この辺りは温泉地で、市営町営村営の公営のものから、ホテルや旅館、リゾート施設などが運営する私営のものまで、多くの温泉施設が有る。我々は週に少なくとも一回、多い時は二回以上、温泉に入りに行く。お気に入りなのは家のすぐ近くにある『延命の湯』と南アルプスの懐深くにある『尾白の湯』。どちらも源泉掛け流しの天然温泉で、公営なので市民料金で安く入れる。
この冬は毎週『尾白の湯』に通っていた。午後の2時過ぎに家を出て、2時半頃から4時過ぎまで、ゆっくり過ごす。やわらかい午後の日差しの中で、広々とした露天風呂に浸かれば、空はどこまでも澄んで青く、雪を被った八ヶ岳や南アルプスの美しい姿が眺望でき、最高に贅沢な気分になる。
しっかり温まり、癒された後は、道の駅白州に寄って食材などの買い物をするのだが、その敷地内に有るスーパーの入口に、いつも焼き鳥の出店が出ている。いわゆるキッチンカーというやつだが、毎回必ず居る。これが前々から気になっていた。子連れの主婦や仕事帰りらしきおじさん達が、けっこう買っている姿を見る。
どうなんだろう。オイシイのかなあ~。くんくん。ああ、焼き鳥のイイ匂いだなあ~。気になるなあ~。おなかすいたよ~。風呂上りに焼き鳥でチューハイってイイよなあ~。と、毎回、こんな思いで横目で見ながら通り過ぎていたのだが、ついに決心した。よし!買ってみようー!
この日は、いつも通り温泉にゆっくり入り、その後まっすぐに焼き鳥屋に直行、迷わず全種類を2本づつ買った。全種類と言っても、たかが6、7種類だったが。焼き上がりのアツアツを持って帰路に着く。車の中は焼き鳥の香ばしいイイ匂いが満ちていて、もう待ちきれない気分につい車のスピードも上がる。計画通り、家の冷蔵庫にはキンキンに冷やしたチューハイと凍らせたジョッキと枝豆などが待っているのだ。
我が家に到着。さっそく焼き鳥各種を皿に並べ、一味と七味を横に置き、枝豆などのつまみものを添え、凍ったジョッキにチューハイを注ぐ。我が家の焼き鳥屋さんの完成だ。カンパーイ!
風呂上がりの体はスポンジのようにチューハイを吸収し、火照った体の隅々まで行きわたる。さあ、焼き鳥はどうだろう。パクッ!うんうん、オイシイじゃないの。旨い旨い。十分だよ、文句なし。大ファンになるほどのものでもないが、1本100円~150円の値段でこのクオリティーなら十分満足。
温泉上がりに、キンキンに冷えたレモンチューハイと相俟って、焼き鳥の味もプラスαの合格点。更に我が家の焼き鳥屋さんのイイところは、酔っぱらって欠伸の時間が来れば、すぐに布団に入れることだ。まるで旅の宿のような、いつでも寝れる焼き鳥屋。あ~、極楽、極楽。




