今回からは、実際にパリを歩くためのレシピ1に入り
ます。まず、第1日目。私達は早速メトロを使ってのパ
リの散歩に出かけました。1週間以上の滞在ですから定
期券をまず購入。「Coupon Semaine」(クーポン・スメ
ーヌ1週間券)または「Carte Orange」(カルト オラ
ンジュ)と呼ばれるもので、メトロ用の青い切符とバス
用の定期券がセットになっています。持ち歩きに便利な
ケース付。これを手にするには59フラン(約1,200円)
と写真が1枚必要であることを前もって調べておきまし
たので、日本から用意して行きました。更に窓口には
「Petit Plan de Paris」と言う携帯に便利なパリマップが
置いてありましたので、すかさずそれをゲット。随分と
役に立ちました。
実物には「Carte Orange」(カルト オランジュ)
と表記されていました。
この定期券、現在は Navigo (ナヴィゴ)と呼ばれるIC
定期券に変わったようです。JRのSuicaや東京の私鉄の
PASMOと同じですね。1週間券として月曜から日曜まで
使用可能、買う時は前の週の金曜日から実際に使う週の
水曜日まで。料金は1-2 zones(パリ市内の地下鉄、電車
、バス、RER乗り放題)で19,80€。円にして約2,900円で
す。(1€145円として)あれから20年過ぎていますので、
結構な値上がりです。
1回券が約250円、昔からある10枚のカルネが約1,900
円なので、最低でも5日間程度の滞在でパリ市内だけの
移動を考えている場合は絶対コレを買うべきでしょう。写
真が必要な点は変わっていないようです。(大きさは履歴
書用よりやや小さい写真を、1枚)
この他に1-5zonesの定期券があります。この場合は
1週間で34.40€(約5,000円)。シャルルドゴール空港や
ヴェルサイユ、フォンテーヌブローなど遠くへも自由にゆく
事が出来ます。パリと空港の往復は普通に払って約19€
(約2,700円)掛かります。空港から市内へはバスを使って
移動し、ヴェルサイユなどへも行く方にはお勧めです。私
は滞在が1週間以上になる可能性があるため、空港との
往復には使えないかも知れないので、検討中。プラン次
第と言うことですね。
Navigoには2種類あり、旅行者は非居住者用のNavig
o Decouverte(ナヴィゴ・デクーヴェルト)を買う事になるよ
うです。また最初に5€(約700円)を出して、定期券その
ものを買う必要があるようです。詳しくは現地で実際に購
入してからご報告します。
また、写真が要らない、Paris visite (パリ ヴィジット)と
いう定期券もあります。空港からパリへの料金込みとしても
ちょっと割高。それでも万が一写真を忘れた場合はこれを
買うだろうと思います。
さて、パリの初日。メトロの窓口で定期券を買おうとして
私は英語を使いました。一体、あの時は何と言ったんでし
たか・・・・。全然覚えていません。多分「Coupon Semaine,
Please」(クーポン・スメーヌ プリーズ)と言ったかと思い
ます。通じたかって?いやいや、ものの見事に通じません
でした。
英語は私達日本人にとって外国語ですが、フランス人
にとっても外国語なんですね。当時はフランスの田舎で
英語が通じない事は当たり前。大都会のパリでさえも英
語が話せなくても全く問題無かったのです。特にフランス
人は自国語に随分誇りを持っている人種ですから、分か
っていても知らないふりをすると言うことすらあったようで
す。確かに中世では外国人がフランスで教養高い人種
として認められるためにはフランス語が出来ることが条件
だったと、学校で習った事があります。
この時、幸い私は今までに何度もお世話になった便利
なフレーズをすぐに思い出しました。
「Coupon Semaine,S'il vous plait.」
(クーポン・スメーヌ シル ヴ プレ)
この文章の中の、 「S'il vous plait」(シル ヴ プレ)
は旅人だけでなく、フランス人がとても良く使うフレーズの
一つです。実に便利なんです。英語では「Please」に相
当します。何かを人に頼みたい時、このフレーズを使えば
滑らかに物事が進みます。私は何度かフランスを旅して
いるうちに、現地の人が言うのを聞いて耳で覚えました。
「あっ、あの言葉を使うと相手の態度がいい感じになるん
だな。」と。例えばタクシーに乗って行く先を言う時、また
買いたいものを指で指しながらお店の人に、「シル ヴ プ
レ」なのです。このままのカタカナ発音でOK。是非あなた
も言ってみて下さい。
一番最初に私は言葉が出来ることよりも、行動力が大
切と言いました。今でもそれは変わりません。ただ、何
度か旅をしている内に少しだけ余裕が出来てきました。
何度も何度もフランス語を聞いているうちに、より気持ち
良く旅を続けられる言葉を見つけたのです。しかも旅が
スムースに運ぶことも分かってきました。そういう言葉は
他にも幾つかあります。おそらく既に皆さんが知っている
言葉やフレーズではないでしょうか。
「Bonjour」(ボンジュール) →今日は
良く聞きますよね、この言葉。「Bon=良い」「jour
=日」繋げると「良い日」となります。日本でも言
いますよね、「今日は。」って。それと同じニュア
ンスで使いまくりましょう。特に個人経営の小さな
お店に入る時。何も言わずに入って行くと、こちら
が驚いてしまう程とてもびっくりされる事がありま
す。何しろこっちは外国人。そこで、にっこりしな
がら「ボンジュール!」と言いながら入れば向こう
も笑顔で「ボンジュール!」と返してくれることで
しょう。夜になれば「jour」から「soir=夜」に変
わります。そこで、
「 Bonsoir! 」(ボンソワ!) →今晩は
夕方から夜にはこんな感じで挨拶します。もっと遅い
夜には「 Bonne nuit! 」(ボン ヌイ)と言って
「おやすみなさい。と言う場合もありますが、頭に余
力がある時でいいと思います。次はこれも私たちが良
く知っている言葉。
「Merci」(メルシ-) → ありがとう
この言葉は特に感謝を込めてと言うよりも、ごくごく
普通に使います。あるお店に入り、何も買わないで出て
くるときにメルシー。気持ちよく見せてくれて有難う、
というイメージです。買い物をして、綺麗にラッピング
してくれたらメルシー。もちろん、何か助けてくれた時
にや、助力が必要で無くても声を掛けてくれた気持ちが
嬉しい時にも相手にメルシーです。ただし、きっぱりと
断りたい時は、
「Non、Merci」(ノン メルシ-) → いりません
よ
毅然として言いましょう。Okの時は「Oui」(ウイ)と
言って頷きます。
冒頭でメトロの窓口には「Petit Plan de Paris」と
言う携帯に便利なパリマップが置いてあったと言いまし
た。これ等の言葉は分解してみると良く知っている言葉
ばかりです。例えば「Petit」(発音はプティ)。そうそ
う、若い人たちが普通に使っている「プチ」のことで
「小さい」と言う意味ですね。「Plan」は英語読みして
プラン。「計画、予定」を頭に浮かべますが、フランス
語はほんの少し違います。発音は「プラ」、意味は「地
図」です。「Petit Plan de Paris」を実際に手にすれ
ば、「ああ、これはパリの小さな地図だな。」と言葉が
分からなくても理解出来るというわけです。
これ等も実際にパリやフランスで見て聞いて覚えた言
葉です。相変わらず難しいフランス語は上達していない
のですが、ゆったりと旅する人としては様々な経験を積
み重ねがならじっくりと身に付けて行けばいいかなと思
っています。
随分お世話になった「Petit Plan de Paris」
1992年10月改正したものです。
中は「Metro」と「Bus」(バス)の路線図に
なっています。外側には「RER」(郊外線)が表示
されています。