シナリオ【遥か彼方へ】 3 | Novel & Scenario (小説と脚本)

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このシナリオは小説の下書きとして書かれたものです。シナリオ全文はホームページでも公開中です。


 

●草原

 

陽が沈みかけている。歩いているサーナ。後ろから音もなく来た若者Aに猟銃を奪われる。すかさず若者Bがサーナを押し倒し両腕をつかんで自由を奪う。

 

サーナ「いや!」

 

若者B「おとなしくしろ!(馬乗りになって)叫んでも誰も来ない」

 

若者A「(離れた場所に銃を置いて戻り)すぐ済むよ(とサーナの耳元で言ったあと暴れる足をつかんで靴を脱がす)」

 

サーナ「やだ!(暴れる)」

 

若者B「(サーナの両腕を何度も地面に叩きつける)」

 

若者A「(サーナのズボンを脱がしにかかる。突然棒で殴られふっ飛ぶ)だぁ!」

 

若者B「(振り向く)」

 

テイル「(杖で殴る)」

 

若者B「うわ(ふっ飛ぶ)」

 

テイル、無言で容赦なく若者2人を杖で殴り、何度も蹴る。

 

サーナ「(這って逃げ距離を取る)」

 

若者Aが隙を見て逃げ、それを追いかけようとテイルが目を離した隙にBも逃げる。転がるように山を下りていく2人。

 

テイル「(見送って杖を捨てサーナの元に行き)怪我は(としゃがむ)」

 

サーナ「(テイルに抱きついて泣きだす)あー(と子供のように大声で)」

 

テイル「(背中をさすり)だいじょうぶ。もうだいじょうぶ」

 

 

 

 

●山あいの町・遠景

 

夜の闇の中にわずかな町の明かり。電灯はまだ普及してなく、街灯はガス灯。

 

サーナの声「汽車行っちゃったよ」

 

テイルの声「いいんだ」

 

 

 

 

●山道

 

ふたりが登っている。テイルがサーナの荷物を右肩にかけ、同じ右手で杖もつく。

 

サーナ「どうして戻ってきてくれた?」

 

テイル「あいつらを見かけて」

 

 

 

 

●テイルの回想・山あいの町・町中

 

遠くなるサーナの背中。テイル、駅の方に向かいかけ、またサーナを見る。

 

サーナとすれ違った若者AとBがコソコソ何か話したあと、サーナについていく。

 

サーナの声「ずっと?」

 

テイルの声「いや」

 

テイル、気になるが駅に向かう。

 

 

 

 

●テイルの回想・駅舎

 

テイルが切符を買うのに窓口に行きかけ、立ち止まる。振り向く。

 

テイルの声「でも、気になって」

 

 

 

 

●テイルの回想・町はずれ

 

テイルが急いで来ると、田舎道の遠くにサーナの背中。それを尾行する若者AとBが見える。

 

サーナの声「ありがとう」

 

 

 

 

●現実・山道

 

テイル「痛む?」

 

サーナ「うん(両手をさする)」

 

テイル「もう少しだ」

 

サーナ「うん」

 

 

 

 

●山小屋・表

 

ラスカス「(ドアをあけて驚き)どうした」

 

テイル「サーナが怪我して」

 

ラスカス「怪我? 行きに?」

 

テイル「いや――」

 

ラスカス「(サーナに)だいじょうぶか」

 

サーナ「うん(中へ)」

 

 

 

 

●山小屋・内

 

サーナがベッドで横になっている。地面に叩きつけられた両手に包帯代わりの布が巻かれている。アザがはみ出している。

 

ラスカスの声「そうか。ありがとう」

 

 

 

 

●山小屋・表

 

煮炊きの場所でラスカスとテイルが話している。

 

ラスカス「どこにもクズはいるもんだ(と吐き捨てる)」

 

テイル「うん」

 

ラスカス「あの子が目を惹くのもあるだろうが――並より綺麗で、それに自分で気づいてない」

 

テイル「――」

 

ラスカス「(真顔で)親馬鹿じゃないぞ? 死んだ妻と瓜二つ、最近ますます似てきた」

 

テイル「――(うなずく)」

 

ラスカス「(真顔のまま)今のは少しノロケだ」

 

テイル「(苦笑)」

 

ラスカス「あんたは誰かいるのか、相手が」

 

テイル「――いや」

 

ラスカス「娘をどう思う?」

 

テイル「どうって」

 

ラスカス「嫌いか?」

 

テイル「――そんなわけない」

 

ラスカス「好きか?」

 

テイル「――何を言って」

 

ラスカス「まぁ子供だからな、まだ」

 

テイル「――俺にはもったいないよ」

 

ラスカス「――」

 

テイル「俺はそんな場合でも――」

 

ラスカス「(口調を変え)町と往復は疲れたろ。ゆっくりしてくれ。さぁ食おう(と火から鍋を下ろす)」

 

サランの声「(先行して)あの子が心配」

 

 

 

 

●ラスカスの回想・山小屋

 

ベッドにラスカスの妻、サラン。その横にラスカスがいる。椅子に座っている。

 

サラン「町でよく見られるの、男の人に」

 

ラスカス「――そうか」

 

サラン「若くて、綺麗で」

 

ラスカス「うん――」

 

サラン「見られるのが普通と思ってるのか、あの子は気にしなくて」

 

ラスカス「若い頃の君と、似てきたもんな」

 

サラン「――(苦笑)」

 

ラスカス「確かに心配だ」

 

サラン「――ごめんなさい」

 

ラスカス「ん?」

 

サラン「ごめんなさい(涙ぐむ)」

 

ラスカス「なに言ってる。心配なら、元気になるんだ。ずっと見守らないと。元気になろう」

 

 

 

 

●現実・山小屋・内(深夜)

 

ラスカスがベッドで目をあいている。

 

 

 

 

●山々(早朝)

 

霧の深い未明。

 

 

 

 

●山小屋・内

 

ベッドで眠るテイルが冷気を感じて目を覚ます。見まわす。サーナはベッドにいる。ラスカスのベッドが空。テイルが起き上がってさらに見まわすと、外に続くドアが少し開いている。

 

 

 

 

●山小屋・表

 

テイルがゆっくり出てくる。昨日の疲労と筋肉痛で素早く動けない。ドアを閉めて見まわし、離れた場所に気づく。霧の奥にラスカスがうずくまっている。

 

テイル「(駆け寄ろうとするがつまずいたりする)」

 

ラスカス「(吐血していて物音に気づき、振り向く)」

 

テイル「どうしたんです(とそばまで来て、地面の血に驚く)」

 

ラスカス「(手で口元を拭い)だいじょうぶ」

 

テイル「だいじょうぶって」

 

ラスカス「吐けばスッキリする」

 

テイル「――いつから」

 

ラスカス「娘には内緒だ(立つ)心配する」

 

テイル「そんなわけいかないでしょ」

 

ラスカス「去年の秋から時々。娘にはこのまえ、はじめて見られた。詳しくは言ってない」

 

テイル「なぜ」

 

ラスカス「病院に行けるわけじゃなし」

 

テイル「――どうして」

 

ラスカス「もう長くないんだ(一方に行く)」

 

テイル「(続く)」

 

 

 

 

●山小屋・内

 

ベッドのサーナが目を覚ます。一方を見る。

 

ラスカスとテイルが朝食を準備していて、

 

ラスカス「休んでればいい」

 

テイル「でも」

 

ラスカス「寝てるのが一番だ」

 

テイル「はぁ(疲れと筋肉痛の足を引きながら自分のベッドに向かい、サーナに気づいて)おはよう」

 

ラスカス「(サーナを振り向き)おはよう」

 

サーナ「(体を半分起こしていて)おはよう」

 

ラスカス「いいよ寝てろ。父さんやる」

 

サーナ「でも」

 

ラスカス「やりたいんだ」

 

テイル「――(ベッドに座る)」

 

サーナ「ありがと(父に言ってからテイルに)痛い?」

 

テイル「ああ(足のふくらはぎを右手で揉む)サーナは?」

 

サーナ「(両手の掌を開け閉めして)まだちょっと」

 

ラスカス「俺が一番元気だ。元気なもんが作ればいい(と準備を続ける)」

 

サーナ「(微笑。テイルを見る)」

 

テイル「(苦笑)」

 

 

 

 

●山あいの町・遠景(午後)

 

男の声「(先行して)その顔はどうした」

 

 

 

 

●町中・路地

 

しゃがんでいた若者AとB、ひどいアザのある顔を上げると、警官が2人いる。

 

警官A「仲よしのおまえら同士で喧嘩じゃないよな。今度は何をした」

 

若者A「なんもしてねぇよ(立って行こうとするが)」

 

警官B「(立ちふさがり)なぜ逃げる。署でゆっくり聞こう」

 

 

 

 

●山小屋・遠景

 

雨が降っている。

 

 

 

 

●山小屋・内

 

暖炉の前に3人が座り、ラスカスが革細工をしている。見ているテイルとサーナ。テイルが質問し、サーナが答える。

 

 

 

 

●山あいの町・警察署内

 

テイルの顔写真が印刷された紙を、署員が壁に貼る。証明写真風。印刷は低質でやっとわかる程度。

 

若者Aの声「こいつだ、俺たちを殴ったの」

 

取り調べ中の若者AとBが壁を指さし、

 

若者B「そうだ、こいつだ」

 

警官A「うん?(席を立って貼紙を読む。若者2人に振り向き)どこにいた」

 

若者B「昨日町と、それと――(言い淀み目が泳ぐ)」

 

若者A「女といた。間違いない」

 

警官A「なぜ殴られた」

 

若者A「いや――(目をそらす)」

 

警官A「何をした(若者Bを見る)」

 

若者B「いや――(目を合わせない)」

 

警官A「見たのは本当か」

 

 

 

 

●暖炉の炎

 

サーナの声「ひどい目に遭ったけど」

 

 

 

 

●山小屋・内(夜)

 

サーナとテイルが暖炉の前にいる。

 

テイル「ん?」

 

サーナ「(アザの残る手をさすりながら)こうしてるの嬉しい」

 

テイル「――」

 

サーナ「ずっと続くといい」

 

テイル「――」

 

ラスカス「(トイレから出てきてふたりを見て)ちょっと早かったか(ブツブツ)」

 

サーナ「なに言ってんの(照れてふくれる。しかし顔をそむけると頬が緩む)」

 

テイル「――(暖炉を見る)」

 

 

 

 

●テイルの回想・住宅地

 

角を曲がるとクエント家が火災。猛火に包まれ近所の人たちが消火しようと慌てている。

 

テイルが駆け寄るが熱で近づけない。

 

 

 

 

●現実・山小屋・内

 

ベッドのテイルが眠れずに天井を見ている。

 

 

 

 

●山々(翌日・昼前)

 

猟銃を肩にかけたサーナ、そして杖を持ったテイルが森の中を歩いている。

 

怪我や疲労でまだ猟のつもりはなく、銃は護身用。楽しげな笑顔のサーナ。テイルも笑顔を見せる。春の花や鳥や虫たち。

 

サーナが町の方を見て顔色を変える。

 

サーナ「テイル(と呼んで指さす)」

 

テイル「(その方を見る)」

 

サーナ「おとといのあいつら」

 

テイル「え?(とサーナを見て、もう一度下方を見る。目を凝らすがよく見えない)」

 

山道を若者AとB、警官3人、海軍の軍服を着た男2人が来る。

 

サーナの声「ほかに警官3人と、あと2人、違う服を着た男たち。こっちに来る」

 

テイル「こっちに?」

 

サーナ「ほかに何もないもの。私たちの家以外」

 

テイル「――戻ろう(下方を見つつ行く)」

 

サーナ「(続く)」

 

 

 

 

●山小屋・内

 

ラスカス「なぜこの場所が(ベッドから立つ)」

 

テイル「(サーナと共に戻ってきていて)つけられたのかもしれない」

 

 

 

 

●テイルの空想・夜の山道

 

テイルがサーナの荷物を右肩に持ち、杖をついて山道を登る。

 

その背後。距離を取って若者AとBが尾行する。テイルに殴られたアザが顔にある。

 

 

 

 

●現実・山小屋・内

 

サーナ「それでなんで警官が? 悪いことしたのあいつらなのに」

 

テイル「いや、たぶん別の件だ。僕を追ってきた」

 

サーナ「――」

 

テイル「山を2つ越えると、別の町があると言ったね?(一方を指さす)」

 

サーナ「(別の方を指さし)どうするの」

 

テイル「僕は行く。どこに行ったかは知らないと、聞かれたらそう言って」

 

サーナ「無理よその体で、山越えなんて」

 

テイル「(ラスカスに)迷惑かけます。誰かは知らないと、それで通せばきっと、だいじょうぶ。じゃあ(ドアへ)」

 

サーナ「待って」

 

ラスカス「一緒に行きなさい」

 

サーナ「え?」

 

テイル「(立ち止まる)」

 

ラスカス「父さんひとりでなんとか誤魔化す。彼と一緒に――戻って来なくていい」

 

サーナ「――そんな」

 

テイル「(振り向く)」

 

ラスカス「ずっと言おうと思ってた。好きなように、自分のしたいようにしないと。もう大人だ。父さんが甘えてた」

 

サーナ「だって(病気なのに)」

 

ラスカス「いま別れたら二度と会えないよ(と言い聞かせてからテイルを見て)頼む」

 

サーナ「(テイルを見る)」

 

テイル「――」

 

ラスカス「(サーナに)さぁ早く。準備を」

 

 

 

 

●山道

 

崖に面した狭い道。進む警察たち一行。見上げるが山小屋はまだ見えない。

 

 

 

 

●山小屋・表

 

ラスカス「持っていけ(と猟銃を渡す)」

 

テイル「(ラスカスからもらった防寒着を持っていて銃を受け取るが)でも、必要じゃ」

 

ラスカス「もういらん。そっちの方が必要だ。なにしてる(と小屋を振り向き、中へ)」

 

 

 

 

●山小屋・内

 

サーナが荷物と上着を手に立っている。

 

ラスカス「急げ。どうした」

 

サーナ「行けるわけない」

 

ラスカス「(近づいて静かに)行かないと後悔する」

 

サーナ「行ったって(後悔する)」

 

ラスカス「父さんはだいじょうぶ(サーナを抱き寄せ)今まで幸せだった。十分だ。母さんとサーナと、恵まれ過ぎだ」

 

サーナ「なんでそんなこと(言うの? と泣く)」

 

ラスカス「サーナにはいっぱい我慢させた」

 

サーナ「(首を振る)」

 

ラスカス「行こう。ほら」

 

 

 

 

●山小屋・表

 

ラスカス「(サーナを促しながら来て)頼むよ」

 

テイル「(うなずく)」

 

ラスカス「(サーナに)気をつけて」

 

サーナ「戻るから。すぐ」

 

ラスカス「(うなずき)早く」

 

テイル「(一礼して山へ)」

 

サーナ「(ついて行く)」

 

ラスカス「(見送る)」

 

サーナが立ち止まり、テイルが気づいて振り向く。

 

サーナが振り向くと、ラスカスが手をあげる。

 

サーナとテイル、再び山へ。

 

ラスカスは決心したように山小屋内へ。

 

 

 

 

●墓地

 

ラスカスが来る。墓標の前に立つ。

 

 

 

 

●ラスカスの回想・山小屋

 

サラン「(ベッドにいて)ごめんなさい(涙ぐむ)」

 

 

 

 

●現実・墓地

 

ラスカスが墓前にひざまずく。

 

 

 

 

●山中

 

サーナが先導し道なき道を行く。森の隙間から山小屋が見えると立ち止まってしまう。山小屋に動きはまだない。

 

 

 

 

●山小屋の近く

 

警官たち一行が来る。

 

 

 

 

●墓地

 

ラスカスが墓標を見ている。男の声が遠くから「誰かいないか」

 

ラスカス、声の方を見る。立つ。

 

 

 

 

●山中

 

登るサーナとテイル。山小屋はもう見えない。

 

 

 

 

●山小屋・表

 

ラスカスの声「なんだね」

 

たむろしていた一行が振り向く。ラスカスが墓地の方から来る。

 

警官C「(山小屋から出てきて)ここの者か」

 

ラスカス「勝手に入ってなんだ?」

 

警官C「他の者は。家族は」

 

ラスカス「いない。ひとりだ」

 

警官D「嘘つけ。娘がいるだろ。若い男も来たはずだ」

 

ラスカス「なんのこと」

 

警官C「(若者2人を見る)」

 

若者AとB「(ラスカスを見るがラスカスに睨まれ目をそらす)」

 

警官E「名前は」

 

ラスカス「(若者2人を睨んでいる)」

 

警官E「名前を言え」

 

 

 

 

●山中

 

先導するサーナが足をとめ、後ろのテイルを制する。ふたりの視線の先に大きな熊。遠くでふたりに気づき、足をとめる。

 

サーナ、ゆっくり銃を構えて狙う。

 

睨み合う熊とサーナ。熊が一方に歩きだす。サーナはホッとして銃を下ろし、テイルにうなずいて別方向へ。

 

 

 

 

●山小屋・内

 

警官E「なぜ名前を言わん」

 

ラスカス「(家探しをされた室内を見まわし)こんな風にされて言うと?」

 

警官C「命令だ。言え」

 

ラスカス「――」

 

警官D「ベッドが3つあっておまえひとりのはずない」

 

ラスカス「家族のだ。すいぶん前に死んだ」

 

警官E「革細工を作って暮らしてるのか?」

 

ラスカス「食うのはそこの畑と、山の物と」

 

警官E「趣味で作ってるわけじゃないだろ。町に売りに来たのを見たことないな」

 

ラスカス「――」

 

警官C「銃は。銃の許可証は」

 

ラスカス「銃なんてない」

 

警官C「嘘つくな」

 

ラスカス「探せばいい」

 

警官D「こんな山奥にいてないわけないだろ。狩りはしなくても護身に要るはずだ」

 

ラスカス「――」

 

警官E「若い娘と男が来たのは、わかってる。かくまったのか? 逃がしたのか?」

 

ラスカス「――」

 

警官E「どこに向かった」

 

 

 

 

●山中

 

険しい上り坂をサーナとテイルが行く。助け合いながら。

 

 

 

 

●山道

 

前出の崖に面した狭い道。ラスカスが山あいの町に連行されている。先頭に警官2人。次にラスカス。その後ろに警官1人と軍人2人。最後に若者2人。

 

ラスカスの後ろの警官が「グズグズするな。日が暮れる」と叱る。

 

ラスカスはその夕空を見上げ、目に焼きつけるよう周囲を見まわし、決心して逃げ出す。先頭2人を突き飛ばし山道をくだる。

 

「わあ!」と警官2人がよろけて崖を落ちそうになり、もう1人の警官が銃を抜いて「待て! 止まれ! 撃つぞ!」と構える。

 

軍人が「撃つな!」と叫ぶが銃声。

 

 

 

 

●山中

 

サーナが銃声のこだまに足をとめる。振り向く。

 

山々の眺望。響くこだま。

 

テイルも見ている。心配。サーナは心配をねじ伏せるように目を伏せ、再び歩きだす。

 

 

 

 

●残照の中の山々

 

 

 

 

●山中

 

雨風をしのげる洞窟にサーナとテイル。焚き火の前に座り、持ってきた芋などを焼いている。

 

サーナは父が心配で泣いてしまう。テイルはかける言葉が見つからない。F.O.

 

 

 

 


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