2014年3月16日:テーマを変更いたしました。
「60歳からの手作りの旅 パリ」→「ゆったりと
手作りの旅 パリ」
前回は余裕を持った「手作りの旅」をするための
アイディアを紹介しました。まだまだ話足りないこと
があるような気がしますが、そろそろ具体的な旅の準
備をしなければなりません。大まかな日程と出発日が
決まったら次にしなくてはならないのは <足と宿>
を探すこと。まずは<足>から始めましょう。
足、つまり航空会社は出来るだけ安いものを選びた
いのが人情です。約20年前、本を書くための旅に私が
選んだのはAOMと言うフランスの会社でした。本当に
びっくりしますが、この会社は私が本を書き上げた一
年後に日本から撤退。2001年には倒産したそうです。
今は格安航空会社がどんどん参入しています。果たし
て、どれぐらいの会社が生き残るのでしょうか。
今ほど海外へ飛ぶ航空会社の数は多くなかったので
すが、スケジュールに合わせて選択することは可能で
した。AOMの場合、6月末の東京(成田)とパリ往復
13泊15日の旅程で140,000円。本の巻末で費用をパッ
クツアーと比較していますが、15日間と言う設定では
一番安かったのです。現在とあまり値段が違わないこ
とに少し驚きを感じます。
若くなくても費用は格安で、いや若くないから座席
はゆったりで、ビジネスクラスもいいかな、普通が一
番、など。自分に合った航空会社を選ぶためには情報
が必要です。一番簡単なのは、旅行代理店に直接行く
か電話することでしょう。インターネットをやってい
る方は検索。
そこで、4月1日に出発で8日に帰国という設定で値
段による航空会社の検索をしてみました。(燃料、諸
税込2014年1月現在)
旅行会社名:HIS(来店・電話・ネットで対応)
航空会社名 |
料金(円) |
備考 |
中国国際航空 |
89,370 |
乗継1回 行き約15時間 帰り約13時間半 |
大韓航空 |
104,850 |
乗継1回 行き約14時間半 帰り約13時間 |
ANA |
107,600 |
直行 行き約12時間半 帰り約12時間 |
JAL |
108,110 |
直行 行き約12時間半 帰り約12時間 |
旅行会社名:DeNA(ネットのみ対応)
航空会社名 |
料金(円) |
備考 |
カタール航空 |
82,430 |
乗継1回 行き約29時間 帰り約23時間半 |
中国国際航空 |
86,995 |
乗継1回 行き約17時間 帰り約18時間半 |
大韓航空 |
108,015 |
乗継1回 行き約16時間 帰り約16時間 |
JAL |
110,735 |
直行 行き約11時間半 帰り約12時間 |
ANA |
111,275 |
直行 行き約12時間半 帰り約12時間 |
上記2社の比較から、安い価格帯の会社には乗継があ
ると言う事が分かります。特にカタールや(ここには載
せませんでしたが)エミレーツなどのアラブ系の航空会
社は、安い代わりに乗継の時間もかなり長いのです。こ
の乗継の間に中継地を少しでも歩いて見ることが出来る
のならば、食指を動かされる方もいるかも知れません
ね。私も一度だけドバイ空港で乗継をしたことがありま
す。空港内は機関銃を肩にした警官が厳重に警備をして
いました。穏やかな日本から来た身には、ちょっとした
怖さ。空港外への外出は禁止されていましたし、外へ出
ようとは全く思いませんでしたね。その後、フランス一
人旅をしたマルセイユの駅でも機関銃を肩にした警備ら
しき人達を見掛けたことがあります。ヨーロッパではこ
とさら珍しくは無いのかも知れませんし、現在ではかな
り違っていることでしょう。
ANA |
107,600 |
直行 行き約12時間半 帰り約12時間 |
上の表から私が選ぶとしたら、HIS社のこれです。価
格的には一番安いものと比較して約2万円の差がありま
すが、乗継が無いので搭乗時間が短く、日系の航空会社
しては問題無いでしょう。ただ言葉に関しては外国の航
空会社でも、日本人スタッフがいることが多いので、ま
ず心配することは無いだろうと思います。この他旅行代
理店としては「日本交通公社」時代からの老舗、JTBの
航空券も探してみました。一番安いものはカタール航空
で75,120円。しかし搭乗時間が、行き28時間45分で帰り
は23時間35分。逆に搭乗時間の短さで検索すると、ANA
の112,060円が一番安いという結果が出ました。エール
フランスのHPで探してみても、価格的に大きな違いが無
かったのでこれまた驚きです。昔はとっても高かった印
象があるからです。
結局、どの旅行社を探しても価格的に大差は無いと考
えて良いみたいです。搭乗時間が長くなると、価格が安
くなり、短いと高い。つまるところ、残るはパリでの滞
在日数が少なくなるか、多くなるかの違いです。8日間と
いう同じ旅程で計画すれば、前者の滞在日数は正味3日
間、後者は5日間となります。ここで全旅程を8日間から
10日間に変更し、滞在日数を5日間にする。もしくは効率
良く往復して同じ日数のパリを楽しむかは個々の都合次
第。休暇にたっぷりと余裕があるのならば、前者でも十
分OK。実は私もその口なのですが、せっかちな性格のせ
いか後者を選んでしまいました。
1990年のパリ行きはJALで。当時の
機内食パンフレット
この他にワインリストやウイスキー、日本酒の他に
ウオッカ、ブランデー、ビール等、飲み物は全て
無料でした。 ダイエットドリンクもこの時既に
用意されています。行きの軽食には「寿司」、帰り
には「そば」。本当に日本の「おもてなし」はすご
かった!と思います。
その他に航空料金の大きな違いが出るのは、なんと言
ってもシーズンでしょう。ハイ・シーズンとロウ・シー
ズンの違いですね。私の記憶では12月から3月までは、
かなり安かったと思います。なぜか?寒いんです。とに
かく寒い。確かに緯度を見れば日本の北海道ぐらいです
か。いや、もっと北ですね。実は私は北海道生まれ。そ
の私が寒いと感じるのは、街の造りが違うからだと思い
ます。特に石畳の路。下からじわじわとやって来る冷た
さは、長く歩いているとこたえます。そこを若さで乗越
えて何 度か冬のパリへ行きました。
60代になっても行きますか?と聞かれたら、なるべく
やめたいと答えるでしょう。しかも寒い季節は、日暮れ
が早くて朝が遅い。一日の行動時間が夏と比較すると約
半分程度にも感じられます。少し料金は高めですが、ゆ
ったりと旅をするのに一番良い季節は?と聞かれたら、
やはり夏と答えるでしょう。北海道の夏と同じで暑くて
も30度前後で、空気は乾燥気味。東京のじわじわ暑い夏
とは大違い。ただし夜はかなり冷えることもあります。
現地の状況に関係なく航空料金が高い時は、日本側の
事情によります。年末・年始や春休み、ゴールデンウイ
ーク、夏休み、お盆休み等のシーズンは思いがけないほ
ど高くなっています。その合間を縫って、安くてベスト
なシーズンを利用し、自分のペースで旅を楽しみたいも
のです。ついでですが、空いている機内でのおこぼれ的
な “福”は、横並びの座席を倒して寝てゆけること。
エコノミー症候群を防ぐために時々立ち上がって運動す
ることは必要ですが、それにしても長時間椅子に座った
ままの空の旅は、キツイのではないかと思います。わざ
と空いているシーズンを選らんで、パリまでぐっすり寝
てゆく。昔は何度かやりました。果たして今でも可能で
しょうか。ちょっと不安ですね。