毎年年末になると、ハカセ夫婦が訪ねて来てくれる。

ハカセ君とは、その昔、自分が八ヶ岳で「和カフェ」として運営していた『小角堂』という店へ、リゾート・バイトで来てくれたのがその出会い。アルバイトをしてくれたのは、僅かな期間だったが、それ以降、毎年のように会いに来てくれていて、もう長い付き合いになる。

 

 横浜在住の彼は、名古屋にも毎年訪ねて来たし、八ヶ岳に移住してからも、ほぼ毎年訪ねてくれる。最初の出会いのアルバイトの時は学生だった彼も、もうイイ年になってきた。何年か前に結婚もし、今は夫婦で来てくれるようになった。

 

<奥さんのアッちゃんとハカセ君>

 

 そんなハカセが来る時は、あれこれ様々な土産を山の様に持って来てくれるのだが、最近、その土産の中で自分が特にお気に入りのものがある。それはレトルト・カレー。ただ、レトルト・カレーと言っても、そこらのスーパーで売っているものではない。見た事も無いような怪しげなパッケージで、恐らく、新大久保のヤバそうなインド食材店で買って来てくれるのだろう。

 

<いつも謎の土産を山ほど持って来てくれる>

 

 

 

<自分がお気に入りの怪しげなレトルト・カレー>

 

 このカレーがメチャクチャおいしいのだ。いや、おいしいと思うかどうかは人それぞれだが、自分は大のお気に入りになり、彼が来るという時は必ずおねだりをするようになった。何種類も有るのだが、どれもこれも、日本人の口に合わせた味ではなく、クセの有る現地の味をそのまま閉じ込めているようなクオリティーで、インド、ネパールを長く旅した自分にとっては、懐かしくもあり、最高の御馳走なのだった。

 

 お土産でもらっても、もったいないのですぐには食べない。何か特別な日の御馳走に取ってある。今回は、その特別な御馳走を、雛祭りだという事で食すことにした。子供がいない我が家には雛祭りを祝う習慣は無いが、御馳走を食べる口実として、「雛祭り前夜祭」という事にした。

 

 2種類のレトルト・カレーに、ナンを用意し、チキンやポテト、サラダを買って来て、自作のビリヤニを添えた。これでインディアン・ナイトのテーブルは完璧に整った。

 

<完璧な食卓>

 

 

<ナンに自作のビリヤニを添えた>

 

 「お雛さんにカンパーイ!」 外国風に氷を入れたグラスにビールを注ぎレモンを絞る。旨い! まるでインドのヤバイ飲み物「リムカ」のようなテイスト! インド料理には、レモン入りビールが最高に合うのだ。 

 

 

 インドやネパールに想いを馳せ、思い出話を語りながら宴が盛り上がれば、やがて幸せな欠伸の時間がやって来る。