4.TPPでデフレが進む

安い給料で働く外国人が日本にたくさん入ってくれば、

給料の相場が下がる。

給料が下がると、経済的余裕がなくなって、

みんなモノを 買わなくなる。

高いモノは売れないから、売ろうと思ったら、
値段を安くしなくちゃならない。

こうして値下げ競争でデフレがさらに進んでいく。

デフレっていうのはモノの値段がだんだんに下がっていくこと。

その反対はインフレだ。

日本ではもう10年以上もデフレが続いている。

インフレが激しすぎても困るが、

デフレも決していいことじゃない。

みんなが節約に一生懸命になり、
お金を使わなくなると、 世の中にお金が回らなくなって、
経済が停滞してしまう。

モノが安くなっていいような気がするかもしれないけど、
自分の給料も安くなるから結局買いたいものが買えないんだ。

給料カットで節約→物が売れなくなる

→利益が無くなる→給料カット


みんながモノを買わなくなると、
工業製品も売れなくなる。

だから、農業だけじゃなく、

TPPで工業も衰退してしまうよ。
3.TPPで賃金が下がる

TPPに加盟すると「労働力の移動」も自由化される。

するとTPP加盟国からの労働者が日本にどんどんやって来る。

例えば、
ベトナムの労働者の最低賃金は月給で83万ドン ~155万ドン(地区などの条件によって違う)。
これを日本円に換算すると3057円~5709円と、

メチャクチャ安い。

まあ、ベトナム人といえども、日本で働くなら、
日本でご 飯食べたり、家賃払ったりしなきゃいけないわけだし、
飛 行機代(もしくは船賃)かけてやって来るんだから、
ベト ナム国内と同じ値段で働くというわけにはいかない。
日本には日本の最低賃金もあるしね。

でも、日本人にとってはサイテーの給料でも、
彼らにとっ ては大きな魅力。
安い給料でも働いてくれる人が増えれば、
企業はわざわざ高い給料なんか払わない。
こうして賃 金の相場はだんだんに下がっていく。

給料の安い外国人に職を奪われて、

日本人の失業はどんどん増えるだろう。

ちなみに、カナダ、アメリカ、メキシコの間で自由貿易協 定NAFTAが結ばれたことで、

アメリカ国内では50万人もの人が失業したんだよ。
2.TPPで医療はどうなる?

アメリカは日本に対し
「病院に利益至上主義を持ちこめ」
とはっきり要求してきている。

TPPに参加すると同時に
国民皆健康保険制度がなくなってしまうというわけじゃないけれど、
真っ先に起こりそうなのは「混合診療の全面解禁」だ。

「混合診療」とは何か、まず説明しよう。

健康保険の使える医療の範囲は定められていて、
最先端の医療はまだ保険の対象になっていない、
という場合があ る。
この場合、保険の効かない医療と、
保険の効く医療を 同時併用すること=混合診療をしてはいけない。
もし混合診療をすると、保険の効く部分の医療まで、
自費で全額負 担しなければならない、ということになっている

こういう規則があると、
混合診療したら医療費がとても高 くなってしまう。

じゃあ、混合診療はやめよう、とたいていの人は思う。
これによって、保険の効かない医療の利用は抑えられている。

つまり、この「混合診療の禁止」は、
最先端の医療を売り込みたい製薬会社などにとっては、
まちがいなく「非関税 障壁」だ。
だから、きっとすぐに解禁を求められるだろう。

混合診療が解禁されると、
保険の効く部分には保険を使 い、
保険の効かない部分は全額負担となる。
一見患者の選択の範囲が広がるように見えるね。

でも、これって、よく考えると、
歯医者でやってることと同じなんだ。

歯医者では、保険の効く診療と、
効かない診療を同時にやっても問題ない。
だから、歯医者には、保険の効かない メニューがたくさんある。
歯並びをよくするための矯正や、歯を白くするホワイトニングもそうだし、
虫歯の後の 詰めものも、金とか、セラミックとかいろいろある。「保 険は効かないですが、そのほうがきれいですよ。
アマルガムじゃなくて、金にしませんか?
セラミックにしませんか」とやたら勧められる。
かなりしつこくすすめられる場合もあるね。

「保険の効くのでいいです」と言い張ると、
ケチな客、と思われてないがしろに扱われる、
そんな経験がキミにはないかな?

歯医者さんに言わせると、
保険の効く診療だけでは、赤字 になってしまい、
経営はまったく無理なのだそうだ。
だからどうしても保険の効かない診療を患者に勧めることになる。
腕のいい歯医者さんになると、保険はやらない、自由診療しかしない、などという人もいる。

そういう事態が歯医者以外の病院でもきっと起こる。

日本の健康保険はただでさえ費用が膨らみすぎて問題になっているから、混合診療が解禁されれば、じゃあ保険の効く範囲を狭くしよう、
というふうに話が進むのは目に見えている。

すると、保険の効く医療では最低限のことしかできない、
高度な医療を受けたい人はお金はかかりますが、
自由診療 を受けてください、という話になる。

貧乏人と金持ちとで、受けられる医療の格差がどんどん広がっていくだろ う。

そしてアメリカの医療保険会社は、自由診療のための保険を真っ先に売り込みにやって来るだろうね。

アメリカの医療事情は本当にひどい。
公的な保険がなく、 民間の医療保険が高いので貧乏な人は保険に入れない。
国民全体の15%が無保険だ。

入院患者に支払い能力がないとわかると、

路上に捨ててい く病院すらある。

ある無保険の大工さんは事故で指を切り落として病院に行くと

「薬指をつなげるのには1万2千ドル。

中指をつなげる のには6万ドル。どっちにしますか?」

と聞かれたという。

そんな法外な額のお金が用意できなければ、

つながるはずの指もあきらめざるを得ない。

そして年間4万4000人もの人が、

保険に入っていないがために、医者にかかれずに死んでいく……。

これがアメリカのいう「利益至上主義」医療の実態だ。

TPPに加盟したら、
日本の医療もその方向へ、じわじわと進んでいくことになる。