愛媛大学東アジア古代鉄文化研究センターと瀬戸内海考古学研究会の共催になる表記の講演会が1月26日に愛媛大学交友会館で開かれたので聞きに行った。
歴博が主導するC14AMSによる年代論に対し、矛盾の指摘、批判、提言など多方面から論じた内容で、実に興味深く、有意義な話で、聴視者皆聞き惚れていて。
・大気中の炭素14比が高緯度、高層圏に高く、低緯度、低層圏で低いなど地域偏差があり、中緯度圏の日本などそれを無視して世界較正曲線に無原則に乗れない。世界較正曲線は高緯度の樹木をもとに造られていて、日本とは条件を異にしていて、その差を無視できない。
樹木差もある。
・海洋リザーバー効果は当然のことでこれも地域偏差があり、生活に於ける海洋環境の傍では年代は古くなる。
・同じ層にでる果核や種子と土器付着炭化物には年代差があり、炭化物に古い値がデル。付着炭化物は汚染が著しくこれが年代を狂わせているとして、このコンタミ(汚染)を除去して、正しい、信頼できる値をだすべきだと実に豊富で、多彩なデータを提示して提言する。
・氏はこうした疑問、疑惑をクリアーして信頼して使える年代値を出すべきだと、C14AMSは使えるようになることを願っていた。
どこかと違って、誠に真摯な学術的姿勢を貫く立派な人物と見かけられた。
ややもすれば、人間関係や組織関係、寄らば大樹の逃げ込み安心論なんぞによって、何が問題なのか承知もせずに歴博AMS年代を鵜呑みに使っているのが類書、一般書にも見られるが、こんなの混乱のもと。
一度、新井さんの提言に十分耳をかたむけた上で、どう対処するか考えるべきである。
上品に書きましたが、問題が多すぎる。