noverockのブログ -4ページ目

noverockのブログ

ブログの説明を入力します。

こんにちは。noverockです。



僕の小説「母娘の牢獄」をお読みくださった方、本当にありがとうございます。

かなり拙く荒削りな小説ですが、お楽しみいただけたでしょうか?

ほんの少しでも、悩んでいる方の心を楽にすることができれば、これに勝る喜びはありません。



さて今回の記事では、僕が思う「小説を書くことの楽しみ」の一つについて書いてみたいと思います。



今から1年半前、僕はとある食品会社に勤めていました。その当時、僕の毎日は深刻さで塗り潰されており、僕はいつも何かしらに怯えていました。

「お客様からクレームが来たらどうしよう」

「ミスしてしまったらどうしよう」

「明日はようやく休みだけど、突然の休日出勤命令が下されたらどうしよう」

そんなふうに怯え、起こることひとつひとつに「良いこと」「悪いこと」というレッテルを貼り付け、一喜一憂する毎日でした。

そんな日々ですから、当然、自分の感情や思考に飲み込まれ、肉体的にも精神的にもかなり疲弊していました(ちなみにこのときの体験が葵の原型になっています)。



そんなとき出会った一冊の小説があります。

それがアーネスト・ヘミングウェイの不朽の名作「老人と海」でした。

「母娘の牢獄」にも、「主人公である葵の母親・由美子が小学生のときに読んで感銘を受ける」という設定で登場します。



当時の僕はこの小説を読んで打ち震えました。

「老漁師サンチャンゴが一人で巨大なカジキを釣り上げるが、港に引き上げる前に鮫に食べ尽くされてしまう」という実にシンプルなストーリーですが、そこには読者を圧倒する骨太な魅力が数多く練り込まれています。

僕のような教養のない人間にはとてもすべてを理解することはできませんでしたが、読了後、僕がヘミングウェイから受け取った一つのメッセージは、今なお僕の中で煌々と輝きを放っています。

カジキを鮫に食べられたサンチャンゴは、一時は「お前を釣り上げなければよかった」などと嘆きますが、すっかり食べ尽くされてしまった最後には、もうこのカジキは売り物にならないという現実を受け入れ、舵取りのこと以外何も気にしなくなります。

そこに僕は「起こることに『良い』『悪い』のレッテルを貼らず、ただすべてを受け入れて執着を手放すことで、心の静穏を手に入れることができる」というメッセージを感じました。

当時、自分で勝手に貼り付けた「良い」「悪い」に振り回されていた僕には、あまりにも的確なメッセージでした。

この素晴らしいメッセージを、時代も国も文化も越え、21世紀の日本に生きる僕が受け取ったという奇跡。

驚かずにはいられませんでした。



小説を書くということの魅力は様々ですが、こういうところにもあるのではないかと思います。

一個人が書いた小説が、顔も名前もまったく知らない他者に読まれ、その人の人生に明かりを灯す(勿論、何らかの形で世に出ているという前提があっての話ですが)。

これって、とても素晴らしいことだと思うのです。



だから僕は、これからも小説を書いていきたいと思います。拙い作品でも、誰かの人生に僅かでもプラスになることを願って。



お読みくださりありがとございました。



「老人と海」未読で興味のある方はチェックを

   ↓

老人と海改版 [ アーネスト・ヘミングウェイ ]
¥464
楽天