MEGA SYNTHESISを導入しました♪ | NOZ's Stylish Sound♪

NOZ's Stylish Sound♪

1980年代の音楽に輝きを放っていたシンセサイザーYAMAHA「 DX7」

繊細で綺麗な音を放つスタイリッシュなシンセサウンド「FM音源」を使って曲作りをしております♪

SEGAの家庭用ゲーム機「MEGA DRIVE」の内蔵音源を再現したレトロ・ゲームミュージック・コンポーザーLIVEN MEGA SYNTHESISの発売告知が1月5日に舞い込んできました。。

昨年はMD用ゲーム機の音楽制作をやってた私でしたけど、メガドライブの熱が冷めないうちに、こんなタイムリーに新商品情報が舞い込んで来るなんて、即購入しました。
 
 
 
実機のMEGA DRIVEと並べてみました。
デザインがMEGA DRIVEに合わせたカラーリングになってて、ホント素敵ですね♪
 
 
MEGA SYNTHESISにピッタリな収納バッグないかな?と探してたら…
昨年、雑誌のMono Max5月号増刊の付録でGETしたメガドライブ型マルチケースにピッタリ入りました!
ACアダプターはポーチ上部の小物収納ポケットに収まりますよ♪
 
 
 
 
MEGA SYNTHESISのセールスポイントとして、プリセット音色とプリセットパターンには古代祐三さんも参加されております。
実際に、プリセット音色には古代さんが作った音色バンク「YUZO」に16音色と「Y.U.Z.O.」に16音色と、合計32音色があります。
 
 
 
その他にも開発元のSONICWAREが作られた20バンク320音色もあるので、合計352音色も内蔵しております。
MEGA SYNTHESISを買うと、漏れなく古代さんの音色も手に入るので、中には古代さんの音色目当てでMEGA SYNTHESISをFM音源モジュールとして外部シーケンサーを使って鳴らすニーズもあるかな(笑)
MEGA SYNTHESISにはMIDI-IN/OUT端子が付いてますので、MEGA SYNTHESISで作った音色をMIDI鍵盤やMIDIシーケンサーで演奏する事も出来ます。
 
 
 
さて、MEGA SYNTHESISの内蔵音源を実際に使ってみました。
FM音源の同時発音数は6音です。
ただ注意点として、FM音源が使えるトラック数は3トラックしかありません。
つまりFM音源に関しては3マルチティンバー6ポリフォニックなんです。
なので、3トラックですと、メロディーとコードバッキングとベースのパート構成になるかと思います。
 

 
FM音源の音色EDITについては、OPN2系FM音源YM2612を再現しておりますので、YM2612で作った音色を鳴らせるはずです。
ところが、FM音源のパラメーターが、一部互換性がありません。
それは、フィードバック、サスティンレベル、リリースレイト、トータルレベルです。
今回はYM2612とパラメーター値が違う、フィードバック、サスティンレベル、リリースレイト、トータルレベルを解説します。
 
その前に、FM音源のEDIT作業時には、同梱のFM EDIT専用シートを装着します。
 
 
まず、フィードバックの設定値はYM2612ですと0-7の7段階ですけど、MEGA SYNTHESISでは0-127と127段階になってます。
YM2612から音色を移植する際、まずこの設定値の細かさで手こずるかと思います。
 
 
 
次に、サスティンレベルの設定値は、YM2612では0-15の15段階でして、0が最大で15が最小です。
対するMEGA SYNTHESISでは0-127です。
127が最大で0が最小と、効果が逆になってますので注意です。
おおよその見当を付けて、そこから微調整していけば、何とかなりそうです。
 
 
 
次に、リリースレイトの設定値は、YM2612では0-15の15段階ですけど、MEGA SYNTHESISは0-31です。
これは実際に音を出しながら、これくらいかな?と感じる程度で設定すれば良いかなと思います。
 
 
 
そして、トータルレベルの設定値は、YM2612では0が最大で127が最小ですけど、MEGA SYNTHESISでは0が最小で127が最大と、効果が逆になってますので注意です。
 
 
このようにMEGA SYNTHESISのFM音源のパラメーターの中で、レイト系の設定値が0-31に統一され、レベル系の設定値が0-127と細かくなってる事で、YM2612との互換性が無くなっています。
けども、0-127と言う値が、パラメーターを設定する本体のツマミの回転にピッタリで、アナログ感覚で音を出しながらツマミで微調整して、目的の音色に近付けていきます。
なので、パラメーターの設定値の高分解能化は、本体でFM音源の音色を作るのに適していると思いました。
パラメーターの設定値の高分解能化は、既に楽器系FM音源では標準となっており、MEGA SYNTHESISのFM音源は、そんな楽器系FM音源寄りに進化してるとも言えます。
 
次にDCSG音源についてです。
MEGA DRIVEには、FM音源YM2612とは別に、DCSG音源SN76489が搭載されております。
MEGA SYNTHESISでもSN76489は再現されております。
DCSG音源の同時発音数は3音+1ノイズです。
DCSG音源パートの演奏には、2トラック用意されております。
 
 
PSG1トラックでトーン3音、PSG2トラックでノイズ1音を使って、DCSG音源パートを作ります。
その場合、PSG2トラックの設定をMONOにすると、DCSG音源パートの音切れを防ぐ事が出来ます。
 
次にPCM音源についてです。
PCM音源パートは、1トラック用意されております。
 
 
MEGA DRIVEに内蔵するYM2612では、FM音源の1音をPCM再生モードに切り換える事でPCM音源として使う事が出来ますが、その代わりFM音源は5音になります。
MEGA SYNTHESISでは何とFM音源6音とは別にPCM音源が用意されておりますので、FM音源6音+PCM1音が鳴らせます!
感じとしては、OPNA系FM音源YM2608と同じような音数配分ですね。
このPCM音源パートには2つのモードがあります。
1つはサンプリングした素材に音階を付けて再生するモードで発音数は1音です。
もう1つはドラムをサンプリングして3音まで鳴らせるモードです。
これはもう、ドラム3音を使ったほうがお得です(笑)
 
MEGA SYNTHESISは、このPCMパートで使う素材をLINE IN端子からサンプリングする事が出来ます。
音質も、8Bit12kHzで8秒、8Bit24kHzで4秒、8Bit48Hzで2秒録音出来ます。
ドラムのサンプリング方法は、ちょっと特殊です。
一般のサンプラーは、1音ずつサンプリングして、1音ずつ音階を指定します。
ところがMEGA SYNTHESISのサンプリング機能は、複数あるドラムの素材をまとめてサンプリングして、自動で鍵盤スイッチに割り当てられます。
これは、サンプリングのスライス機能というものがあり、このスライス幅の設定が、鍵盤スイッチに自動割り当てされる間隔なんです。
で、このスライス幅は、初期設定値が205になっております。
 
 
PCMのサンプル音色は全て、このスライス値205で作られております。
えっ!?って思うでしょう。
私も、このサンプリング方法を理解するのに1週間掛かりました(笑)
何度もサンプリングを試して、やっと成功した方法を紹介します。
これは、サンプリングレートが12kHz/24kHz/48kHz共通です。
ただ、使いたい音色が多いと、48kHzだと2秒しかサンプリング出来ないので、6個であれば24kHzを、7個以上は音質が落ちるけど12kHzでサンプリングします。
まあこのLo-Fi感がメガドライブサウンドなんですけどね(笑)
サンプリングには、各ドラム素材の発音タイミングを均等にする為に外部シーケンサーを使いますが、シーケンサーのテンポは90にします。
 
 
そしてシーケンサーには、使うドラムの音を4分音符で順番に打ち込みます。
サンプリングした後から音色ごとに音量調整は出来ないので、シーケンサーに打ち込む段階で音色ごとに音量も決めておきます。
例えば、バスドラム→スネアドラム→Hiタム→Midタム→Lowタム→クローズHi-Hatの順番で打ち込むと、1小節半になります。
譜面にすると、こんな感じです。
この1小節半をそのままMEGA SYNTHESIS本体にあるLINE-IN端子を使ってサンプリングします。
 
 
サンプリングすると、スライス機能によって、打ち込んだドラムの音色の順番で、自動で鍵盤スイッチの左側から順番に設定されます。
 
 
実はこの、テンポ90で4分音符と言う組み合わせが、スライス値205にピッタリなんです。
これでPCMドラムが3音同時発音可能になります。
MEGA SYNTHESISは6トラックしか使えないので、ドラムをPCMに任せる事で、残りの5トラックを有効活用する事が出来ます。
 
 
なので、このサンプリング方法は覚えておくと良いかな♪
 
次に、ステップシーケンサーについてです。
最短音符が32分音符まで使えて、最大128ステップまで打ち込む事が出来ます。
32分音符で128ステップですと、4小節ですね!
なので、ステップシーケンサーでパターンを作る場合、4小節を1つのパターンにすると良いです。
1つのパターンは6トラックまとめて記録出来ますので、演奏する時は、作ったパターンを並べるだけですね♪
 
そうして私がMEGA SYNTHESISの練習で作った曲が、こちらです。
SEGAの体感ゲーム「スペースハリアー」より"MAIN THEME"です。

 

 

プリセット音色は一切使っておりません。

FM音源パートの音色も全てMEGA SYNTHESIS本体で制作、PCMドラムもYAMAHA RX21からMEGA SYNTHESIS本体のLINE-IN端子を使ってサンプリングしました。

 

 

このMEGA SYNTHESISで作れる8BitサンプリングのLo-Fi感がたまりませんね!

MEGA SYNTHESISでサンプリングしたドラムを、AKAIのサンプラーに再サンプリングして使いたいくらいです(笑)

しかしまあ、MEGA SYNTHESIS本体だけで、ここまで作れるなんて素晴らしいですね!

 

MEGA SYNTHESISの今後の使い道ですけど、ステップシーケンサーがとても使い易いので、思い付いたフレーズを即座にステップシーケンサーにレコーディングすると言った作曲で使えそうです。

あと、今回だけではMEGA SYNTHESISのFM音源のパラメーターの分析が終わってないので、更に音色を作りながら、他のFMシンセサイザーとの互換性を研究してみるつもりです。

機会があったら、イベントにゲスト出演の時に、MEGA SYNTHESISでパターンシーケンス演奏も出来そうですね!

MEGA SYNTHESISは、外部シーケンス演奏よりも、本体のステップシーケンサーを使って演奏するのが持ち味だと思いました。