🔳ミュージアム・コンサート 梶川真歩&荒木奏美(4/19国立科学博物館地球館地下2階常設展示室)
[フルート/ピッコロ/アルトフルート]梶川真歩(ソロ♯)
[オーボエ/イングリッシュ・ホルン]荒木奏美(ソロ♭)
N.ロータ/フルートとオーボエのための3つの二重奏
ドビュッシー/シランクス♯
G.シルヴェストリーニ/「5つのロシアの練習曲」より ストラヴィンスキーへのオマージュ♭
テレマン/「6つのカノン風ソナタ」より第1番 ト長調
A.ヒナステラ/フルートとオーボエのための二重奏曲
(休憩)
T.マスグレイヴ/即興曲第1番
F.ドナトーニ/ニディ(巣)~ピッコロのための2つの小品♯
G.クルターグ/「サイン、ゲームとメッセージ」より 少しの間♭
バルトーク/「2つのヴァイオリンのための44の二重奏曲」より 11.子守歌、34.かぞえ歌、21.新年の挨拶1、30.新年の挨拶3、39.セルビアの踊り
W.F.バッハ/2つのフルートのための二重奏曲第4番 ヘ長調
(アンコール)滝廉太郎/花
この音楽祭に通い始めて10年になるが、科博のこの建物は初めて訪れる会場。閉館後の地球館を地下2階まで降りると、巨大生物の化石に取り囲まれて仮設のステージと客席があって、非日常感たっぷり。昨年が初訪問だったトーハクの法隆寺宝物館も然り、コンサートホール以外での公演にこそハルサイならではの妙味がありそうだ。
この日はN響のフルート梶川さんと読響のオーボエ荒木さんのデュオ・リサイタル。梶川さんはムーティ指揮「アイーダ」、荒木さんはヴァイグレ指揮「エレクトラ」にも出演中で、その合間を縫っての共演。フルートとオーボエのための作品から編曲、ソロまで、バロックから現代音楽まで、東欧から南米まで、多彩な作品が集められた。
特に印象的だったのは、テレマンのカノン風ソナタ。2人とも全く同じ楽譜を使用しているそうで、先導するオーボエを時間差でフルートが追いかけるだけで、3楽章の素敵なソナタに聞こえてしまう不思議。この編成のために書かれたヒナステラ作品も充実した内容で、特にしみじみとした情趣が濃厚な第2楽章パストラーレに聴き応えあり。
後半には楽器の持ち替えもあり、特に荒木さんのコーラングレが聴けたのは貴重(クルターグのソロ作品は一瞬で終わってしまったが)。2つのヴァイオリンのためのバルトーク作品は、アルトフルートとコーラングレで演奏するのに適した5曲を抜粋。ここでしか聴けない渋く落ち着いた響きのブレンドを味わった。
曲ごとに2人のMCが入り、普段はなかなか聴けない演奏者自身の声と語り口が聴けたのも新鮮だった。