ほぼ時間通りにタクシーは待ち合わせの場所に来た。途中、ロワール河の写
真を撮る私達のために窓を開けてくれたりする。ブロアまで帰りは36€を少し超
えたが、40€を渡す。往復ともに気持ちよく乗せてくれたお礼。喜んでくれた。車
を降りたら、また小雨が降り出していた。
駅前で降りた私達は時間にゆとりがあるので、パン屋に直行。明日の朝
食用にピザやケーキを買う。城で買ったお土産もあるし、行きに買った水
もまだ残っている。帰りはたいした大荷物になってしまった。それでも、
今夜は和食の予定なので、内心は楽勝の気分。格別和食を食べたいわけで
はないが、一昨日の夕食はちょっとだったし、昨夜は買ったお惣菜。この
辺りで母にまともな食事をさせて上げたい。
どれもが美味しそうに見えた。
電車を待つ間、ブロアの駅の中を見渡す。奥にカフェがあったり売店が
あったりと、なかなかに設備が整っている。入口にはパンを売る出店が来
ていたり、花のスタンドまで出ている。来た時には気が付かなかった。若
い頃ほどではないが、なんてまぁ相変わらず余裕が無い自分だなって思う。
目的に向かって直進するので、他に目が向かない。荷物が多くなければ、
駅ナカもウロウロしたかったなと思いつつ、来た電車でパリに戻った。
ここにも「Relay」がある。
他にサンドイッチ等を売る売店やカフェ
カフェは日本の駅と同じような簡素なスタイル
先に見ていたら、ここで買ったなぁと思うパンの出店
電光掲示板にパリ行きのホーム2番と出ました
中央の「Intercités」(アンテルシテ)は急行のことらしい
貼り付け元 <http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E5%9B%BD%E9%89%84 >
オステルリッツ駅に無事着いて、和食屋さんに電話でチェックを入れる。
直に向かって満席で断られたら、行くだけの時間と労力が勿体ない。名前
は「Oto-Oto」。懐石料理も出す本格的な和食のお店と、情報サイト「PARIS
navi」(パリナビ)で見つけておいた。パリの和食屋さんは料理人からサ
ービスをする人まで、日本人ではない場合が多い。この店は料理人も日本
人というので、期待も大きかった。
ところが電話に出たのはフランス語の他に英語しか出来ない女性。通常
和食のお店では日本語を話す人が必ずいるはずなんだが・・・。で、「Oto-
Otoは×××で、sushibarなんです。」と言う。はぁ、英語だけど良く分か
らない。仕方ないのでメトロ10号線で「Mabillon」(マビロン)まで行き、
探してみることにした。サンジェルマン通りに面した、この辺り。「Oto-
Oto」が駄目でも和食のお店は1軒だけではなかろうと、かっての記憶を
辿ってみる。少し母を歩かせることにはなるかも知れないが。
「R.du Sabot」(サボ通り)の該当する場所まで来て、お店の名前を見
ると「Blueberry ブルーベリー 巻き寿司」と書いてある。この短い通り
を端から端まで行ってみたが、ここしか和食のお店らしい所はない。「そ
っかー、お店変わっちゃったんだね。」と私が言えば、「どうする?」と
娘も心配顔。母はいつものように沈黙。オステルリッツ駅に着いて19:25。
メトロで移動して、夜の8時に近い。かなり疲れているんだろうなと思う
から「じゃ、ここ入ってみようか。」と決断した。
で、ドアを開けて。なんと言うか、私と電話に出た女性はすぐにお互い
を分かってしまった。笑いながら「結局、来ましたよ。」「いらっしゃい
!お待ちしてました。」って感じ。お店は混みに混んでいて、テーブルは
既に予約でいっぱいだった。しかもフランス人ばっかり。私達はカウンタ
ーに並んで座ることになった。カウンター席は椅子が高いので好きじゃな
いが、仕方ない。
職人さんはフランス人と言うよりも、フランス国籍のアラブ系の人。メ
ニューを見てそれぞれ巻き寿司を1種類ずつ頼んだ。鰻、ローストビーフ、
蟹を使ったカルフォルニア巻き。実際にはどんなものが出てくるのか、
ちょっと恐い。こういう所は日本茶も有料。その代りでもないが、小型の
鉄瓶の急須(残念、画像取り忘れ)を使い、お茶は‟Sencha”(煎茶)だ
った。今時、日本でも鉄瓶の急須はないだろうと思った。でも、それがフ
ランス人が考える和風なんだろう。
ミネラルウオーターを頼んだら、これが来た。
この青はお店のカラーらしい。凝っているのか?
カルフォルニア巻き。
この店はほぼ全種に胡麻を振りかけている。なぜ?
鰻には思いっきり鰹節が掛っている。なぜ?
胡麻をやめてもらったローストビーフ。
うーん、少し寂しい感じ?
やや待たされて、巻き寿司が出てきた。シンプルにネタを巻くのではな
く、色々な具を巻き込んた上にネタが乗っかっている。驚いた。正直、美
味しいのか?これと思った。だが、3種のネタ全部がとっても美味しかっ
た。カルフォルニア巻きの具が多彩なことには慣れている。だが鰻やロー
ストビーフもそれぞれに巻き込んである具が上に載せたネタとバランスも
良く、味に調和が取れている。お腹が空いていたこともあるかも知れない
とは思う。だが、このお店。また来てみようかなと思うほど魅力がある。
もう少し他を頼もうかと思ったが、超忙しそうで職人さんは脇目もふらず
に巻いている。これ以上遅くなれば明日に響くこともあり、渋々腰を上げ
た。
巻物、それぞれ15~16€。(2,100円~)煎茶は一人5€(約700円)で2
杯分程度。水の分も含めて、合計64,50€だった。3人で100€を超えてい
ない。コストパフォーマンス良好というところか。サービス担当の女性は
最後まで感じが良く、明るい笑顔だった。今度来るときは予約した方がい
いかも知れない。
改めて「Oto-Oto」をトリップアドバイザーで調べると‟営業終了”と書
いてあった。ついでに「Blueberry」も見る。やはり、経営者は日本人では
なかった。世界中を回り、日本で寿司職人の経験もしている台湾の人だっ
た。評価で、握りは良いが巻きはイマイチとある。その評価は昨年のこと
なので、多少改良しているのか。特に巻き方に問題があるとは思えなかっ
た。もっともこっちは素人だから、専門の人が食べたらどうかは分からな
いが。それと、メニューに握りは無かったように思う。やめたのか、それ
ともテーブル席にだけ提供しているのか。入口の扉に「巻き寿司」とある
ので、やめた可能性の方が高いと思う。
店を出た後はタクシーでホテルまで直行。道が空いていたので、15.50€
で済んだ。16€渡す。
カードも青。でも何故「ブルーベリー」?