途中「Les Aubrais Orleans」(レ・ゾブレ・オルレアン)の駅に1回停まっただけ
で、ブロアに到着。このレ・ゾブレ・オルレアンの駅は聞いたことがなかった。
SNCFの検索でも出てこない。どうなっているのか調べてみて、分かった。この
駅でトォール行と終点の「Jeanne d'Arc」(ジャンヌ・ダルク)で有名な「Gares
d'Orléans」(ガール・ドルレアン)駅行きに分岐しているのだった。
貼り付け元 <http://blog.livedoor.jp/elle_riki_travel/archives/3548324.html >
つまりブロア行きの‟直通電車”はこの駅に停まり、乗換える場合は終点
のドルレアン駅まで行くということらしい。パリでの発車時間がすっかり
遅くなってしまったが、直通だったので結果的に楽だった。
実に閑散としているホームだった
ブロアの駅は随分と立派になっていた。私の記憶では何も無い小さな駅
で、一歩出たら目の前を大きな道路が1本走っているだけの閑散とした所
だったように思う。それが今では駅の外にはホテルに併設されたパン屋が
あり、周辺は大きな駐車場とバス乗り場がある。まぁそれでも、パリに比
較すれば田舎の小さな駅には変わりないが。
トォールに向かって去って行く電車
広く大きな入口
ブロワ駅外観
駅前にある三ツ星ホテル「Best Western Blois Chateau」
(ベスト・ウエスタン・ブロワ・シャトー)併設のパン屋
駅を出て、とにかく急いで今日のメインである「Chambord」(シャンボ
ール)城へ向かうことにする。うろうろっとしたが、バスもタクシーも乗
り場がさっぱり分からない。で、駅前のパン屋で聞くと‟バスがある”と
言う。「えっ?}と思いつつ、早速向かうことにする。
駅舎に向かって右側は大きな駐車場になっていて、バスの時刻表を貼っ
たボードがいっぱいあった。バスは1台も停まっていなかったし、どうせ
バス便はないに決まっていると、城行きの時刻表を探すのを即座にやめる。
予定通りタクシーで行くと決めたが、じゃあタクシーをどこで捉まえる?
と探していたら、灯台下暗しだった。駅の真向い。つまり今、自分達が立
っているところ。娘が目敏く見つけてくれた。ただ窓口には係員が一人も
いない。電話番号はあるが・・・。
このBOXのような建物の左側に窓口がある
うーん、電話か。携帯は持っているが、英語が通じるかどうかと悩む。
そうこうしているうちに1台のタクシーがやって来た。ラッキー!と思っ
たら、既に家族連れの客がいる。建物の陰になっていて、分からなかった。
大きな荷物をトランクに入れて貰っている。仕方ないので、運転手さんに
「Taxis,Chambord.」(タクシー、シャンボール)と試しに言ってみた。似
たような客が多いのか、彼はすぐに分かってくれた。英語も出来る。「5,
6分ここで待て。タクシーが来るから。でも35€(約4,900円)ぐらいかかる
よ。」とのこと。「OK、OK。」と私が答えると、彼も頷いていた。娘の顔
に安堵の色が浮かぶ。初めての所なので私以上に心配しているんだろう。
こういう時の母の表情は、相変わらず良く分からない。いつものように、
なるようになると思っているのだろう。変に肝が据わっている。ダテに年
は取ってないらしい。
タクシーを待っていて、気が付いたこと。屋根のランプが‟青”の時は
空きのタクシー。‟赤”は客を乗せている。5,6分のところ、7,8分待っ
てやっと青が来た。駅で手に入れたシャンボールのパンフレットを見せる
と、「Oui.」(ウイ)の返事。私、母、娘の順に乗り込む。
車は結構なスピードで走って行く。そうそう、こっちの人は運転が荒い
んだったと思い出す。運転手さんは50代半ばぐらいの人。時々、簡単に「
ブロワ城だよ。」とか教えてくれる。案外に駅から近くて、ここも見学し
たかったなと思った。やがてロワール河を渡り、幾つかの村を通り過ぎた
頃には雨が降って来た。オステルリッツ駅での明るさが嘘のよう。やがて
広大な森に入る。彼が「ここはシャンボール公園だよ。」とまた教えてく
れた。真っ直ぐな道がずーっと続く。天気が良ければ、のんびりと歩いて
ゆくのも気持ちがいいだろうなと思った。
ロワール河を渡る。天気が悪いので河の風景もグレー
鄙びた小さな村が続く
両側に紅葉した並木道。城まで真っ直ぐの「シャンボール公園」
公園を通り抜けるのに、数分。着いた。シャンボール城が見えている。
大型の観光バスが何台か停まっている駐車場の手前で、私達は車を降りた。
日本から考えていたが、降りた時に‟帰り”を頼んでおこうと思っている。
以前は観光シーズンだったので、城の側のカフェで一休みしたついでにタ
クシーを呼んで貰った。だが、今回はオフシーズンに入っている。うかう
かしてはいられない。
「Retour Gare Blois、S’il vous plaît.」(ルトォール ガール・ブ
ロワ シル ヴ プレ)と口で言いつつ、紙に時間も書いて見せる。時間は電車
を考慮して17:00に。大丈夫だった。そして「同じ場所で待っていてくれ。」と言っ
て、車は走り去った。今15:30。1時間30分しかないが、いいだろう。ここまで無事
に来たんだから。