Q-pitch 榎本あやせ:GO!JET!GO!GO!ZERO | 可愛いは正義

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つい先日まで演劇なんてほとんど見たこともなく、そういう意味で本当の「にわか」なのですが、ここ最近、急速に演劇を観る機会が増えています。モチベの大半は、推しグループであるQ-pitchのメンバーの出演。特にここのところ、推しメンの榎本あやせが盛んに演劇にチャレンジしているので、「見ないわけにはいかない」と言ったところではあります。

また新たな演劇に目覚める?

そんな中、あやせにとって、またも新しいチャレンジとなる「GO!JET!GO!GO!ZERO」という演劇を観てきました。僕個人としては、今までほとんど、新宿村LIVEという舞台で興行している「スリーアウト」シリーズであやせを観てきたのですが、今回はまったく違う舞台と主催者による演劇となりました。演じるキャラクターもこれまでとはだいぶ異なる、榎本ファンとしては興味津々な演劇となりました。

先日、あやせが出演した「スリーアウト〜ホームラン篇〜」では、僕自身、台本を事前に読んだり、同じ演劇を2回観たりする楽しみを覚えました。今回もそうしたことをしてみたいと思っていたのですが、なかなか日程が合わず、また期間が短いという理由もあって、結局、千秋楽1日のみの観劇となってしまいました。時間やお金に余裕があったら、最低でもやはり2回は観た方が楽しいと今でも思っています。

今までとは180度異なるタイプ

今回のこの演劇、過去に自分が観てきた演劇とはいろんな部分がかなり違い、大変面白い経験をさせていただきました。こんな演劇もあるんですね……。お芝居の世界もアイドル同様、実に広くて深い。しかし、こんな経験も、アイドル趣味を始めたからこそできたんですよね。そういう意味でも、アイドルには感謝しかありません。以下、内容のネタバレも含まれますので、もしお知りになりたくない方がいらっしゃったら、読み飛ばしてください。

演目専用舞台?

では、どう違っていたのか。
自分の浅はかな知識を元に以下書いていますので、もし間違っていたらごめんなさい。まず、この舞台の背景や大道具・小道具って常設のようでした。少なくともある期間は。僕の知っている舞台って、観る前はただのまっさらな舞台で、演劇が始まると幕に合わせて大道具や小道具を設置するものばかりでした。ところがこのお芝居では、劇場に入った途端、すでにすべての背景や大道具・小道具が揃っていた舞台を目にしました。それもかなり凝った作りになっていて、とうてい1時間やそこらで設置できるような代物ではありませんでした。

これも観るまではまったく知らなかったのですが、どうやらこの小屋では、ある一定期間、「GO!JET!GO!GO!ZERO」しか演っていないようなのです。つまり、劇場ごと、その演劇に専用化されていると言ったら良いのでしょうか。これにはちょっと驚きました。

60年代のアメリカンカフェを模す

演劇の内容そのものが、60年代のアメリカンな雰囲気のカフェ設定なので、最前の観覧席などは、すでに舞台に同化しているテーブル席になってしまっています。なので、まるで舞台の中で劇を観ているような感じ。おまけに、会場の片隅にはポップコーンメーカーが置いてあり、ポップコーンが取り放題という(笑)。観劇料金にはドリンク代も含まれているので、飲みながら食べながらを推奨しているような舞台でした。これはこれで気楽でよろしいものです。

さすがにストーリーはネタバレになるのでご紹介するつもりはありませんが、演劇の形式はミュージカルコメディーでした。ミュージカルもコメディーも、あやせにとっては、たぶん初めての経験でしょう。とは言え、普段はアイドルをやっているわけですから、歌や踊りは当然得意なわけです。個人的にも、アイドルにはミュージカルが似合うと以前から思っていたところではありました。



僕の音楽趣味と一致

60年代のアメリカンと言えば、まさにオールディーズ全盛期。僕自身、この時期はさすがに産まれて間もない時期でしたのでリアタイでその文化を味わっていたわけではありませんが、学生時代には、オールディーズが大好きな音楽ジャンルでした。以下、個人的な好みの話で退屈で申し訳ありませんが、ちょっとだけ話させてください。

当時、僕の年代の若者はロック全盛期と言って良かったと思います。T.レックスやデヴィット・ボウイ、ピンク・フロイド、レッド・ツェッペリンなど錚々たるロッカーが登場した時期。そんな時、若い時からすでにひねくれ者だった僕は、「ロックは嫌い。ロックンロールが好き」と世間に背を向けていたわけです。なにしろ小学校でも「戦艦大和は嫌い。戦艦武蔵が好き」と言ってみんなにいじめられていたくらい天の邪鬼でしたから(笑)。

ディスコとダンパに明け暮れた日々

そんなわけで、日々聴いていたのはビーチボーイズからポール・アンカ、ニール・セダカ、エルビス・プレスリー、チャビー・チェッカー、コニー・フランシス……と60年代ロックンロールばかり。折しも大学のころは、ダンパ(ダンスパーティー)が全盛期を迎えていました。僕は大学1、2年生の時に寮に入っていたのですが、5人で住む寮の部屋は、あろうことかナンパ師の集まりでした(笑)。夜な夜なディスコに出撃し、寮ではダンパを主催するという生活でした。

ダンパではダンスを指導する立場となり、当時、ダンパの華だったジルバを習得し、お相手の看護学校生のみならず、男子学生にまでダンスを教えていました。その時の小話ですが、僕は理学部に進学が決まっていましたが、ダンパの際に女の子から「どの学部に行くの?」と聞かれた時に、「ィ学部」と最初の「リ」をごまかして発音することで看護学校生に「医学部」と勘違いさせるテクニックを駆使したのも懐かしい思い出です(笑)。

アイドルが代わる代わる出演するミュージカル

寄り道しすぎ!
そんなオールディーズナンバーに乗せて見せるミュージカルは、めっちゃ楽しかった。ストーリーもわかりやすくて面白いのですが、演出もそれっぽくてなかなか良い内容でした。要はこのシリーズでは、メインとなる3人の子たちの役を、アイドルなどが代わる代わる務めるわけですね。この3人のうちの1人に選ばれれば、ほとんど出ずっぱりですから、その子のファンにとっては見応えがあります。事実、僕もずっとあやせには見惚れていました。たまたまなんでしょうが、本当にボーリングシャツとサーキュラースカートが似合う!

ミュージカルに向くあやせの演技

役柄としてはかなりコミカルな演技を要求されるのですが、わざとらしさも目立たず演じ切れたことは、褒められても良いことだと思います。とにかく、声が大きくハッキリしているんですよね、あやせは。発声が良いので、言ってることがよくわかります。このお芝居ではあまりそうしたシチュエーションはなかったのですが、良い演者は小声でもしゃべっていることがよく聞こえてきます。舞台では、歌唱以上に発声の仕方が大切だと感じました。

そして、あやせの歌とダンスはさすがでした。このレベルのミュージカルでは、あまり文句のつけようがないのじゃないでしょうか。まるで以前からこの役を演じ続けていたように見えるくらい手慣れていました。もちろん、相当厳しい練習は積んだのでしょうが、やはりあやせには演劇の天賦の才があるのではないかと、この演劇を見ても確信しました。ミュージカルもそうですが、もっといろいろな役にチャレンジすべきかもしれません。

特典会までが舞台の楽しみ

今回は、中央最前のテーブルに知り合いの8pitch(Q-pitchのファン)と一緒に3人で観劇させてもらいました。このため、特に歌を歌っている最中には、だいぶレスをもらった気がします。また、楽日のためか、Q-pitchの他のメンバーも観劇に訪れていました。僕たちと同じ最前で、隣のテーブルに座っていたのですが、演者からかなりいじられていたのが見ていて面白かった。

一般の演劇の場合はどうか知りませんが、こうしたアイドルが出演する演劇では、舞台が終わったあとに握手会やお見送り、チェキ会などと、なんらかの接触特典があります。今回の劇では、わかりやすく「チェキ券」を販売していました(笑)。ランダムチェキまであるという。ただし、チェキタイムは次の公演が控えているので、非常に短いものでした。一種のご挨拶なので、短くても一向に構わないのですが。



健全な成長を望む

アイドルの舞台は、ステージと違った一面も見ることができるのでとても良いものです。しかし最近は、こうしたアイドルを演者に迎えて興行するビジネスモデルが蔓延しているようで、少し食傷気味にもなってきました。かと言って「行かない」というわけではありませんが(笑)。アイドルにとっては、ライブステージ以外の可能性を開拓する意味で貴重な機会ですし、ファンにとっても異なる一面を見られる良い機会なので、需給バランスは取れていると言えば取れていますしね。

ただ、できることなら、このほどよい需要と供給のバランスが崩されずに、新たな文化が健全に発展していくことを望んでいます。現在のライブアイドルの現場では、すでにそのバランスが崩れてしまった状況にあるのではないかと懸念しています。例えば過剰なイベント数や、相次ぐ無銭興行モデル、若いファンの暴走、飲酒するための現場、疲弊するアイドルなど、すでに問題が噴出している状況で、健全なエンタテインメントとはほど遠い状況になってしまっていると思われます。

アイドルという貴重なリソースを得た演劇現場では、こうしたライブ界のネガ面を十分研究していただき、そのうえで健全に発展させて行ってもらいたいと切に願います。