「ものうさと甘さが胸から離れないこの見知らぬ感情に、
悲しみという重々しくも美しい名前をつけるのを、
わたしはためらう。 」
有名な書き出しで始まる
この小説
「悲しみよこんにちは」
フランソワーズ・サガンの
小説です
女性作家の作品は
あまり読んでいませんが
というより
苦手なのですが
この小説は不思議と
すんなり読んだ記憶があります
しかし
内容はもうすっかり忘れていて
ネットで調べて
あらすじを読みましたが
まったく記憶がありません
でした
高校生の時
読んだのですが
この小説は私にとって
特別な作品です
というのも
国語の授業で
幸田露伴の娘さんで幸田 文さんの
文章を読んだ時のこと
わたしにはまったく理解できず
試験でもこの文さんの文章の出題では
まったく点数が取れず
先生も
「いったいどうした」
と、言われる始末
以来
女流作家の作品は
苦手意識がトラウマと
なってしまいました
唯一の例外が
冒頭の一冊
「悲しみよこんにちは」
です
朝吹登水子さんの訳で、
すんなり読めました
とは言っても
サガンの作品はこの一冊しか
読んではいないのですが
別荘での一夏の思い出を
綴ったものですが
驚くことに
サガン18歳の時の作品で処女作です
同じ世代ということもあって
感覚的な理解が
心の中に
垂直に届いたような
気がするんです
若者のもつ
純粋なこころと
社会に対して
シニカルな態度
そして
将来への不安
大人に対して
不信感
当時の同世代の空気が
苦手な女性作家の作品を
読ませたくれたのでは
ないかと思います
若い人には
時代を感じる
繊細で
最先端の時間を
捉える感性を持つことの出来る
唯一不思議な時期です
それは
単に
知的であるとか
明晰であるという
だけではありません
どこまでも
深く理解し
また
どこまでも
深く傷つく
時期でもあるのです
短い青春の
ほんの一瞬しか
感じることのできない
不思議な能力なのです
そんな
不思議な力をもつ
時間の中で
出会う何かは
とっても大切な気がするのです
その後の人生に
大きな影響を与える
大きな出会いだと
思うのです
知識や経験がなくても
物事の本質を見抜き
すべてが見えてしまい
理解できる瞬間が
あるのだと
わたしは信じています
そんな
貴重な青春の時間を
神様は若い人にだけ
ほんの短い時間だけど
与えてくれる
この
特別の瞬間を
精一杯感じて、味わって欲しいのです
まだ見ぬ多くの出会いの中で
あなたが
本当に大切なものと出会う何かが・・・
きっと
「バレエ」
も
その出会いの一つかもしれません
相模原のバレエ教室なら