ストーリーで学ぶ地球環境問題【大好きな地球を大切に】第21日-生態系が温度の変化についていけない | ひとも地球もサステナブル!

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★ストーリーで学ぶ地球環境問題


☆☆大好きな地球を大切に☆☆


【第21日】:

第2章 
地球温暖化はもう始まっている


生態系が温度の変化について
    いけない 


「先生、よく分かりました。
さっそく、次に進みましょう!」

尚子さんが一瞬にしていつもの
明るさを取り戻しました。

子どもは頭の切り替えが早くて
実に頼もしい!


「OK!
あと100年で平均気温が2℃上昇
するだけでも深刻な影響が出てくる
ことは分かったね。

ところが、この程度だったら札幌と
東京の平均気温の差である7.4℃
よりもずっと小さいので大したことは
ない、と思う人もたくさんいるのが
実情なんだ。

でも、氷河期と温暖期の差である
3~5℃の変化は数千年以上
かかって少しずつ進行した
んだよ。

しかし今問題になっているのは、
100年で同じくらいの温度上昇が
起こるということ
なんだ」


「どんな問題があるのですか?  
温度上昇のスピードが速すぎる
とか?」

一郎くんは、自分の質問に答える
ように言いました。


「その通り。具体的に言うと、
生態系はこれほどの急激な変化
にはついていけない
んだ。

たとえば、温帯には温帯という気候
条件の中で進化してきた生態系が
でき上がっているよね。

ここでは、すべての動植物が食物
連鎖を通して共生、つまり共に
生きている。

『食物連鎖のどこかが切れると、
すべてのつながりが切れる』
ということは、今までに何回も出て
きたからもう分かるよね。

一郎くん、君ならどう説明するかな?」


「はい、やっぱり食物連鎖のことですね。

急激な温暖化によってまず大きな
影響を受けるのは、地表付近で活動
している微生物やバクテリアです。

これらが地表温度の急上昇について
いけずに死んでしまいます。

するとミミズや昆虫がエサがなくなって
飢え死にします。

その結果、土が死んで森林が消え、
動物がいなくなります。

そして、いつか食糧不足になり、
人間もいなくなってしまいます」

一郎くんは、すっかり食物連鎖に
ついてマスターしたようです。

 

 


「そうだね。最後の予測は物騒だけど、
その可能性は今のままだったら充分
あり得ることだね。

実は、これらのことは2℃程度の温度
上昇であっても起こると予想されて
いるんだよ。

簡単に言えば、『今いるところが寒帯
ならば亜寒帯に、温帯ならば亜熱帯に、
亜熱帯なら熱帯になってしまう。

そうなれば、地球上の森林のうち
3分の1が適応できずに枯れたり、
育ちが悪くなったりする。

育ちが悪くなると抵抗力がなくなる
ので木食い虫などにやられてしまう。

木が枯れると二酸化炭素を吸収
しなくなるばかりか、腐ったり、
燃えたりするときに二酸化炭素を
排出してしまう』ということなんだ。

燃える原因は、風が吹いて木と木が
こすれあって、摩擦熱で発火すること
もあるけど、人間が畑を作るために
故意に火をつけることも多いんだよ。

これは焼畑というんだが、森林破壊で
また出てくると思うので、そのときに
勉強しようね」


 
 

次回に続きます。