

 

それを裏付けるように、大臼命の墓がある投神社(愛知県豊田市)も左鎌の風習があるので

 

す。

 

猿投の左鎌美濃の星宮神社の左鎌、

 

美濃へ幽閉美濃洞戸に閉じ込められた魔物、

 

大臼命は左利き虚空蔵菩薩は左利き。

 

と揃うと、猿投神社と星宮神社(白山)が、つながりるのは明白です。

 

エジプト神話のトトが仲介して産まれたセトと、オシリスは、同時に生まれている事から、双子

 

と思われます。

 

そうすると、

 

セト神は、小臼命(ヤマトタケル)になり、共に、兄をバラバラ切り刻んでいて、

 

オシリス神は、大臼命と言う事です。

 

また、トト神はと言うと、創造神でもあり、知識に優れ、数学や計量に長けている事から、

 

白山の以前の祭り神であるイザナギを表していて、妻のセトシャは、イザナミを表していると思

 

われるのです。

 

これらの推理が正しいかのように、不思議な配置を見つけました。

 

これは、偶然なのかどうかは、次回の記事に・・・

 

つづく