2014年3月16日:テーマを変更いたしました。
「60歳からの手作りの旅 パリ」→「ゆったりと
手作りの旅 パリ」
初めてのパリ行きの時。私は団体ツアーの中の少ない
フリータイムを使って、何処か行けないかなと考えまし
た。その時毎月買っていたファッション誌が、パリ郊外
のバルビゾン(Barbizon)を紹介しているのを偶然見つけ
たのです。その時の見出しは、こうです。
「“バルビゾン”この名前からして、ロマンチックで、
心おどる響きを もっていると 思いませんか?」
ロマンチックと言う表現がいかにも古いですが、バル
ビゾンという小さな村が私を引き付けたポイントは三つ
あります。
一つは、ルソー(Théodore Rousseau)やミレー
(Jean-François Millet)といった日本の誰でも知って
いる画家達の活動の場であったこと。
二つ目は当時の多くの女性達を魅了した映画、「パリ
のめぐり逢い」のロケが行われたバ・ブレオー(Bas
Breau)というホテルがあったからです。
私はその映画監督のクロード・ルルーシュ(Claude
Lelouch)が好きでした。彼の代表作「男と女」、「パリ
のめぐり逢い」、そして「白い恋人たち」はフランシス
・ レイの華麗な テーマ音楽と共に今でも知っている方
は少なくないと思います。そのホテルのレストランは、
アラン・ドロンやエリザベス・ティラーがわざわざ訪れ
るほど美味しいと書いてありました。
最後の三つめは、パリから日帰りで充分往復出来るこ
とでした。
私の「好き」の一番は「美味しいものを食べること」
ですが、その他にも「好き」が色々あります。絵画もそ
の中の一つ。ルソーやミレーに格別詳しいわけではあり
ませんが、「種まく人」や「晩鐘」の舞台となったバル
ビゾンは充分行ってみたいと思わせる場所でした。そし
て美味しいレストランがある!
実際に行ってみた時の話はまたの機会にするとして、
初めての海外ツアーでこのような「手作り」を敢行した
自分に、今更ながらびっくりしてしまいます。何から何
まで ネットで調べられる時代でもありませんでした。
若かったですねぇ。ただし、全くの無茶をしているかと
言えば、決してそういうことはありません。三つ目のポ
イントにあるように、「パリから日帰りで充分往復出来
ること」という条件の下で実行しています。
パリにある大きな駅、リヨン( Gare de Lyon )から
出発しました。この駅はパリ近郊の他に、フランス
第二の都市リヨンや南プロヴァンスへの玄関口にも
なっています。駅の係の人にメモで出発時間を書いて
もらいました。フランス語を耳で聞くのが苦手な人
に便利な方法です。
切符は Barbizonの最寄駅Fontainbleau(フォンテ
ィンブロー)からパリへ戻る時のもの。
「手作りの旅」はすべて自己責任です。言葉が通じな
い国で何かあっても、必ず誰かが助けてくれるとは限り
ません。確かに初めてのパリで地下鉄に迷っていたら、
イケメンのお兄さんがわざわざ付いて案内してくれまし
た。見知らぬ日本人なのに。心から嬉しかったです。
でも、いつでもこんな幸運があるとは思えません。大体
私は幸運が少ない人種。珍しい出来事でした。
もし今回が初めての海外だとしたら。果たしてうまく
実行出来たでしょうか。正直なところ自信が無いです。
あの頃よりは年齢がいったせいか慌ただしい旅はもうし
たくないと言うこともありますが、若いころよりも判断
力が鈍いし体力もありません。 それでは、初めての場合
はどうすれば良いのでしょうか。
いきなりの「手作り」をする前に、まず一度パリ中心
の団体ツアーに参加してみることを私はお勧めしたいと
思います。 「パリ6日間」程度の短いツアーでいいでし
ょう。パリ滞在は正味3日間程度になりますが、一度下
見して、パリを〝来たことがある街"にしてしまうので
す。
たとえ添乗員がいても、飛行場に着いた時から自分の
目で観察することを忘れないようにしましょう。到着し
た時から「手作り」はもう始まっているのです。団体バ
スでの移動の際にも、パリの街並みに注意します。あ
っ、道路の脇に大きなオレンジの「M」のマーク。あれ
がガイドブックで見たメトロ(Métro 地下鉄)の入り
口だなとか、あんな所に日本のコンビニに似たお店があ
るとか。 注意して見ておくところはいっぱいあります。
パリ市内で良く見かける「metro」の表示。
入口でアコーディオンを鳴らしている大道芸人。
当たり前のように景色に溶け込んでいます。
余談になりますが、最初に私が見つけたコンビニは
Monoprix(モノプリ)です。パリで一番多く、今では
スーパーに近いタイプのお店など色々あるそうです。
(サイト「パリナビ」から) 私が行ったお店は、確か
シャンゼリゼ大通りにあったように思います。お土産
にと折り畳み傘を買いました。でも日本の方が品質が
良いかも。帰国して早速使ったらすぐに壊れました。
30年以上前のことですが。
後から知りましたが、フランスでは傘と言えば主に
日傘を指すらしいです。しかも鯨の骨を使っていた時
代のものはとても丈夫だそうで・・・。
日傘を初めてフランスに持ち込んだのは、イタリアの
メディチ家からやって来たカトレーヌ・ド・メディシ
スというフランス王家と結婚した女性でした。(サイ
ト「日本洋傘振興協議会」から)この人については私
も本の中で触れたことがあります。当時のフランスで
食事と言えば手掴み。そこにナイフとフォークを持ち
込んだのが彼女でした。アイスクリームもそう。イタ
リアのメディチ家はミケランジェロやダヴィンチなど
の芸術家を擁護したことでも有名です。普通に考える
金持とは格段の違いがありますね。
随分話が逸れてしまいましたが、団体ツアーの場合は
ホテル・朝食付きがほとんど。もし時間と余力があるよ
うでしたら、ホテルの周辺を歩いてみるのも良いかと思
います。近くにカフェがあったら、ちょっとラッキー。
手持ちで少額のユーロがあれば入ってみるのも面白いで
しょう。私の古い経験からすると多分、大きな額面の
ユーロは「お釣りがない。」と断られてしまうかも知れ
ませんのでご注意を。フランスもユーロの一員になって
変わったかも知れませんが、ニースのシャガール美術館
で入館を断られた苦い思い出があります。確かフランで
5,000円相当の紙幣だったと思います。少し坂を下ったお
店で不要な買い物をして、やっと入館しました。日本の
美術館では考えられません。「お・も・て・な・し」の
心が息づいている国から来ると面喰うことが多々ありま
すが、そこはお国柄と言う事でしょうね。ではまた。