幼稚園か、小学校くらいの頃。
家族でどこかに遊びに行って、帰りの電車に座っていた夜のこと。
それが休日の夜であったからかもしれないが、車内はさほど混んでいるわけでもなく、座席にはちらほらと他の乗客が座っている。
寝ている人、何かを読んでいる人、疲れている人…もちろん家族以外は知らない人ばかりである。
そのような車内の様子を見回しているとき、
ふと、その車内にいる人全てが愛しく思えた。
家族、知っている人、知らない人、関係なく、 全ての人を愛さなければいけないこと。そして、やろうと思えばいつでもそれができること。それを思った。
一瞬であったが、それまでになく満ち足りた思いになったのを覚えている。
もちろん、それから大きくなる過程で、人を嫌いになったり、非難したり、愚痴を言ったりすることはあった。
しかし、あの電車の中での気付きは間違いなく僕の原風景であり、帰ろうと思えば、いつでもそこに帰れるのだ。
あの時、その電車に乗っていた全ての人、その電車、そして自分に気付かせてくれた“だれか”に感謝したい。