五平餅というものは、全国的なものなのかどうか。

自分のイメージでは、岐阜県から長野県あたり、中山道沿いの郷土食という感じだ。さらに子供の頃の思い出として、高速道路のサービスエリアで買ってもらえるものだった。

 

 五平餅を知らない人が、日本人の中に居るのかどうか、よくわからない。一応、知らない人の為に簡単に説明すると、ご飯を半潰しにして木の平たい棒に小判形に纏め、それを炭火でこんがり焼いて、甘めのゴマ味噌だれを塗った、おやつのような食べ物。

 

 なぜ、サービスエリアでしか買ってもらえなかったかというと、そもそも五平餅というものを町中で売っている所が無かったからだ。たこ焼きやみたらし団子は、お店があったり、スーパーの入り口にあるテイクアウト店舗などで売っていたが、五平餅は売っていなかった。もっとも、これは名古屋市内の話しで、岐阜や長野では、専門店が町中にあったのかも知れないが。

 

 先日、何年かぶりに、よーこが岐阜の実家に帰った。その時自分が、帰りに買って来て欲しいとお願いしたのが、五平餅だった。昔から、よーこの実家のそばに、五平餅の専門店が有り、ここの五平餅が絶品なのだ。

 

 五平餅は、小判形というのが基本的な定番の形で、知っている人は誰でも、五平餅と言えば小判型を思い浮かべるはずだ。だが、この、よーこの実家近くの店の五平餅は例外で、小さい団子状のご飯を、つくね団子のように串に刺してある。そして胡桃入りの特製たれで仕上げてある。

 

 

 よーこの実家で、はじめて食べた時、五平餅らしからぬ見た目も驚いたが、その旨さにびっくりした。今まで食べてきた五平餅の中で抜きん出て一番。このレベルの違う旨さに、すっかり大ファンになってしまった。しかし、他所では売っておらず、この店に出向く意外に手には入らないのだ。

 

 この日、よーこは、ハリキッテ20本も買って来てくれた。もっとも、お金を出してくれたのはお父ちゃんだったらしいが。

 

 

 旨い!やっぱりこの五平餅は旨い!久しぶりの味に舌鼓を打つ。

五平餅と漬物をつまみに、日本酒で一献。

ほろ酔いで、欠伸の時間がくれば、まるで中山道を旅しているような気分になれた。

 

 

 木曽路はすべて山の中である。