㊴パリを歩く その29:パリで、そして世界で最古のデパート | 私的パリ案内

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大好きなパリ!美術館も音楽もいいけれど
美味しいものもチョコッと食べてみたい
そんなおばさんの旅レポートです

 BIOのマルシェから帰って来た私達は、またまた午後もマルシェです。

もっとも、それは名前の上だけのこと。「Le Bon Marché」(ル・ボン・

マルシェ)は1852年に「Aristide Boucicaut」(アリスティッド・ブシ

コー)によって創設された世界で初めてのデパート。既にご存知の方も多

いことでしょうね。私はとても興味があったので、フランス文学者である

鹿島茂さんの「デパートを発明した夫婦」(講談社現代新書)を読んでみ

ました。

 何が世界初なのか?読んで見て、驚きの連続です。いかにして商品を売

るか。その延線上には、ただお金を儲けたいと言う欲望だけでは言い表せ

ないものがあります。むしろ売ると言う行為を、新しいひらめきの連続で

高度な文明にすらしてしまっている。例えば、職員食堂。健康な体こそ、

職員が力を発揮できる=利益の向上に繋がると言う考え方。食事にワイン

を付けて、無料での支給です。19世紀に既にこのような試みをした人がい

るなんて考えもしませんでした。社員寮も同じコンセプトで作られていま

す。また、通信販売も徹底して行っていた(初ではありませんが)のには

びっくりです。イラスト入りのカタログまで作っていたなんて!それも無

料だったそうです。極めつけは退職金制度と年金の設立でしょうか。現代

の大手の企業と比較しても遜色の無い福利厚生制度です。


 ボン・マルシェに初めて行ったのは20年よりも更に前のことでした。そ

して何回か訪れて行くうちに、だんだん寂れ感が店内に漂っていたのを今

でも覚えています。これからボン・マルシェはどうなって行くのだろうか

?気が付けばパリ一の規模を誇っていたデパート、サマテリーヌが閉店。

丁度日本でも大手のデパートが潰れそうになったり合併したりと、デパー

トの有り方が世に問われる時代になっていました。


 そのボン・マルシェに行く前に一仕事。予定ではオルセーの次に好きな

Musée de l’Orangerie」(オランジュリー美術館)に行く事になって

いました。ここは一般の見学は午後からなので、スケジュールにぴったり

りました。ところが、うっかりもいいところ。クレジットの利用には上

限がある事をすっかり忘れていたんです。まずホテル代が引かれて、私が

使える残額は一体?と考えても久し振りの海外。全く分かりません。出発

前に確認すべきでした。そこで仕方なくクレジット払いを控え、予備に持

って来た円をユーロに両替することに。クレジット会社のパリ支店に問い

合わせると、オペラ座に率の良い両替所があるとのこと。いい情報をキャ

ッチ。とっても親切で助かりました。


 で、来ました。オペラ座。この辺りも歩いてみると、随分変わっていま

した。地下鉄の駅ナカにカフェあり。世界中にチェーン店を持つ「Paul」

(ポール)です。地上では見掛けた事がないBIOのケーキ屋さん。アイスク

リームではなく、ソフトクリームを売っています。路上ではピアノを弾い

ている人が。昔はせいぜいアコーディオンかヴァイオリンでしたね。


地上に出る前のメトロの中のカフェ「Paul」

日本にもこのお店の支店がありますね!


Paul

モーニングコーヒーがたった1ユーロ(約143円)

ただし朝の6時から10時まで


Paul メニュー

中は撮影禁止。パリでソフトクリームは珍しい?

食べてみましたが、普通に美味しかったです


オペラ座 ソフトクリーム


このピアノ、どうやって運んできたんでしょう


オペラ座 ピアノ

 なんとか両替を済ませ、これからどうしようか?と言うことになりま

した。オランジュリー美術館に行くのもいいけど、今日は予定に縛られ

ずにぶらぶらする?と言う事で、ボン・マルシェを目指す前にエッフェ

ル塔へ行ってみることに。

 メトロ8号線で「La Motte Picquet Grenelle」(ラ・モット・ピケ・

ルネル)の駅へ。そこで6号線に乗換、「Bir-Hakeim」(ビラケイム)

降車すればエッフェル塔です。この6号線は地下鉄でありながら地上を

る箇所があるため、外の街並みが良く見えます。ビラケイムの一つ手

前の駅で娘がMacを見付けました。今日は両替のために昼食を取らずに

出てきています。私的にはMacはあまり好きじゃないんですが、毎日付き

合ってくれる相棒。行きましょう!たまにはご奉仕(笑)しなければ。


メトロ6号線は地上に出ます

メトロ昇り


明るい陽射しのホーム

(このお二人、なかなかのイケメン。親子のようでした)


イケメン親子


Macの白いロゴ。パリらしい拘りを感じますが・・・


MAC


チーズバーガーは1.95€(約280円)+ポテト1.80€(約260円)。

エビアンが2.20€(約300円)お水の方が高いって・・・


MAC


 一度パリのMacを食べてみたいと言う娘に付き合った結果は。ほんの少

しですが肉の旨みとチーズが日本のものよりも美味しいかもです。ポテ

トの方は変わり無し。ただ、ポテトにケチャップとマヨネーズが付いて

くるところが日本と違いますね。両方とも、アパルトマンで使う調味料

として持ち帰ることにしました。店内は最近の日本のファーストフード

店と似たり寄ったりです。孫に付き合っているお年寄りがいたり、私達

のような親子がいたり。昔は若い人専用のMacと言うイメージでしたが、

この変わり様は世界共通なんでしょうか。


 食後は真っ直ぐエッフェル塔へ。折しもテニスの全仏オープンテニス

をやっているため、エッフェル塔に続く広い公園には座り込んで巨大ス

クリーンを見る人でいっぱいでした。決勝はナダル選手とジョコビッチ

選手で争い、ナダル選手が優勝したそうです。そのジョコビッチ選手、

世界ランキング第1位ですが、全米オープンテニスでは錦織選手が準決

勝で勝ちましたね!偉業です。


青空とエッフェル塔は良く似合います


エッフェル塔


全仏オープンテニスを記念して

 
オープンテニス


今日は土曜日。立ち見の人もいっぱいです!

テニス 立ち見


エッフェル塔の前に広がる公園

Parc du Champ de Mars(シャン・ド・マルス公園)


公園

 とうとう疲れてきました。この公園の先にバス停が幾つかあります。

車体の文字から「Sèvres – Babylone」 (セーヴル・バヴィロン)行き

を見付けました。確かボン・マルシェのすぐ近くです。早速に乗り込み

ました。この87番のバスは「Champ de Mars」(シャン・ド・マルス)か

らセーヴル・バヴィロンを経て「Batille」(バスティーユ)、「Gare

de Lyon」(リヨン駅)、更にその先まで長い距離を走り抜けます。

 約15分ぐらいかかったでしょうか。着きました。ボン・マルシェ本店

よりも少し手前にある、世界中から色々な食に関わるものを集めている

人気の食品館「La Grande Epicerie de Paris」(ラ・グランデピス

リー・ドゥ・パリ)です。


建物上部の「Le Bon Marché」の浮文字、見えますか?


ボンマルシェ