ストーリーで学ぶ地球環境問題【大好きな地球を大切に】第24日-温暖化で水産資源も減少する | ひとも地球もサステナブル!

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★ストーリーで学ぶ地球環境問題


☆☆大好きな地球を大切に☆☆


【第24日】:

第2章 
地球温暖化はもう始まっている



温暖化で水産資源も減少する


「実は、魚や貝などの水産資源も
危ないんだ。

危ないというか、すでにそのきざしが
見られるそうだ。

たとえばアメリカのカリフォルニア州
沖の太平洋で最近約40年間に、
海水の温度上昇が引き金となって
プランクトンの数が80%も減って
いたんだ。

プランクトンが減っている海域の
水温を測ってみると、1.1℃から
1.7℃高くなっていた。


水温の上昇は、海面から深さ180
メートルのところまで起きていて、
海面に近いほど温度が高くなって
いたそうだ」


「どうして水温が上がったら
プランクトンが減るのですか?」

2人が同時に同じ質問をしました。


「不思議に思うかい? 

少し難しいかも知れないけど、理由を
説明するからよく聞いてね。

海面に近い部分と深い部分の海水の
密度差が大きくなった結果、深海の
栄養分が海面に上昇しにくくなった
のが激減の原因らしいんだ。

・・・・もう少し分かりやすく説明しよう。

海底から、プランクトンの栄養になる
ミネラルなどを豊富に含んだ地下水
が湧き上がってくる。

この地下水は比較的温度が低いの
だが、通常の海面温度であれば海面
付近まで昇ってきてプランクトンに
栄養分を補給するんだ。

 


しかし、海面の温度が高くなると
地下水が上昇できなくなって、
プランクトンの栄養が絶たれてしまう

ことになる。

お風呂を思い浮かべると分かると
思うが、冷たい水は比重が大きい
ので、激しい上昇流でない限り、
温かい水の上に来ることはあり
得ない
よね。

・・・・さて、栄養を絶たれたプランク
トンが減少すると、イワシやサバ
などのエサが不足し、飢えて死ぬ。

すると今度は、ハマチやマグロなど
の大型魚のエサがなくなるといった
具合に、またまた食物連鎖を通じて
水産資源も大きな影響を受けて
しまう
ことになるんだ。

日本近海でも最近イワシが激減して
いるけど、これも海水温度の上昇に
よる影響が1つの原因と見られて
いるんだ」

大南先生は一気に説明しました。


「以前からオゾン層破壊や海洋汚染
によって水産資源が減少していること
は聞いたことがありましたが、地球
温暖化でも同じことが起こるのですね」

一郎くんが、地球環境問題の奥の
深さを実感してため息をつきました。


どの地球環境問題もそうだけど、
地球温暖化は最終的には人間に
悪影響を及ぼしてしまう
のね」

尚子さんが、自分に言い聞かせる
ようにつぶやきました。


 
次回に続きます。