私達が宮殿を後にしたのは3時過ぎ。流石にお腹が空きました。予定ではベ
ルサイユ市内の「Pl.du Marché Notre Dame」(ノートルダム市場)近くにあるレス
トランへ行くことにしています。その前に楽しみにしていた手芸屋さん「Maison
Sajou」(メゾン・サジュー)に寄ることになっていました。食事の時間を
これ以上遅らせたくないことと、疲れでこれ以上体力を消耗するのは無謀だと判
断し、断念することにしました。それに、パリ市内でもう一軒の手芸屋さんに寄る
予定が入っています。とても残念なのですが、無理しても仕方ありません。
宮殿を背に真っ直ぐ「Avenue de Saint Cloud」(サン・クルー通り)を
行きます。10分足らずで見えてきた四つ角を左に曲がって少し行くと、広
場に出ます。そこがノートルダム市場がある広場です。そこの少し奥まっ
た角のレストラン、「Le Bœuf à la Mode」(ル・ブーフ・ア・ラ・モー
ド)はその名の通りのステーキ屋さん。昨夜、シャロレーのステーキを食
べたばかり。でも、あれは偶然手に入ったので仕方ありません。
ベルサイユのレストランについては、出発前に色々と調べてみました。
結果は手頃なフレンチのお店が案外に少ない。宮殿のすぐ近くには四つ星
ホテルの「Trianon PalaceVersailles」(トリアン・パレス・ベルサイユ)
があります。そこのレストランはミシュランの星を持っている。でもトリ
ップ・アドバイザーの評価は星付きにしてはあまり良くありません。世界
的に有名なシェフ、ゴードン・ラムゼイさんの評判もイマイチ。料理は
美味しいのかもしれませんが、作る人の人柄によっては触手が出なかったりします。同じように有名なシェフが日本にもいましたね。TVのある番組に出演したMさん。一緒に働く人を罵倒していました。全くの興ざめでした。
「Le Bœuf à la Mode」
お店の名刺サイズのカード。開業1930年ですから、
80年以上も続いているお店です。
こちらは裏側。お店の詳しい情報が載っています。
「Ouvert 7/7」とは曜日による休み無し
(ただし祭日は分かりません)
レストランに到着した時には、とうとう4時になっていました。このお
店では朝食を9:00から食べることが出来ます。(4.50€でクロワッサン、
オレンジジュース、チーズ、コーヒーのプチ・デジュネ)そして昼食の
12:00からノンストップで深夜まで営業しているのです。レストランであ
り、ビストロでもあるんですね。もし宮殿見学に時間を取り過ぎても食べ
はぐれないようにと、このお店を探し出しておきました。ステーキ中心で
すが、伝統的なフランス料理のお店です。
ネットのHPで知ってはいましたが、中はなかなかに落ち着いた雰囲気で
した。外にはテラス席もありますが、寒いのでとっも無理。サービスの女
性はテキパキとした人で遅く来た私達に、嫌な顔一つしません。まず前菜
兼スープと言う事で私はフォアグラ、娘は寒いからと熱々のオニオン・ス
ープを頼むことにしました。他に食事をしている客はいません。多分、そ
れでシェフが一旦休憩に入ってしまったのでしょう。料理が出てくるまで
に多少時間がかかりました。他にはカフェを飲んでいるお客が一人だけで
す。待っている間に女性が私達の写真を撮ってくれたりしました。
時々訪ねるサイト、「4travel」ではヴェルサイユでの
ランキング2 位のル・ブーフ・ア・ラ・モード のテーブル
貼り付け元 <http://4travel.jp/overseas/area/europe/france-ile_de_france/paris/versailles_par/restaurant/
>
ものすごいボリュームのフォアグラ。
これは二人で分け合わなければちょっと無理。
オニオン・スープは熱々でなくてはいけません。
ところがチーズの蓋の中はまだ冷たかったんです。
やり直して貰いました。
フォアグラはまずまずの味。悪くは無いのですが、高級料理店のような
わけにはいきません。この大きさに最後まで美味しく食べるのが無理だっ
たと言うのが正解でしょう。サラダ菜などの野菜が添えてあれば、もっと
美味しくいただけたかと思います。お皿の左上に「fleur de sel」(フル
ール・ド・セル)と言うカマルグ地方特産の“塩の花”が置いてあります
が、それだけではちょっとキツイかと。一方のオニオン・スープ。娘の評
価は「悪い」と付きました。一度温め直しをすることになったからです。
中にはソテーした飴色のオニオンとスープに浸したパンが詰められていま
す。私も半分ほど食べましたが、スープ自体が特別美味しいとは言えない
レベル。でも普通だと思いました。「ひたパン」が苦手な方は注文を控え
た方が良いかも知れません。量がハンパ無いですから。次に頼んだのは
レストランの目玉、ステーキです。最低300gからですと言われ、内心ぎく
り。二人で分けても食べきれるでしょうか?
必ずポテトの山盛りが付いてきます。
フランスのポテトはほんとうに美味しい!
いや、参りました。二人でペロリと食べてしまったんです。少し足りな
いぐらいでした。やはり軟らかくはないですが、塩だけで焼いた、お肉自
体が旨いんです。もう少しじっくりとメニューを見て前菜に軽めのものを
頼めば、ステーキは一人が300gでいけてしまいましたね。ポテトは残しま
した。美味しいのですが、山盛り過ぎです。
ル・ブーフ・ア・ラ・モードは、いかにも昔のままのスタイルのレスト
ランでした。ちなみにこのステーキのお値段は19.50€(約2,800円)フラ
ンスは食品の物価は安いけれど、人の手が加わるといきなり高くなります。
なのにこの金額。かなりお得だと思います。本日の昼食はエビアンを含め
、46.30€(約6,600円)。食後のコーヒーが入っていないですって?そう
なんです、わざと頼みませんでした。これからベルサイユで一番古いと言
われているパティスリーに行くからなんですよ。
お店はノートルダムの広場を横切る「Ru.de la Paroisse」(パロワス通
り)にあります。そこへ向かう前に折角だから寄りましょう、市場に。名
前にある通り、この広場には市場があります。スケジュールでは火・金・
日の曜日にやっている屋外のマルシェに行くはずでした。そのために、わ
ざわざ火曜日をベルサイユ行きにしたのです。ところが朝のトラブル会議
で少し遅くなり、更に宮殿の入場で時間を思いがけず多く取られてしまい
ました。屋外マルシェは14:00で終わりです。とうとう間に合いませんでし
た。特に食材のマルシェと言う事だったので、期待していたのですが。ち
なみに他の曜日の、木・土曜日は洋服や雑貨のマルシェが屋外に立つらし
いです。
貼り付け元 <http://gloria-tours.jp/france/recommend/h20110610100519939.html >
でも、諦めるのは早い。ここには屋内の常設市場もあるからです。朝の
7:00から19:30までの営業なので、まだ大丈夫。(実際にこれから行かれ
る場合は、事前にご確認下さい)市場好きが、寄らないわけには行きませ
ん。
この標識が目印です
市場全体。時間的に人が少なく、ゆっくり買い物が出来ました
こちらは果物屋さん。ここで色々買いました。
市場では果物3種(洋梨、チェリー、レッド・カラント)で22.42€(約
3,200円)、そしてチーズは普段食べ慣れているカマンベールを。(領収
書貰い忘れしました。10€しなかったかと)産地を聞くとノルマンディー
だと言っていました。チェリーはフランス産を確認。スペイン産も出回っ
ているからです。レッド・カラントは「groseille rouge」と書いてグロ
ゼイユ・ルージュと読みます。子供時代が北海道ですから、良く食べま
した。もちろん自分の家の庭で採れたものです。確かグロゼイユではな
くグズベリーと言っていたと思います。
もし泊まっているホテルの近くにマルシェが無いのなら、宮殿に行く前
か後に寄るだけの価値ありです。時間的にも19:30までやっているので、
食後の果物を買うとか、お土産にチーズを買うとか。でもベルサイユ近辺
の新鮮な野菜狙いだったら、朝早くに来て屋外マルシェへ。地物が多く出
るようですよ。買物した後は、それを持ち歩いて宮殿見学をすることにな
りますが。ディバッグに入れて背負いましょうか。私も鳥の丸焼きを買っ
てみようかと密かに企んでいたので、準備(密閉用のジッパー付きストッ
クパックや折り畳み式のエコバッグ)をしっかりして来ました。今回は残
念な結果になりましたが、市場巡りはこれが最後ではないので、全くメゲ
てはいません。