モンマルトル・コースでぐるりと回って、所要時間が約1時間30分。その後、
Madeleine(マドレーヌ)の停留所でグランド・コースに乗換えた。スケジュールで
は、このコースの5番目の停留所にあるConciergerie(コンシェルジュリー)を訪
れる予定になっている。
マドレーヌでの乗換はスムーズでホッとした。かなりの人が降りて、私
達と同じようにグランド・コースに乗換えたからだ。場所はマドレーヌ寺
院の後ろの本店ではなく、横にあるフォション別館の斜め前。この停留所
も誰もいなければ、すぐに見つけられるとは思えない。きっと、マドレー
ヌ寺院を一周して探し回ることになったに違いない。考えただけでも疲れ
る話だ。
乗換えてから約15分。コンシェルジュリーの停留所らしい所に来た。だ
が、本当に降車場所なのかどうかが分からない。気が付かないままに「降
ります」のボタンを押さなかったので、素通りされてしまった。仕方なく、
ほとんどの乗客が降りる6番目のノートルダム寺院で降車。こんな風にオ
ープンバス・ツアーの停留所は場所によっては簡単だったり、難しかった
りする。ルートはネットで簡単に調べる事が出来るが、乗降する場所は出
来るだけ分かりやすい“超名所”が良いだろうなと思った。
ノートルダム寺院をバックに家族写真を撮り、「どう?ノートルダムは
何回か来ていると思うけど。」と母に聞いてみる。すると「そうだっけ?
覚えていない。でもこれは有名だから見たことあるような気がする。」と
答える。TVなんかで見た記憶があるんだろう。写真を撮った後は、真直ぐ
コンシェルジュリーへ向かうことにした。
5月にきたばかりのコンシェルジュリー。入口が分からなくて、結局見
ないでしまった。日本に帰ってからネットで詳しいことを調べてみたら、
中央の入口から入るのではなかった。建物に向かって右側に少し行けばち
ゃんとした入口が。あっ、これだったんだと自分のうっかりさ加減にがっ
かり。本当にほんの僅か右に行くだけ。そこに入口があるなんて。誰かに
聞けば良かったなと今頃になって思う。まぁ、今回は無事に辿り着いたん
だからOKとしよう。
入口を示す案内板は、建物に向かって右から来れば
絶対に見えたはず
ここから入ります
入場チケット
忘れたとは言え、過去にパリ市内の大きな名所は大体訪れている母。た
だし、観光バスはコンシェルジュリーで降りてまで観たりはしない。だか
ら母にとっては初めてのはず。そして“マリー・アントワネット”の名前
ぐらいは知っているだろうと、私はここを選んだ。年齢的に“ベルばら”
までは知らないだろうけれど。
私達にとっても初めてのコンシェルジュリー。中は想像以上に整備され
ていて、見応えのある所だった。マリー・アントワネットの収監場所とし
てだけではなく、元々はフランス王家がシテ島に造った王宮としての資料
も展示されている。王に仕える人々の食堂だったという大広間はその展示
会場として利用され、ネットで見たような広々とした空間を感じることは
出来なかった。
大広間が展示会場に。
今年は何かの記念年だったのかも
再現してある、マリー・アントワネットの部屋
お土産ブース
日本の牢獄と違い、お金がある・なしによって収監場所の待遇の違いが
はっきりしている。このことに母は驚いたようだった。私が説明をしよう
とすると「見れば分かるよ。」と言って、一人でさっさと歩いて見て行く。
立派なお土産のブースもあったが、そっちには親子共々全く興味無し。鑑
賞時間約1時間で出てきた。
ついでにお手洗いも見ておこうと思い、母に「行かなくていい?」と聞
く。ホテルを出てから少なくとも3時間が過ぎているし、寒い。「そうだ
ね。」と言うことで、結局3人共お世話になった。使用できるのは2か所
で片方には紙が無かったけれど、トイレおばさんがいないから気が楽。5
月のパリでも、こういう場所は随分きれいになっていた。昔とは雲泥の差
だ。
混んでいないので助かった