コンシェルジュリーを出て、次はお隣のサント・シャペル教会へ。ここは見学が
目的ではなく、コンサートのチケット購入のため。母にとって、旅先での音楽鑑賞
は絶対に初めてのはずとスケジュールに組込んでみた。昔の団体ツアーは今の
ように音楽鑑賞や料理体験などが無かった。ただひたすら、名所巡りだけ。今回
のこの企画が、果たして母に受けるかどうかは分からない。名所巡りこそ旅行だ
と考えていれば、外す可能性もありだ。足のことを考えれば、座っているだけなの
でOKだけれど。
前回はコンサートの切符を、サント・シャペルの見学ついでに教会の中
で買った。だが今回はチケット購入だけ。ステンドグラス鑑賞はコンサー
トと一緒に済まそうと思っている。チケットだけを一体どこでどうやって
買えるのか?日本にいる間に検索してもさっぱり分からなかった。
サント・シャペルはコンシェルジュリーと違い、相変わらず混んでいる。
入口に立っている係員に「コンサートのチケットが欲しい。」と言うと、
向かい側のタバコ屋で買えと言われた。「そっかー、タバコ屋でねぇ。」
と私はあまり驚かなかった。昔は道端に立っているスタンド式のタバコ屋
で、メトロの切符とか色々なチケットを売っていたように記憶している。
確かキオスクと呼んでいたかと。私は絵葉書ぐらいしか買ったことはない
が。
道路を渡ってタバコ屋へ。実際はタバコ屋と言うより、お土産屋?とい
う感じだった。中では中年らしき夫婦が仲良く店番をしている。サント・
シャペル教会でのコンサートの切符は案外に簡単に買うことが出来た。
「Sainte-Chapelle、Music Classic」(サント・シャペル ミュージック
クラッシック)と言っただけだったが、後で調べてみるとフランス語の
場合は「musique classique」(ミュジク・クラシーク)。音がすごく近い
ので通じたのではないだろうか。それとも英語に慣れているのか。
母が一緒なので奮発して一番前のゾーンの40€のチケットを買う。日付と
時間は、予め「17 Oct.2014 19:00」と明記したメモを作っておいて渡
した。。(コンサート・スケジュールの探し方は前回のブログ㊼を参照)う
っかり間違えば、せっかくの企画も無駄になってしまう。私のそそっかし
い癖がいつ頭を出すか分からない。慎重にも慎重に。
予定通りに音楽が聴けることになって、私は内心ホクホクしている。母
は何を買っているのかすら気にしていないようだった。全部人任せで、自
分は付いてゆくだけ。なんだか団体ツアーと変わらないなぁとは思うが、
母の旅のスタイルは昔からこう。私としては今回、母に何か違うものを感
じた旅であって欲しいのだが・・・。
ここが切符を買った、タバコ屋さん。
目印は赤い「TABAC」
切符を買って時計をみると1時を過ぎていた。流石にお腹が空いている。
母も娘も同じだろう。予定ではもう少し早く着き、コンシェルジュリーを
見たら次のオープンバスに戻る。そして、お昼は「Invalides」(アンヴ
ァリッド)の近くにある「Chez Francoise」(シェ・フランソワーズ)へ
行くつもりだった。だが停留所はコースの16番目。これから1時間以上乗
ることになるだろう。
「どうしようかな。」と私が呟くと、娘が「前にお茶したカフェにしな
い?すぐ目の前だし、雰囲気が良かったよ。」と言う。そうそう。すっご
くイケメンのギャルソンに、娘は帰り際ウインクをして貰ったんだった。
これ以上母を歩かせるのも問題。詳しく調べずに来てしまったが、「Les
Deux Palrais」(レ・デュー・パレ)で今度は食事をしてみよう。普段、
あまり口を出さない娘だが言う時は言う。このあたりが私と全然違う。ど
ちらかと言えば、母に似ている。
レ・デュー・パレは結構に混んでいた。陽気なギャルソンに迎えられて、
今回はガラス張りのテラスではなく、更に奥の店内へ。3人が座り終わる
と早速「Carte」(カルトと発音。メニューのこと)を持って来た。それ
がなんと、日本語。前回はカフェだけだったのでカルトは見ていない。「
あれっ、ここって日本人がよく来るんだね。」「慣れているって感じだよ
ね。美味しいんだろうか。」と娘と口々に言い合う。その間、母は黙って
見ている。日本語のカルトだからなんとか上手く注文出来るような気がす
るが、ここを選んで正解かどうか?昨日のミロワールみたいだったら、ま
たがっかりだ。
「Les Deux Palrais」(レ・デュー・パレ)外のテラス席。
さすがに雨の今日は座っている人がいない
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