★ストーリーで学ぶ地球環境問題
☆☆大好きな地球を大切に☆☆
【第25日】:
第2章
地球温暖化はもう始まっている
◆世界中で健康被害が増加
「人間への悪影響といえば、健康
そのものへの被害も心配されて
いるんだよ。
IPCCは、
『マラリア患者が5000~6000
万件も増加する。
また、気温上昇・洪水増加の影響
としてコレラなどの感染症も増加
する恐れがある。
気温2度の上昇で、アメリカでは
熱波の被害が深刻になり、心臓病
などで死亡する人は、2050年に
ニューヨークで現在の5.5倍、
ロサンゼルスで8.7倍に増える』
としているんだ。
世界保健機関(WHO)によると、
現在でも南アジア、アフリカ、中南米
を中心に、年間3~5億人が感染し、
150万人~270万人が死亡して
いるそうだ。
これが温暖化による3~5度の気温
上昇で、マラリア患者は年間5000万
~8000万人も増加するというんだ。
これらの数値自体は発表の度に変化
するけど、温暖化によって数値その
ものよりも健康への影響が大きくなる
ということを理解して欲しい」
「先生、尚子さんも心配してると思う
けど、日本ではどうですか?」
一郎くんが尚子さんの気持ちを
察して質問しました。
尚子さんは、しつこいと思われるの
がイヤで、日本について聞くのを
ためらっていたのです。
「君たちが心配している通り、日本人も
健康被害が予想されているんだよ。
環境省は『21世紀半ばには、西日本
全体がマラリアの流行危険地域に
入る可能性がある』と言っている。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20130715/20/noukori/75/40/j/o0355030712610886213.jpg?caw=800)
また熱帯病で、デングウイルスが
原因で発熱や出血などを引き起こす
デング熱も、温暖化が進むと日本に
上陸するかも知れないそうだ。
コレラ菌、サルモネラ菌、病原性
大腸菌O-157などの食中毒菌も、
温度上昇で増殖力が高まりそう
なんだ。
厚生労働省は、気温が20℃を
超える日が増えると要注意と警告
しているんだよ」
「でも、日本はお医者さんが優秀
だから、感染してもすぐに治療して
もらえるんじゃないの?」
尚子さんが大南先生に食い
下がっています。
「たしかに日本のお医者さんは
優秀だ。
でも問題は、日本にはマラリヤや
デング熱の患者を診察した医者が
ほとんどいないということなんだ。
未知の病気が流行し始めたとき、
知識がないためにほかの病気と
誤って診断してしまったり、
治療法が徹底されずに多くの人が
手遅れになってしまうかも知れない。
日本人は、それが自分の家族や
孫かも知れない、と考えたことは
ないのだろうか?」
「先生おどかさないでよ。
ますます心配になっちゃう。
でも、温暖化が防止できれば、
そんな心配なんかしなくても
いいんだよね」
次回に続きます。