絵本で、安心して気持ちが話せる「場づくり」の担い手を育む -147ページ目

絵本で、安心して気持ちが話せる「場づくり」の担い手を育む

~絵本で、安心して気持ちが話せる場づくりの担い手を育む~
NSプロジェクト代表
絵本道®マイスター
更家 なおこ

3.11から10年に近づいてきた昨年の夏ごろ

ふと思いました

 

そろそろこの活動をどうするか

考えていこうかな

 

これまで訪ねてきた東北の土地の数々

活動で出会わせてもらった多くの方々

 

こころの中で走馬灯のように出来事が

ぐるぐるとめぐり~~~

浮かんでは消えるたくさんの物語たち

 

何度も何度も、もうやめようと弱音をはいて

その度に奇跡のようなタイミングで何かが起こり

気が付いたら今日になっていたこと

 

なんのために続けてきたのか

どうして続けてこれたのか・・・

 

震災から1カ月後、宮城の避難所に到着して

車から絵本を出そうとした瞬間

おじいさんがゆっくりと近づいてきて

 

あんた方、どこから来た?

と、声をかけました

 

そうか、そんな遠くから・・・

すると、親しそうな微笑みが突然消えて

 

なあ、言ってくれんか

もう2度とあんな恐ろしいことは起こらんと

言ってくれんか

 

凍り付いたように身体がこわばって

魚みたいに口をぱくぱくしたような記憶が

うっすらあるけれど

なにをこたえたのか、きっと何も言えてない

わたしから、なにか発することは

とうていできませんでした

 

5年程経ったころ

福島の仮設集会所でおばあちゃんたちに

今、一番何があるといいですか?

とたずねたら

 

物はなんもいらねえ、

ただ忘れないでほしい

震災のこと、自分達の事

みんなどんどん忘れていってしまうのが

一番こわい

だから、忘れないでほしい

 

わかった わたし 伝え続けるよ

わたしの やり方で ずっと ずっと

伝え続けるから

 

くまは わたし

もう一人の自分は 小さなラインくん

 

わたしたちは 一人では なにもできないから

ただ こうして 手を繋いで

人生の道を とことこ 歩くだけ

 

ゆっくりと つまづきながら

足をすりむいても 一休みすることがあっても

 

森の樹々には 記憶の引き出しがあって

2度と見たくない 消してしまいたい苦い思いも

たくさんあって

 

ひとりぼっちじゃ 向き合えないから

引き出しを 開ける勇気がないから

 

絵本というやさしい入口をつかって

「安心して気持ちが話せる場」を

つくり続けてきました

 

誰でも、大切な人のために

絵本で場づくりができること

大切な人だけじゃなくて

まず、自分自身を守ってほしいこと

 

絵本教室はそれを体感してもらうため

絵本イベントは、そのことを伝えるため

 

わたしは10年の活動全ての中にある

「語られなかった物語」を文字にしていきました

 

わたしがこのまま死んでしまったら

誰もこれらの「物語」があったことすら

わからないまま過ぎてしまうから

 

そして、今この時代に

その文字を音や映像にして

一人でも多くの方に

少しでもはやく

届けていくことが、次の道しるべにつながると

思いました

 

決して得意なことではないし

実は前に出ることや目立つことは

とてもとても向いてないとわかっているけれど

(自分の動画をまともに見れなくて、息を止めて

泣きそうになるくらい(>_<))

 

それでも、わたしは 伝える人なので

やると決めた以上、できることを

続けようと思います

 

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