絵本で、安心して気持ちが話せる「場づくり」の担い手を育む -124ページ目

絵本で、安心して気持ちが話せる「場づくり」の担い手を育む

~絵本で、安心して気持ちが話せる場づくりの担い手を育む~
NSプロジェクト代表
絵本道®マイスター
更家 なおこ

絵本道文庫~フーシーとまりとお姫さまー6~

 

 広場に作られた舞台は、金箔で華やかに飾られ、奥の方で

王様がお后様と心配そうに見ていた。その周りを遠く囲むように

町中の人々が息をのんで見守っていた。

使いのものが、銀の盃に金のまりを8つもってあらわれた。

いよいよまり競技の始まりだ。

 

 姫はまりを1つ受け取ると、ぽーんと高く空にほおり投げた。

青空にキラキラと輝きながら、きれいな弧を描き、金のまりは

空中で見事に踊った。2つ、3つ、数が増えるごとにその輝きを

増していき、鮮やかなまりさばきは、見る物を圧倒させ、

広場を取り囲んだ人々がため息をもらした。

 

「見ろよ。なんて素晴らしいんだ。金のまりが、まるで

生きているみたいだぜ。」

「長生きはするもんじゃ。ありがたい。」

 まりが8つになった時、フーシーのひたいから

じっとり汗がにじんだ。姫は思ったよりずっとうまかった。

フーシーと同じくらい、いやそれ以上かもしれない。

堂々としたまりさばき。なにより姫は父さんに教わっているのだ。

15このまりをあやつる父さんに・・・。

それに比べてあたしはまだ、この新しいまりを

使ったこともないのだ。

 

 そうだ。フーシーは、はっとした。あの物売りは

何を言っていたのだろう。もしかしたら、とんでもない

まりかもしれない。投げるとどうにかなるのだろうか。

フーシーのまりを持つ手がふるえだした。

 

 その時、まりが空中で生き物のように動きだし、

金のかんむりの形になった。まりのかんむりは、まばゆい

ばかりに姫の頭上で輝きを放った。

 

われるような拍手と歓声がひびき渡り、姫の番が終わった。

姫の頬は上気して桃色に輝いていた。

「まりがないのなら、私のまりを使ってもよい。」

姫が金のまりを差し出した。

「いいえ、まりならあります。」

フーシーは首を振ってこたえた。次はとうとうフーシーの番だ。

どうしよう、負けるかもしれない。フーシーの震える足に

ふわりとあたたかいものが触れた。

キジネコだった。

 

「キジネコ、あたしを守ってね。」

 

第一話はこちら

絵本道文庫~フーシーとまりとおひめさまー1~ | 絵本で、安心して気持ちが話せる「場づくり」の担い手を育む (ameblo.jp)

 

第二話はこちら

絵本道文庫~フーシーとまりとおひめさまー2~ | 絵本で、安心して気持ちが話せる「場づくり」の担い手を育む (ameblo.jp)

 

第三話はこちら

絵本道文庫~フーシーとまりとお姫さまー3~ | 絵本で、安心して気持ちが話せる「場づくり」の担い手を育む (ameblo.jp)

 

第四話はこちら

絵本道文庫~フーシーとまりとおひめさまー4~ | 絵本で、安心して気持ちが話せる「場づくり」の担い手を育む (ameblo.jp)

 

第五話はこちら

絵本道文庫~フーシーとまりとおひめさまー5~ | 絵本で、安心して気持ちが話せる「場づくり」の担い手を育む (ameblo.jp)