ドラマ「エール」の主題歌「星影のエール」には
NHK福島放送局が作った『星影のエール』~福島colors ver.~がある。
福島県59市町村をつないだ素敵なPVだ。
この映像のなかの桃の花を見ていたら
はじめて福島を訪ねた日のことを本当に唐突に思いだした。
あれは
私がまだ30才ぐらいだったのか?
結婚はしていたような気がするけど,長女を産む前だったのか?
いずれにしろ,25年以上も前のことなんだろう。
勤務してた化粧品会社に,福島県保原町出身(現在は伊達市)の後輩がいた。
彼女は,販売会社の娘さんで
当時,「販社の後継者を3年,メーカーでお預かりする」という制度?があったのだ。
Nちゃん。目がクリクリとした小柄でハキハキした本当にかわいい子だった。
「桃源郷を一度見てみたい~!」といった私に,「じゃあ,うちの実家に来てくださいよ」
とお誘いいただき
GWにもうひとりの後輩Mちゃんの運転する車で泊まりに行った。
国見インターで高速を降りた時から
ところどころがピンクの桃畑で
「あっちにも桃あるー」
「きれいー」と興奮しながら,Nさんの実家へ到着。
Nさんの家は
1階が化粧品の販売会社のサロンと事務所になっていて
2階が住居。
福島県では一番大きな販売会社で,Nちゃんのお母さんが社長。
朝から晩まで代理店さんの教育に飛び回るお母さんに代わり
家事を一手に引き受けていたのがお父さんだった。
目のギョロギョロと大きいお父さんを見て
「Nちゃんはお父さん似だなあ」と思ったことを覚えている。
ご一家の運転する車に乗せていただき
桃源郷を見に行った。
広く,一面がピンクの大地は想像以上だった。
桜は遠目から見ると白に見えるけど
桃はほんとうに濃いピンクなのだ。
語彙力がなく,他に表現できないけども
本当に一面がピンクのじゅうたんだ。
今では見なくなったけれどもご一家の車には
サンルーフがついていて
わざわざ横たわって,サンルーフからまた景色を見て
「ピンクしか見えない~」と興奮しながら
Mちゃんと2人,キャーキャー騒いだ。
そして,夜は
代理店さんを2人呼んで,お父さんのふるまう料理をいただいた。
何品並んだのか記憶がないのだが
お父さんが作った「キンキの煮付け」が
大きくて,甘じょっぱさが絶妙で,ものすごく美味しかった。
たぶん,
後にも先にもあれだけ美味しいキンキの煮付けは食べたことがないと思う。
その日は,とにかく,総勢7名でしこたま飲み,しゃべり,食べた。
何を話したのかは覚えてないのに
キッチンで料理するお父さんの大きな背中と
福島弁丸出しの大きな声はうっすら覚えている。
販社の娘Nちゃんは
その後,東京に行き,メイクアップアーティストを目指したと聞いた。
今は,販社に戻ってお母さんを継いでいるのだろうか?
そして一緒に行ったMちゃんは
社内結婚し,北見支店や東京支社でチーフを勤めたあと,現在は
別の会社で働いている。
東日本大震災以来
福島原発20キロ圏内ツアーを企画したのが縁で
訪ねるようになった福島県。
浜通りの記憶しかなかったけれど
私と福島との出会いは
あのピンクのじゅうたんの桃源郷だったなあと
遠い記憶ひっぱりだして,しみじみしている。
また行こう!!
▼こちらは今年3月。5度目の福島。全線開通した常磐線に乗る。
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