ジャンプ+で連載中の『ふつうの軽音部』(原作:クワハリ、漫画:出内テツオ)というWeb漫画にハマってずっと読んでいたのですが、こちらが 次に来るマンガ大賞 2024 で第一位を獲得しました、おめでとうございます!
ということでこちらの漫画の紹介…ではなく、作中の使用ギターなどの機材紹介をしたいと思います。というのも、他のサイトを探して見ましたが使用機材について解説してくれているところがなかったので…。どのモデルか気になった方、この漫画に影響されて同じギターを買いたい!となった方の参考になれば幸いです(ちなみに私もけいおん!のあずにゃんと同じ赤色マッチングヘッドのムスタングを持っています…)
ネタバレ防止のため漫画の詳しい内容には触れず(他に解説サイトがたくさんあるかと思います)、あくまで機材紹介だけに留めます。漫画を読んでみたい方はこちらからどうぞ↓
2024年9月現在、単行本は3巻まで好評発売中です。今後新キャラが登場したり、修正があればまた追記していきます。登場曲の紹介記事も併せてどうぞ。
鳩野ちひろ (はとっち) / Fender Telecaster, BOSS OD-3
主人公ちひろのトレードマーク、赤いフェンダー・テレキャスターです。カラーはおそらくキャンディアップルレッドだと思われます。
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部』1巻表紙
ちなみに主人公のちひろは、ナンバーガールの向井秀徳↓に憧れてこのギターを買ったことになっています。
赤のテレキャスターといえば YUI も思い出しますね。
ちなみに私はビートルズのジョージ・ハリスンに憧れて同じモデル(オールローズ・テレキャスター)を買いました。
第1話で楽器屋にこの赤いテレキャスターを買いに行くのですが、このときセール中で 10X,XXX 円となっていますので、価格からして Fender USA ではなく日本製かメキシコ製でしょう。ギターの仕様ですが、
- 22フレット(表紙絵では21フレットのポジションマークがありませんが、おそらく描き忘れ…)
- 3連ブリッジ
- メイプル指板(向井氏のテレキャスターはローズウッド指板)
- コンター加工なし
- 丸型セレクタースイッチ
- ボリュームノブは頂点が平らな円柱形
- ヘッド側にトラスロッド穴がない
- ボディバインディングなし(向井氏のテレキャスターはバインディングあり)
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/324618/
- Fender Made in Japan Traditional 50s Telecaster Fiesta Red
こちらは21フレット仕様ですが、3連ブリッジである点は同じです。よく見ると、ピックガードのネジ数がちひろの物より少ないのがわかるかと思います。赤色は少し薄めですね。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/273774/
と紹介したんですが、この2機種とも2024年9月時点では販売終了しています。また、フェンダーメキシコの Player シリーズは現在は Player II シリーズに刷新されています。現在販売中の製品をデジマートで検索しましたが、なんと赤ボディ・白ピックガード・2シングルコイルのテレキャスターは全然ありません!Fender の廉価版 Squier も、赤ボディに黒ピックガードのテレキャスターのみです。赤白テレキャスターなんて結構な売れ線だと思うんですが…。
ということで、はとっち仕様のテレキャスターを今から買いたいという方は、ヤフオクやメルカリなどで中古を探すか、新モデルの発売を待つしかありません。もしくは、このギターを買ってピックガードを白に、セレクタースイッチを丸型に交換するのが良いです。はとっちと同じ22フレット・3連サドル仕様です。一般的なテレキャスターとは違い、ピックアップセレクターが4段階切り替えできるようになっています。
- Fender Made in Japan Hybrid II Telecaster Maple Modena Red
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/285499
ちなみに本連載開始前の、ジャンプルーキー版では青のテレキャスターで、日本製だと明言されています。「海外製のは高すぎるのでジャパンのやつにする」というのは、2015年まで存在していたフェンダー・ジャパン(通称フェンジャパ)の物を意識したものだと思いますが、現行フェンダー製品の価格は、最も安い物同士を比較すると USA製 > 日本製 > メキシコ製 となっていることが多いです。
使用エフェクターは BOSS OD-3 です。ド定番の歪みですね。私は SD-1 と BD-2 は持っていますが、これは使っていません。
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部』30話
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/20800
テレキャスター + OD-3 動画
50話で誕生日プレゼントとして DADDARIO の弦をもらっています。太さは不明ですが、テレキャスターですしおそらくど定番の EXL120 Super Light 09-42 でしょう。
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部』50話
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/26724/
藤井彩目 / Fender Jazzmaster
主人公のバンドメンバー藤井彩目の使うオレンジのジャズマスターです。上述のナンバーガールの田渕ひさ子氏の愛用ギターとしても有名ですね。King Gnu など、最近の邦ロックでも使用者が多いイメージです。
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部』3巻表紙
作中の描写を参照すると、
- プリセットコントロールは無く、トグルスイッチのみ
- ピックアップはハムバッカー2基
となっています。ハムバッカー2基のジャズマスターというのはやや珍しいです(普通はP90タイプのシングルを2基搭載)。こちらはモデルが特定できます。
- Fender Player Jazzmaster PF Capri Orange(メキシコ製)
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/266880/
残念ながらこちらも旧 Player シリーズであるため販売終了です。現行の Player II シリーズにはこのハムバッカー仕様は存在しません。
Fender 公式 YouTube 動画
ジャンプルーキー版では、ストラトキャスターっぽいギターを弾いています。
幸山厘 / Fender Jazz Bass
長身ベーシスト厘ちゃんの使用するジャズベースです。メーカーは不明ですがおそらくフェンダーでしょう。

新田たまき先輩 / Fender Stratocaster
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/253220/
色さえ気にしなければ(というか漫画だけでは何色かも不明)、ストラトキャスターはバリエーション豊富なので選びたい放題です。
ここで初めてギターを買いたい方のために、ちょっとフェンダー(と廉価版の Squier)の主なグレードについて触れますと、価格帯としては安い順に
- Squier Sonic シリーズ (2.5万円程度)
公式HP サウンドハウス - Squier Affinity シリーズ (4万円程度)
公式HP サウンドハウス - Squier Classic Vibe シリーズ (6万円程度)
公式HP サウンドハウス - Fender Player II シリーズ (10万円程度、メキシコ製)
公式HP サウンドハウス - Fender Made In Japan Hybrid II シリーズ (13万円程度、日本製)
公式HP サウンドハウス - Fender Made In Japan Traditional シリーズ (13万円程度、日本製)
公式HP サウンドハウス - Fender Vintera II シリーズ (17万円程度、メキシコ製)
公式HP サウンドハウス - Fender American Performer シリーズ (18万円程度、USA製)
公式HP サウンドハウス - Fender American Professinal II シリーズ (23万円程度、USA製)
公式HP サウンドハウス - Fender American Vintageシリーズ (30万円程度、USA製)
公式HP サウンドハウス - Fender American Ultra シリーズ (30万円程度、USA製)
公式HP サウンドハウス
となっています。最初の一本として使う分には、Squier でも全然問題ないと思っています。むしろカラーバリエーションも豊富で選ぶ楽しみがあって良いですね。
シリーズがたくさんありますが、「オリジナルの仕様に忠実な物」「忠実ではないが使い勝手を重視したモダン仕様のもの」に大別できます。この中で言えば、青字にした4つのシリーズがオリジナル仕様です(名前からも何となくわかりますね)。私はギターに関しては原理主義者なのでオリジナル忠実仕様のものは大好物ですが、ネックのカーブが強すぎてチョーキングしにくかったり、ピックアップの出力が低めだったりなどもあるので、現代のいろいろな音楽をやりたい場合には他のシリーズを選んだことが良い場合もあります。
特にメキシコ製の Player シリーズや、Made In Japan Hybrid シリーズなどは、使い勝手の点で色々と進化しているのでオススメです。値段もUSA製に比べれば安いですからね(と言いつつも、USA製が欲しくなる病は、誰もが一度は罹患すると思います)。関東圏にお住まいの方は、原宿にある Fender Flagship Tokyo に行けば各シリーズ・各モデルを比較できるので便利です。ショールームのようなものなので、一般の楽器屋のように買え買えプレッシャーがないのも気楽でいいですね。
ちなみに42話で登場したたまき先輩の使用イヤフォンはコスパ抜群と評判の Soundcore のものですね。
モデルはおそらくSoundcore Life P2 でしょう。高すぎもせずいかにも高校生らしいチョイスです。
鷹見項希 / Fender Telecaster
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部』10話
主人公ちひろとほぼ同じ仕様のテレキャスターです。色など詳細は不明ですが、さすがに彼は安物は使わないのでフェンダーでしょう。もしくは、momose など国産のハイエンドモデルを使っている可能性もあります。
ジャンプルーキー版では、第1話の試奏シーンでテレキャスターではなくストラトキャスターを弾いています。
ちなみにアコギも所有しており弾き語りで使っています。ポジションマークが鳥のインレイなので、PRS のもので間違いないでしょう。モデル名までは特定できませんでした。
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部』53話
水尾春一 / Gibson Les Paul Special
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部』22話
Bump Of Chicken の藤原基央さんが使用していることでも有名な、Les Paul Special です。うっすらと色がついているので、TV Yellow で間違いないでしょう。
実は Gibson ではなく Epiphone かなとも思いましたが、こちらのコマでのヘッド形状は明らかに Gibson のオープンブックのものです。みんな高校生のクセにいいギター持ってますね(兄貴のお下がりのギター、だそうです)。細かいところですが、ブリッジはチューンOマチックではなく、オリジナル仕様のテールピース・ブリッジ一体型(ラップアラウンドブリッジ)です。
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部』28話
- Gibson Les Paul Special TV Yellow
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/344054/
Gibson 公式 YouTube 動画
ちなみに私は廉価版の Epiphone の物を所有しています。Gibson は20万超えですが、Epiphone だと見た目はほぼ同じまま5万円台で買えるのでオススメです。バンプファンの方は是非。50's レスポール同様、ネックは結構太めなので要注意。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/313455/
ジャンプルーキー版では、Special でない普通のレスポールを使っています。
アンプ等その他機材
- リハーサルスタジオの機材
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部』34話
こういう細かいところまできちんと描いてあって感激です。まず中央に見えるギターアンプは、ROLAND JC-120 (ジャズコーラス)ですね。どこのリハーサルスタジオにも置いてあります。アンプ単体ではあまり歪まないですが、エフェクターを使う場合には重宝されます。真空管を使用しておらず、とにかく頑丈で壊れにくいので、軽音部などでは御用達です。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/66367/
右奥にあるベースアンプは、HARTKE(ハートキー) HA3500 ですね。これもド定番のベースアンプヘッドです。リハスタに行くと、大体このハートキーか Ampeg(たまに Trace Eliot)が置いてあります。そして今気づいたんですけど、これって販売終了してたんですね。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/43265/
彩目ちゃんが使うもう一台のギターアンプは、みんな大好き Marshall の DSL100 です。ギターをマーシャルアンプに直接繋いで、アンプ側で歪ませるスタイルですね。ギターが2人いるバンドだと、どちらがマーシャルを使うかで取り合いになることもあるとかないとか…。私は基本は エフェクター + JC-120 でやりますが、たまにマーシャルに直で繋いでかき鳴らしたくもなります。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/257462/
- 文化祭ライブ機材
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部』36話
ギターアンプは2台とも同じものを使っているようです(単純に作画手間を減らすためだと思いますが)。上述した JC-120 の小型版、ROLAND JC-40 のようです。リハスタ入りした時に「視聴覚室のしょぼい機材」と言っているシーンがあるので、こんなもんでしょう。
ギターアンプにマイクを立てて拾っている様子がないので、アンプからの直の音だけでやっているのだと思いますが、視聴覚室は見た感じ結構広いので音量にちょっと物足りなさを感じる出力かもしれません。部の予算で JC-120 買ってあげてよ。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/207873/
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部』36話
左側のベースアンプですが、形状は立方体に近く上面後方にコントロール部があります。Ampeg かなと思いましたが、ノブの形状的に Fender Rumble 40 じゃないかと思われます。 これも個人的には物足りなさを感じますね、私がよく使う小さめのライブハウスでも Rumble 200 が置いてあります。まあ部活動なのでこの程度で十分ということなのかもしれません。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/263277/
ボーカルマイクに関しては、形状からド定番の SHURE SM58 かと思います。普通の SM58のヘッドケースは銀色ですが、黒色のスペシャルエディションもあるようです。マイク用のXLRケーブルはそんなに細くないだろ、という野暮なツッコミはやめましょう。
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部』36話
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/352095/
ただ、桃ちゃんがMCしている時にケーブル挿さってないんですよね(描き忘れ?)。まあこのマイクはライブ用のものではなく、視聴覚室備え付けのワイヤレスマイクだったということにしておきましょう。
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部』36話
あと結構どうでもいいですが、るりちゃんが使っているカポタストは何でしょうね。
クワハリ/出内テツオ『ふつうの軽音部』35話
形状からしてネジ式っぽいんですが、この DADDARIO PW-CP-02 あたりでしょうか。私が高校生の時は、1,000円もしない安物カポ使ってました。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/296005/
おわりに
ということで、2024年9月現在での『ふつうの軽音部』登場機材をまとめてみました。けいおん!やぼっちざろっくのようなアニメと違い、漫画なので細かいところまではわからないものも多いです。まだ物語も序盤で、今後様々な機材が登場するかもしれませんので、その時はまた情報をアップデートしていこうと思います。また、作中に登場した楽曲の紹介などもしたいですね。
未読の方は、是非単行本購入 or ジャンププラスに登録して読んでみてくださいね!