切符売場に並び、7,8分。順番が来た。カウンターが広く長いので、一度に10
人ぐらい処理できる。係りの女性に向かって「Blois、S’il vous plaît.」(ブロア、
シル ヴ プレ)と言う。フランスがユーロに加盟したおかげで、昔と違い公共の
場所で働く人たちは英語が出来る。(フランスは国鉄)最初だけ簡単なフランス語
で。後は英語で通した。
出発時間を聞いて、唖然となる。次は12:59発だと言う。約3時間後。
11時台があるはずじゃと思ったが、少し迷って、でも決めてしまった。こ
の電車は、乗換もなく早いんだろう。以前、オーヴェールに行った時もネ
ットのSNCFの検索では各駅の電車は出てこなかった。ところが帰りに乗る
はずだった電車が来なくて、駅の時刻表を見たら各駅が幾つもある。驚い
た。多分、昔と同じように携帯に便利な小さい折り畳み式の時刻表は、今
もあるに違いない。だが検索をするようになると、面倒で探してみる気も
しない。ローカル電車はパリ在住の慣れた人しか使えないように思った。
行き:Paris Austerlitz 12:59 → Blois-Chambord 14:07
帰り:Blois-Chambord 17:51 → Paris Austerlitz 19:25
帰りの切符も一緒に買って、今日一日のスケジュールが決まった。3人
分往復で171.60€(約24,000円)。一人当たりの交通費は往復で約8,000円
になる。これだけ払う価値が果たしてあるのかどうか。私自身は一度行っ
たことがあるが、初めての母や娘に「Chambord」(シャンボール)の古城
がウケルかどうかは分からない。遥か昔、ロワール河の「Amboise」(ア
ンボワーズ)の古城には3人で行ったことがあるが。
滞在時間は約3時間半ぐらいと考えた方が良いだろう。現地に着き、城
までの交通機関はバス。しかし1日に1本。おそらく、もう出てしまって
いる。以前もタクシーで古城まで行った。相変わらず不便な場所なのだ。
ロワール河で最大の規模、そしてレオナルド・ダ・ヴィンチがデザインし
たという螺旋階段もあるのに。季節がオフ期に入ってしまったこともある
とは思うが。
城の見学は2時間ぐらいだろう。本当に、ただ見て帰って来ることにな
りそうだ。私は二度目なので、ブロアの街もゆっくりと見てみたかったの
だが。そう言えば、アンボワーズにもレオナルド・ダ・ヴィンチが最後を
過ごした家があるんだった。
これは行きの切符、3人分。
大きい切符は、紙のケースに入れてくれる
切符を手に振り返ると、母と娘が二人して椅子に座ってお喋りをしてい
た。娘には「お祖母ちゃんにぴったり付いていてね。」と話してあるが、
それを忠実に実行してくれている。窓からは明るい陽射しが差し込み、朝
よりも天気が回復していた。このまま続いてくれるのだろうか?時計を見
ると、11時を過ぎている。少し駅の中を散策して、早めに昼食を食べよう
ということになった。
駅の中は色々なお店が入っている。その多くは飲食店とケーキやサンド
イッチを売るお店。ここにマロンゴの出店もあった。出発前なので買うわ
けには行かないが、美味しそうなケーキもある。娘は「Relay」(ルレイ)
で水と飴を「必需品だから。」と買っていた。気が利く。母はお喋りが続
くと咳が出る。医者は特に悪い所はないと言う。普段一人暮らしなので、
急に長時間喋ると喉を痛めるのだろうか。どのみち私達も喉が弱い方なの
で、飴はいつも持ち歩いている。
手前が「Malongo」、奥は「Relay」
「Viennoiserie」 ヴィエノワズリー は
菓子パン類専門
こちらは「La Croissanterie」で、クロワッサン専門。
サンドイッチも売ってます
同じお店がやっているカフェ
しばらく見て歩いてから、発車の時間を確認する。まだホーム番号は出
ていないが、私達が乗るのは「Tour」(トゥール)行きだ。数回降りたこ
とがあるが、中ぐらいの街。確か大きな通りの両側にお店が並んでいて、
結構楽しかった記憶がある。もっとも20年以上前の話なので、今は変わっ
たことだろう。今回はその手前で降りるので、街を駅から垣間見ることす
ら出来ない。
ちらりと気になったのは、一番上の「Orléans」(オルレアン)行き。
確か日本で検索した時に、ここで乗換えてブロアに行く便があったはずだ
った。万が一遅れた場合のことを考えて、日本にいる間に次便をメモって
くれば良かった。食い意地が張っているので、すっかりレストランで食事
する方にばかり囚われていた。ロワール河を眺めながらの食事をするには
絶対9:27発で、と。別の方法として「Montparnasse」(モンパルナス)
駅から行く手もある。ただ便数はオステルリッツ駅の方が多く、ホテルか
らも近かった。
上から3番目に12:59発「Tours」行きがある。
まだホーム番号は出ていない
11:30。早めのお昼はもう一つのカフェ「RITAZZA」(リタッザ)に決
めた。パニーニが美味しそうだったので、ハムと鶏肉の2種頼を頼む。プ
ラス、カフェオレに紅茶。食べてみたいと言うので、デザートにティラミ
スを追加。プラスチックのケースに入っているので、持ち帰りにしてもら
う。スプーンが付かなかったので、帰りにお店のものを1本失敬させて頂
いた。
ショーケースから取り出して、そのまま持ってくると思っていたので、
「遅いね。どうしたのかな?」と言い合っていたら、温めたものが運ばれ
てきた。表面がパリっパリ。温かいのは嬉しいが、焼いたことによってす
ごく固くなってしまった。ナイフを入れるのも大変で、食べるのに苦労す
る。固いものが苦手な母には悪いことをした。
テラス席。ここから昔のままのホームが見える
カウンターで注文。ギャルソンが
運んでくるシステム
こんがりと焼けて美味しそうだけど・・・
これで5.60€(約800円)
カフェオレは普通に美味しいが、高め。
4.40€(600円)
こちらが、ティラミス。紅茶より安くて
3.20€(約450円)
食後、まだ1時間あるので待合室で休むことにした。椅子がぐるりと周
囲に置かれ、中央はぽっかりと空間になっている。ここには小さな出発・
到着の電光掲示板があるので、便利。
待合室の表示はフランス語、英語、スペイン語
左が出発「DEPART」、右が到着「L'ARRIVEE」