㊶バスルーム事件発生 | 私的パリ案内

私的パリ案内

大好きなパリ!美術館も音楽もいいけれど
美味しいものもチョコッと食べてみたい
そんなおばさんの旅レポートです

 カレットでの夕食を終えて店を出ると、すぐ近くのバス停に「Place de Clichy

(プラス・ド・クリシー)行きのバスが偶然停まっていた。早速、乗込む。のんびり

バスに揺られた後は、マルシェBIOに行った時に降りた駅、クリシーでメトロ2号

線に乗換えて最寄りのアンヴェールまで。たった3駅なので、やや疲れたものの

3人共無事に帰って来た。

 今日はサンマルタン運河を初め、なかなか充実していたと思う。思いが

けず夜空に浮かぶ綺麗なエッフェル塔を観る事ができたし、パリでのフィ

ナーレに相応しい一日だった。モンパルナスタワーはちょっとがっかりし

たけど。と思いつつホテルに帰ってみると、バスタブに水が逆流していた。

汚水にしか見えない水が、底から数センチの深さまで。

 時刻は夜の10時過ぎ。こういう事のために24時間フロントのホテルを選

んだ。選んで正解だったが、けして愉快ではない。フロントに電話をする

と、すぐに係りの人がやって来た。さっと見て、「これは僕にはどうしよ

うもありません。」と言う。「じゃあ、今日はバスが使えないってことで

すか?」と聞くと「そうです。すみません。」との返事。見る限りでは、

アルバイトの彼。全く人が好さそうに見える。気の毒だなと思いつつ、言

った。「謝って貰っても、何も解決してませんよね。」と。冷静なつもり

でいたが、ショックのあまり写真を撮るのを忘れている。あぁ、絶対に撮

るべきだった。

 「専門の人を探して来ます。」と言ってフロントに戻ったきり、15分待

っても誰も来なかった。仕方なく、私の方からフロントに行く。アルバイ

ト(私の頭の中では決定)の彼はフロントにボーッと立っていた。自分で

解決出来ないのならば、本部に連絡して対応策を聞くなり、応援を依頼す

るべきじゃないかと思う。パリに幾つも同じようなアパルトマンタイプの

ホテルを持つ‟アダージョ”だ。個人経営ではあるまいし、そのぐらいの

ことは当り前じゃないだろうか。全く、頭に来た!「この件は予約をした

Hotels.Com(ホテルズ・コム)に通告いたします。」と、とうとう喧嘩を

売ってしまう。


Adagio”で貰えるパリマップ

アダージョ パンフ

Adagio Paris Montmartre”のアドレスカード

アダージョ カード

 部屋に戻り、私一人がプリプリしている。娘は「最後にお風呂に入れな

いなんてねぇ。」と呆れ、母は特に何も言わない。諦めているのか、それ

とも自分では何も出来ないから余計な口は挟まないと決めているのか。

 そこへ、また電話が来た。出てみればフロントの彼。「実は予約済の部

屋ですが、キャンセルになってしまった部屋があります。」そうそう、別

の部屋に移してくれと頼んだら満室だと断られたっけ。「その部屋のバス

ルームだけを使うというのは、どうでしょうか?」と言う。内心、これは

ナイスなアイディアだなと思った。部屋ごと変わるのでは、荷物の移動が

すっごく面倒。「そうですね、仕方ないでしょう。」と渋々(のフリで)

OKした。

 指定された部屋にアルバイト君と見に行くと、305号室はダブルの部屋

だった。バスルームとは言え、シャワーだけ。なんだ、バスタブじゃない

のか。でも妥協するしかないなと了承。「絶対にバスルームだけ使って下

さい。」と言って私に鍵を渡し、彼はフロントに戻って行った。早速、使

ってみることにする。母を誘うと、一緒に来ると言う。やっぱりお風呂に

入りたかったらしい。

 脳出血のため右手が不自由な母の頭と背中を先に洗ってやり、私は後か

ら思い切りシャワーをゆっくりと使った。前回の旅で分かっていたが、こ

のホテルもお湯は満足に出ない。一人がシャワーを使えば、バスタブにた

っぷりとお湯を張るのは難しいのだ。時間をずらす工夫をして、なんとか

うまいことお風呂の件はクリアして来た。それが最後の日になって思わぬ

事件に。やれやれだ。

 そう思っている私を尻目に、先に上がった母はベッドの上でごろりと大

の字になって横になっている。バスルームだけを使って下さいと言われて

いるのに!「どうせ誰にも分からないよ。横になっているだけだもの。」

と言う母の傍若無人ぶりに、思わず私は笑い出してしまった。さすがに年

の功。

清潔感があるバスルームで気に入っていたが・・・

(到着した日に載せた画像)

バスルーム

 

 ちなみに、305号室は私達の眺望が抜群に良い部屋と向きが違う。道路

を挟んで向かい側には建物が建っているが、低層なので圧迫感がない。な

んだか本当のパリ暮らしをしているような親しみを覚える窓の風景だ。キ

ッチンはベッドと同じ部屋の中にあり、仕切られてもいない。だが、それ

がまたいい感じなのだ。画像が無いのが残念。広々としたダブルベッドで

一人だったら、この部屋も悪くないなと思った。ただし、シャワールーム

で同じような事件が起こったら、やはり嫌な気分になる。バスタブではな

いので、大丈夫だろうか?分からない。