逆行 | Novel & Scenario (小説と脚本)

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物語を続けて書いてると当たり前で意識しなかったことに、久々だと改めて気づいたりします。

その1つが逆行。会話にしても展開にしても、とりあえず逆に行く、というコツがあります。

キャラクターたちが真逆の意見で対立したり、噛み合わず気まずくなったり、誤解でこじれたり、進めたい方向があってもまずは失敗する、最後はうまく行くにしても簡単には行かせない。

トントン拍子ではリアリティーがない、都合がよすぎると冷める、というのもありますが、とりあえず順調でなく揉めたりする方が面白い。どうなるんだろうと先に気になる。

向田邦子さんの「阿修羅のごとく」じゃないけど、そういうのに惹かれるサガみたいのがあるんでしょうね。

ぶつかり合って気持ちが波立ったりはリアルだと避けたいもののはずなのに、物語なら他人事で傍観できるし面白がれる。人の不幸は蜜の味。悪い方に悪い方に進む話は退屈しない。

そういうものだと思うので、物語に慣れるとその連続ですから「やってんなぁ」とよく思います。

「ブローン・アウェイ」という映画がありました。主人公の妻子が爆弾魔に狙われ、主人公がバイクで駆けつけるシーンがあって、ドキドキするカットが細かく挟まります。妻子が自宅でオーブンをつけたり、抜かれた電話線を差し込んだり。それで起爆するんじゃないかと見る方はハラハラするんですが、結局なにも起きません(ネタバレ御免)いかにもな演出でそれこそ「やってんなぁ」ですが、大好きな映画でした。物語は多少の差はあれ皆そういうものだと思います。

他人の作品ばかりを取り上げるのはフェアじゃないので付け加えると、新作の終盤も同様、起こった出来事だけ拾ったらあっけないものですが、いろいろ足したり混ぜ合わせて盛り上げようとしてます。

あとは逆に伏せたりですね。

またヨソサマの話になりますが、「ミッション:インポッシブル」の映画、中盤のミッションについてはどれだけ難関かを事前に説明しますね。こんな大変なことをこれからするぞ、と。それが実践の場面ではアクシデントが起こり計画通りに行かず、「さてどうする?」「困ったぞ?」というスリルなんですが、クライマックスのミッションは違います。事前説明なく進行し、進行の中で説明し、最後でやっと全貌が明かされる。謎&どうなる? の緊張感で見せる。

それもまた「やってんなぁ」ですが、新作もこれ、踏襲してます。

こんな種明かしは気づかれた時の保険みたいに取られますかね?

でもこういう気づきは本気で悪くないと思ってます。このエッセイで書いてきたのはそんなのばっかりだし。

物語はそういうもの、というのを踏まえたうえでも楽しめるように書かないと、と考えてます。
 

 

物語についてのエッセイ・目次

 


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