吐く息に意識を向けると、自律神経のバランスが調う
< この健康法は、特にこんな人へオススメです >
なんとなく氣分が晴れない
やる気が出ない
元氣が出ない
取り越し苦労が多い
ストレスが多い
朝までぐっすり寝たい
便秘・下痢
高血圧・低血圧
めまい
30代前半のころ、飛行機の中で突然手足の感覚がなくなり、
呼吸をするのもやっとという状態になったことがあります。
そのうち、目の前が真っ暗になり、
猛烈な吐き気とともに、氣を失いそうになりました。
突然の出来事に驚きながらも、
「あぁ、なかなかいい人生だったなぁ」
などと呑気に構えているうちに、
症状はだんだんよくなっていきましたが、
けっきょく原因はわからずじまい。
現地に付くころにはすっかり元氣になっていたので、
その後はしばらく忘れていたのですが、それから数日後、
飛行機の中でまた同じような症状が現れたのです。
その後も、飛行機に乗るたび同じような体験が続いたことから、
知り合いのお医者さんに訊いてみたところ
「パニック発作」に似た症状であることがわかりました。
「パニック発作」は、
電車や飛行機など閉鎖的な空間で起こることが多く、
突然、動悸や息切れ、吐き気、手足のしびれなどが現れるもので、
慢性的にかかるストレスが原因ともいわれています。
当時は年間100回以上飛行機に乗っていましたから、
3日に1回は同じような症状がやってくるわけで、
さすがにこれはなかなかたいへんでした。
「なんとかこれを克服するいい方法はないものか・・・」
そんなとき、ふと思いついたのが「腹式呼吸」。
前回紹介したラジオ局のアナウンサーが
「氣持ちが落ち着いて、からだもラクになる」
と言っていたことを想い出したのです。
試しに、予兆がきた段階でおこなってみたところ、
症状が現れる前にスーッとラクになりました。
以来、発作が起きそうになるたび、
腹式呼吸を繰り返しているうちに、
予兆さえもなくなってきたのです。
腹式呼吸のような深い呼吸には、
心身をリラックスさせて、
慢性的なストレスを解消させる効果がある、
ということを身をもって体験したのでした。
呼吸がこころとからだの状態に
大きな影響を与えていることは、
近年、末梢血管の血流量を測ることができる機械によって
医学的にも証明されています。
ゆったりとした深い呼吸をすることによって、
血液が末梢まできちんと流れ、心身がリラックスする、
ということが明らかになったのです。
楽ゆる整体トータルリチューニングの永井峻院長は
著書『1日1分で人生が変わるおなかもみ上げ』(自由国民社)の中で
「呼吸が深い人はストレスに強い」と述べています。
ストレスは自律神経と深い関係があり、
呼吸によって動く横隔膜もまた自律神経と深く関わっています。
呼吸で動かされる横隔膜の柔らかさが、
ストレスに強くなるたいせつな条件というわけです。
呼吸のたびに動くのは、横隔膜だけではありません。
前項「お腹のマッサージ」でも述べたように、
お腹全体も呼吸によって動きます。
お腹もまた自律神経や免疫力と深く関わっていますから、
深い呼吸は横隔膜とお腹という2つの要所にはたらきかける
とても効率のよい健康法なのです。
「息」という字は、自らの心と書きます。
こころが穏やかでリラックスしているときの、
ゆったりとした深い呼吸は、
こころとからだを健康へと導いてくれるのです。
< 吐く息に意識を向ける呼吸法 >
「呼吸」は、読んで字のごとく「吐いてから吸う」もの。
赤ちゃんが「オギャーッ」と泣いて(息を吐いて)生まれくるのも、
亡くなるときに「息を引き取る」と言うのも
「吐いて始まり、吸って旅立つ」という呼吸の法則そのものです。
呼吸法では
「吐く息に意識を向ける」ことがたいせつなポイントになります。
① まずはリラックス。
立っていても、座っていても、寝ていても構いません。
肩の力を抜いて、楽な姿勢になりましょう。
(座っておこなう場合は、仙骨(腰骨)を立てて、
両肩が上下しやすい姿勢で。
立っておこなう場合は、軽く数回ジャンプすると、
ほどよく力みが抜けて自然体になります)
② 呼吸に意識を向けながら、
なるべく長く、ゆっくりと息を吐きます。
(口の形は「あ」でも「う」でも、
心地良く感じる形がいいでしょう)
③ 吐き出したら、あとは自然に
入ってくるままに任せましょう。
静かに、ゆったりと、
鼻先から花の香りを嗅ぐように吸います。
最初は3、4回の呼吸を1分くらいかけておこなってみましょう。
時間があるときは、心地よさを感じるままにおこなってください。
ポイント1
息を吐く時間は、吸うときの2倍くらいの長さ
を目安に始めてみましょう。
ヨガや氣功などの呼吸法に共通する
「吐く息に意識を向ける」ことがたいせつです。
ポイント2
息を吐くときにお腹をへこませて、
吸うときにふくらませる「腹式呼吸」。
息を吐くときにお腹をふくらませて、
吸うときにへこませる「逆腹式呼吸」。
どちらでも、心地よく感じる方法でおこなってください。
(他に氣持ちのよい呼吸法があったら、そちらでもOKです)
ポイント3
肛門を締めることを意識しながらおこなうと、
からだ中の氣が充実してきます。
ただし、時と場合によっては
リラックスとのバランスがとりにくい場合もありますので
「心地よさ」を優先してください。
無理におこなう必要はありません。
座禅の呼吸は
「あるがごとく、なきがごとく」が、
究極とされているそうです。
呼吸を意識しつつも、
それがいつの間にか自然と一体になっているような呼吸。
「自分」が「自然界の分身」であることに氣づくこともまた、
呼吸法の大きな効用なのかもしれませんね。
< 天と地を結ぶ呼吸法 >
① 足を肩幅くらいに広げて立ち、
リラックスして全身から無駄な力を抜きます。
(軽く数回ジャンプすると、
ほどよく力みが抜けて自然体になります)
② 自分の中の「氣」を、
足のウラを通して地球に還すようなイメージで、
なるべく長く、ゆっくりと息を吐きます。
(からだは地球の成分でできていますから、
体内の情報を「還す」イメージです)
③ 自然に入ってくる息は、
頭頂から「天の氣」が入り込んでくるイメージで
体内へ迎え入れます。
(「人間」が、天と地の「間」で
氣の媒介をしているようなイメージです)
④ ②③を「氣持ちいい」と感じる範囲で数回繰り返します。
終わったら、天と地の氣をいただいたことに感謝しながら、
丹田(へその下あたり)に両手を重ねて意識を向け、
こころを静めます。
時間は1分くらいから始めてみましょう。
時間があるときは、
心地よさを感じるままにおこなってください。
「吐く」という字が「口に土」と書くのは
「口」に表現される呼吸と「土(地球)」が、
大氣を通じてつながっていることを表しているのだと思います。
自分と地球が「呼吸」によってつながっていること、
そして、天と地の間で「呼吸」を通して氣の媒介をしていること・・・。
そう考えると、呼吸によってすべての存在と
つながっていることが実感できます。
天は、いちばん身近な「呼吸」が自然の摂理を訓えてくれるように、
からだの仕組みを創ったのかもしれません。
息だけに、なかなか粋(いき)な計らいですね。
(お後がよろしいようで・・・)
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