ふとある本に気配を感じ手に取ってみる。
「マリーアントワネットの生涯」・・・・・?
えっ、こんな近くに?
街の図書館で本を借りる。松山市の図書館は5冊まで(愛媛県の図書館は10冊まで)一定の期間借りられる。延長の申請もできる。2倍の期間借りられることになる。貸出コーナーや館外に向かって歩く人の中には上限まで達していそうな冊数を手にしている人も(子供達も!)意外と多くいる。
インターネットで所蔵の本を著者名やタイトルで事前に検索して特定の本に決めて借りることもあれば、行き当たりばったりで何かおもしろい本はないかと新着本のコーナーをみたり興味ある分野の書棚に行ったりすることもある。
ひとつの書棚から書棚へと移動している時や目的の本を手に取り貸出カウンターに向かう時等、館内を歩き回っているとふと目に留まってしまう本というのがある。気になって素通りできる時もあれば、何故か手に取ってタイトルや中身を確認せずにはいられない時もある。
今回何故か気になり手に取ってしまった本というのが「マリーアントワネット」だった。同じ書棚の同じ段かひとつ上の段には日本の皇室の本があった。王族・皇族の本が普段よく立ち止まる書棚、全体を見回す縦の数段の、一つ左横隣の棚にまとまってあったのだ。
今回何故、マリーアントワネット(フランス、ルイ16世のお妃)の本が目に入ったか?
みつけた瞬間は不思議で仕方ないのだが、冷静に振り返ると最近私が興味をもって読んでいた本に彼女について繰り返し言及した文章があったからなのだ。
別に意識的に「マリーアントワネット」のタイトルの文字を目を凝らしてじっと探していた訳ではない。貸出カウンターに向かう途中に気配を感じ素通りできず手にして確認したタイトル名が‘偶然’「マリーアントワネットの生涯」だったのだ。しかも普段よく見回す書棚のすぐ左隣に!である。
視野の中心ではなく周辺で捉えた一瞬の出来事のはず。本の背表紙の色合い・雰囲気に無意識が反応したのか、はたまたタイトルの文字までしっかり捉えていたのか。自分のことながら驚きだ。別段本に限らずこんな驚きは日常生活に意外と溢れている。‘偶然’ではないのだ。
脳にはすごい働きがある。無意識が自分に必要な情報を拾ってくれる働きだ。意識が重要性を認めた情報や関連情報を無意識が自分の気付かないところで常時チェックして拾ってくれる。仕組みとして脳にこのような働きがあると科学的にも知られているが、知ってはいても驚かずにはいられない。知った後にも‘偶然’と感じてしまうことが多いかもしれない。
大枠でも自分の脳の仕組みを知るとおもしろい。そして、各自のゴール実現にこの脳の仕組みを活用できることを知ると日常生活の楽しみも一層増してくると思う。